マネーボール


(原題:Moneyball)
2011年/アメリカ
上映時間:133分
監督:ベネット・ミラー
キャスト:ブラッド・ピット/ジョナ・ヒル/フィリップ・シーモア・ホフマン/ロビン・ライト/クリス・プラット/スティーヴン・ビショップ/他

 




 

メジャーリーグの球団・オーランド・アスレチックスのGM(ゼネラルマネージャー)である、ビリー・ビーンという男性に焦点を当てたヒューマン・ドラマ。

彼が作り上げた「セイバーメトリクス」という独自の分析法は現在でこそ認知されているものの、数学的な思考で野球選手を見るという考えは理解されるのに時間を要したようです。

 

日本でも球団ごとの資産格差はありますが(今のソフバンとかね)、30球団もあるメジャーリーグではそれがより顕著になります。

ちなみに2002年には、アスレチックスは金満球団として有名なヤンキースの1/3程度の年俸総額で勝率一位を叩き出しております。

 

要はスポーツというよりはビジネス的な視点として野球を捉え、いかに低価格で良い結果を出すかに挑戦した裏方の物語です。

単なるスポーツ映画に留まらず、ビジネス的な点で勉強になる作品かなと思います。

 

 

 

さっくりあらすじ

かつて超高校級の選手として期待されていたビリー・ビーン。

スカウトの言葉を信じプロ入りするも全くの鳴かず飛ばず、様々な球団を転々とした後に引退し、球団スカウトとして新たなキャリアに踏み出した。

そして2001年オフ。

アスレチックスの主力3選手の移籍が決定的となり、来シーズンに向けての戦力補強を求めたビリーだが、資金に余裕の無いオーナーの返事は冷たいものだった。

そんな中、交渉のために訪れたクリーブランド・インディアンスの事務所でピーター・ブラントという男に出会う。

「統計学から選手を客観的に判断する」という独自の観点で選手を評価するピーターの理論に興味を示し、ビリーは彼を自身の補佐として引き抜き、評価されずに埋もれた選手を発掘しようと試みるのだが、、、

 

 

 

 

アスレチックスGMのビリー・ビーン
演じるはブラピ様

 

「セイバーメトリクス」は受け入れられず
監督とはバチバチになる

 

発案者のピーター・ブラント

 

 

 

 

”視点”が生み出す可能性

いかなるスポーツであれ、勝負事である以上”勝利”を上回る価値などありません。

が、やはりショービジネス大国・アメリカでは”勝利”と”パフォーマンス”が時として同じ価値になることが往々にしてあるわけですな。

 

本作は実話を元に作られており、実在するGMビリー・ビーンはある意味で「究極のID野球」を実現したと言っても過言ではないでしょう。

実力があり、派手なパフォーマンスが期待できる選手はお金持ちに持っていかれ、いわば”残り物”だけで勝利を積み重ねていったんだから、これは本当に凄いことです。

 

 

本作で強調される「セイバーメトリクス」は野球記録に残る細かい記録を統計として出力し、見た目では分からないような細かい選手の能力を分析していくことを指します。

いくつか例を挙げれば、、

  • チームの攻撃力を図る指標として、基本となる打率・打点を重視せず、出塁率を重視する。
    (ホームランやヒットじゃなくて、四球を含めた”アウトにならない率”を最も重視する)
  • クローザーとして登板する投手は速球派がセオリーなことを利用し、無理やりセーブを稼がせてはトレードに出す。
    (従来の価値観としてクローザーは大事な役割であり、ビリーが考える有望な選手と交換しやすい)
  • 先発ピッチャーは打ち崩すのが難しいので、無理に手を出さずに球数を投げさせることを徹底する。
    (メジャーは投手の分業制があるので、格落ちする中継ぎ投手の方が得点チャンスが多い)
  • プレー中のあらゆる要素を分析し、独自の視点で選手を評価する。
    (投手が投げる一球ごとの球速・球種・コース、打者が打った打球のコース・速度・角度など)

これはほんの一部であり、実際には遥かに膨大な量のデータを分析するんだそうです。

一貫して貧乏球団が勝つために知恵を絞った末のアイデアであり、弱者が強者を倒すための手段でもあり、社会人として一皮剥けたい人には心に訴えかけてくるものがあります。

 

 

でもね、やっぱりメジャーリーグですから。

ものすごいボールを投げるピッチャーとか、豪快にかっ飛ばすバッターとか、そういうものが観たいわけですし、選手や監督もそういうことがしたいんですよね。

 

考え方が機械的過ぎて、数字でしか選手を判断できないというのはやはりどこか違和感を感じてしまうわけなんです。

当然のように監督をはじめ、色々な方面からビリーの手段は疑問を持たれ、時として壁にぶつかってしまいます。

その逆境の中で勝利を信じ、自身の信念を貫いた彼の姿勢が一番の見どころでしょうか。

 




 

まとめ

ノンフィクション映画にはよくあることですが、ぶっちゃけそんなに面白い映画ではないです。

というか、淡々とシーズンを勝ち上がるものの終盤は失速、特に盛り上がりも無く映画は終わってしまいます。

この辺りはやはり現実の話というか、同じメジャーでも「メジャーリーグ」のようなノリを期待すると全然違うので気をつけましょう。

 

ちなみに「セイバーメトリクス」の手法は長いシーズンには強いんですが、プレーオフのような短期決戦には弱いんだとか。

やはり何事も一長一短、完璧な理論というのは存在しないものかもしれません。

敵も味方も戦い方も、あらゆる要素を細かく分析し準備する。

ジャンルは違えど、こういった考え方は実社会でも引用できるものではないかと思います。

 

変な自己啓発本よりも説得力があるように感じます。

ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。



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