TIME


(原題:In Time)
2011年/アメリカ
上映時間:109分
監督:アンドリュー・ニコル
キャスト:ジャスティン・ティンバーレイク/アマンダ・セイフリッド/キリアン・マーフィー/オリヴィア・ワイルド/マット・ボマー/他

 




 

「時は金なり」という意味をこれ以上ない程にダイレクトに描いた近未来SFサスペンス。

監督は「ガタカ」など未来の社会を描くことに長けるアンドリュー・ニコル氏ですが、実際には「時は金なり」を通り越して「時は生命なり」にまで昇華させているユニークな作品です。

 

朝起きて、仕事して、映画観てゲームして、寝る。

友達もいないので本当にルーティーンな毎日で、寿命を逆算して日々忙しなく動き回る人生とは無縁であり、何とも時間を無駄にした日々を送っております。

ぶっちゃけて言えば映画もゲームも漫画も無駄と言えば無駄ですし、そういった時間的な「無駄」を楽しめるからこそ人間の人生は面白いものなんだと解釈しています。

 

そういった「無駄で楽しい時間」が「寿命」と直結した場合、どんな人生が待ち受けているのかをアイデアたっぷりに描いた映画です。

 

さっくりあらすじ

遺伝子操作により人類は25歳で老化を止めることが可能になり、人口過密を防ぐ手段として「通貨」は「時間」となり、消費に伴う支払いは全て時間で払うことになった。

富裕層は十分過ぎる程の時間を所持することにより不老長寿に近い存在になり、貧困層は労働を対価にわずかな時間を給料として受け取り、壁で仕切られ、通行料が必要な道路を境に街は隔離されていた。

左手首に装着した残り寿命を表す装置が0になると死を迎えることになり、また自分の腕を上にして相手の腕を掴むことで時間を奪うことができるため、そうした強盗で生計を立てるスラム街も存在する。

そんなスラム街に住む青年・ウィルはマフィアから富裕層の男性を助けるも、男性はウィルに全ての時間を与え自殺してしまうのだが、、、

 

 

 

スラム街に住む日雇い労働者・ウィル

 

ウィルの母・レイチェル
老化が止まるため外見は25歳

 

富裕層の令嬢・シルヴィア
アマンダ・セイフリッド超かわゆす

 

 

 

 

簡易的な経済システム

アレも欲しい、コレも欲しい、そんな欲望を叶えるために日々頑張って働いているわけですが、寿命を消費すれば手に入る世の中というのはシンプルなようで複雑ですね。

時間が無くなればその場で死んでしまうということで、何かをしようとする度に熟考するようになるでしょうし、それはそれで”時間の無駄”になるわけで、どう生活するのが正しいのか見失ってしまいそうです。

 

作品としては「これぞSF!!」というアイデアではあるものの、それを形にできていないあたりが本作最大の難点かなと思います。

簡単に言えば面白い発想だけれども、設定も脚本も演出もグダグダってことね。

具体的には劇中で描かれる価格設定(コーヒー1杯3分とか、でもバスに乗ると1時間とか)が滅茶苦茶ですし、スラム街はまだ良いとして、富裕層が住む贅沢な建築物やインフラ費用はどうなってんだ?と。

ついでに言えば事故や事件で亡くなった人の時間はどこに行くんだ?と。

 

貧困層の方々はその暮らしを受け入れているのか、はたまた諦めているのか、、全体的に達観している風な割には命のカウントダウンが始まってからやっとオロオロする愚鈍ぷり。

明日死ぬかもしれないという緊張感や悲壮感に欠け、そこに説得力を感じないとせっかくのアイデアも活きないというもので。

まぁリアルに考えたら苦しい生活を強いられた上で今週死ぬ人が沢山いるようであれば、間違いなく武装蜂起に至るでしょうし、そのあたりの整合性さえあれば非常に魅力的な作品になり得たように思います。

要は世界観に血が通っていないというか、倫理がないんですな、倫理が。

 

総じて良く言えば経済における格差社会を極めて分かりやすく視認できる作品だとも言えますが、逆に言えば分かりやすく紐解くことができないのが経済学というものなんでしょう。

 

経済社会をテーマに掲げた作品ではあるものの、内容としては成金青年と箱入りお嬢様の逃避行がメインとなります。

まさかの強盗家業に身を落とす2人、これは賛否が分かれそうですが「経済社会・管理社会の秩序を乱す悪党」と「人の自由や安心を優先させる平等主義」との対比を描いたと言っても良いのでしょう。

そういう面では深い意味を感じ取れる部分も少なからずありますが、そこに行きつくまでの多岐に渡るツッコみどころに目を奪われて、テーマがボケてしまっているのがなぁ。。

 




 

まとめ

収入が少ない人は自分の時間を削って働く必要があり、高額な医療費が払えない人は死んでしまう、そういう現実と照らし合わせればそれなりに見応えはあるでしょう。

脚本が斜め上な方に向いてしまったのは残念な点ではありますが、知っているようで理解は及ばない「お金と経済」の一端を見るには良い映画かもしれません。

そういったものに興味が湧かない人は素直にアマンダ・セイフリッドの美貌を堪能しましょう、、ふぅ

 

余談ですが吹き替え版は極めて評判が悪いようなので、鑑賞の際は字幕で観ましょうね。

映画は作った国の言語で観るのが一番面白いのです。

良ければ一度ご鑑賞くださいませ。



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