ツルモク独身寮

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1988年~1991年
作者:窪乃内英策
ビッグコミックスピリッツ(小学館)
全11巻

 




 

連載開始が1988年か、、、これまた古い漫画ですが、知る人ぞ知る名作です。

上京し、家具の製作会社の独身寮に入った青年と、彼を取り巻く人間たちが織りなすラブコメ&ヒューマン・ドラマな物語。

 

さすがに時代背景は現代とはかけ離れており、スマホどころか携帯電話も無いし、どこかバブルな香りを漂わせる描写は今の若者にはピンとこないかもしれません。

しかし「都会の息苦しさ」や「夢と現実の距離」や「働く日々にふと感じる虚しさ」など、若者ならではの悩みというか、現在でも共通して感じるであろう部分も少なくありません。

 

主人公とヒロインがもたらす恋愛模様に並行し、数々の個性豊かなキャラクターが送る群像劇はなかなか読ませるものがあります。

 

 

さっくりあらすじ

高知の工業高校を卒業した宮川正太はインテリアデザイナーになるために恋人のともみを残し、木工家具製作会社「ツルモク家具」の入社と共に上京した。

独身寮ではイケメンでチャラい杉本、班長試験に落ち続けている部屋長の田畑と同室になり、デザイナーを夢見て働き始めるのだが、、、

 

 

 

最終話はまさに大団円
涙無くして読めない傑作です

 

 

 

 

古き良き社会人の青春

青春とは学生のものだけとか思っていませんか?

 

高校や大学を卒業し、社会の荒波に揉まれる社会人1年生とは実に多感なお年頃かなと思いますが、実際に大人の階段を上っていくのってこの辺りからじゃないかなと思います。

もう学生ではない、しかし社会人と呼ぶには未熟な、大人になりきれていない大人を描く様はかつてのトレンディ・ドラマを彷彿とさせます。

 

至って普通に働く先輩社員が大人に見えて、地元で騒いでいた友達が急に子供に見える、誰しもがそんな経験があることでしょう。

ツルモク独身寮では3人ないし4人の男性が同じ部屋で共同生活を送り、文字通り寝食を共にする日々を送るわけですが、これが実に充実した青春のようで楽しそう。

しかしそんな社会生活の中にある冷たさや、それに伴いそれぞれが抱える葛藤など、誰しもが思い描く理想の社会生活とのギャップが現実的で胸に刺さります。

 

 

そしてそんなドラマを描いてくれる登場人物たちがとにかく個性的であり、魅力的でありわけです。

 

純粋な好青年だけど夢と現実の間で戸惑う主人公・正太。

チャラいようで芯のある男・杉本。

威張り腐っているように見えて面倒見の良い田畑。

(若者から見た)大人の魅力と、子供っぽさを兼ね添えるヒロイン・みゆき。

真のヒロイン・レイ子。

今で言うツンデレ・あけみ。

好々爺だけど意外な過去を持つ寮長のじいちゃん。

青森から単身上京した新米・平田はじめ。

 

などなど、どのキャラクターも非常に人間臭くて魅力的であり、そんな彼らの成長譚としても読みごたえがあります。

正に”血が通っている”というか、身近にいる誰かの話を聞いているかのような物語が最も愛着が湧くところなのかもしれません。

 




 

まとめ

最初から最後まで、各々の恋愛や仕事を通しての成長の物語です。

一応の恋愛漫画ではありますが、どちらかと言えばヒューマン・ドラマの方が近いでしょう。

どこかノスタルジックが漂う昭和~平成にかけての時代、そんな世界で頑張る彼らの物語は面白く、感動します。

 

ぜひ一度ご拝読くださいませ。




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