キャスト・アウェイ

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(原題:Cast Away)
2000年/アメリカ
上映時間:144分
監督:ロバート・ゼメキス
キャスト:トム・ハンクス/ヘレン・ハント/ニック・サーシー/ジェニファー・ルイス/フォン・バーグ/クリス・ノース/他

 




 

「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズや「フォレストガンプ/一期一会」で有名なロバート・ゼメキス監督が贈るヒューマン・ドラマ。

主演を務めるは大御所トム・ハンクス、というか無人島でのサバイバル映画なので、ほぼ一人芝居です。

 

もともと中肉中背(何気に身長は183cmだけどね)の男性だと思いますが、現代を忙しなく生きる男性がサバイバルによって痩せ細る流れがあるため、本作の撮影にあたり22kgもの減量をしたんだとか。

文明のど真ん中を生きていた人間が、文明の無い生活を送り、再び文明に帰る。

玉手箱の出てこない、リアル浦島太郎のような映画です。

 

 

 

さっくりあらすじ

チャック・ノーランドは宅配会社フェデックスのシステム・エンジニアとして、世界中を飛び回っている。

クリスマスを恋人・ケリーと過ごし、プロポーズをして南米行きの貨物飛行機に乗り込んだチャックだったが、大きな嵐に巻き込まれ、貨物便は太平洋上に墜落してしまう。

ただ一人、無人島に流れ着いたチャックだが、島に自生しているのはヤシの木のみで動物もいない。

途方に暮れるも、同じく島に流れ着いた積み荷を開封し、島でのサバイバル生活を決意するのだが、、、

 

 

 

 

cast-away-di1火がついたー!

 

cast-away-2000-pics蟹とれたー!!

 

tom_hanks_cast_away_wilson唯一の友達・ウィルソン君

 

 

 

 

脳が作り出す”想像”

要は忙しいビジネスマンが何にも無い無人島で生き抜くお話しです。

ヤシの木と雑草しかなく、飲み水もロクに無く、近くを船が通り大声で叫んでも全く届かず、ゴムボートで脱出を試みても波が高すぎて転覆、身を打つような雨にさらされ、、、と絶望的なロケーション。

火を起こすことすら難儀な生活の中で、徐々にサバイバルに順応していくという流れですね。

 

何をやっても上手くいかない、つらい現実に癇癪を起すチャックですが、そんな折にバレーボールのウィルソン君を見つけ、”友達”として一緒に過ごすことになります。

人は孤独にどこまで耐えられるのでしょうか?

人形ならまだしも、ボールのウィルソン君に話しかけ、共に過ごそうとする姿はすでに狂っているようにも見えます。

 

しかし何にも頼れない、寄りかかる人もいない、あらゆるストレスをダイレクトに受ける生活は人間を変える苦しさがあるのでしょう。

自分が抱えていたあらゆる価値観が無くなってしまった時、人は何に意味を見出して生きるのか?

それが前半部分の見どころと言えるでしょう。

 

 

そして後半、いきなり4年が経過し、やや唐突な印象ですが、最終的には堅実に成長しサバイバリストとして上級者になったチャック。

漂流物を利用しイカダを作り、相棒ウィルソン君と共にさぁ出発!

しかし嵐に遭遇し、無情にもウィルソン君は海に流され離れ離れに。

もの言わぬボールながら、チャックの心を支え続けたウィルソン君に向かい「許してくれー」と叫ぶシーンは本作屈指の泣き所でしょう、多分。

 

何やかんやで生き残り、4年ぶりに文明社会に戻って来るチャック、ライターで簡単に火がつくシーンは何ともシュール。

自分の葬儀は終わり、プロポーズしたケリーは既に他の男と結婚しており、戻って来た浦島太郎には何も残ってはいない現実があります。

この最初から最後まで、苦労に苦労を重ねた上に報われてないお話をどう受け取るか、何の意味を見出せるかで評価がガラリと変わる作品です。

 




 

まとめ

自然の驚異もモンスターも出てこない、良くも悪くも地味なサバイバルを描いた作品と言えます。

トム・ハンクスの演技力に終始ブン投げっぱなしな作品ですし、サバイバルの過酷さや孤独のつらさ、そして4年の空白で失ったものなど。

一体何を伝えたいんだと聞きたくなる作品ですが、どこに重きを置くかで面白さも変わるのでしょう。

筆者が初めて観たのはアメリカの映画館で、つたない語学力のせいもあり面白い印象も無かったですが、今観なおしてみるとなかなか面白かったなぁと思います。

 

まぁ感じ方は人それぞれ、無人島に何があれば便利なのかは良く分かる映画なのは間違いありません。

ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。

 

 

 



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