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クリード チャンプを継ぐ男

      2018/06/15


(原題:Creed)
2015年/アメリカ
上映時間:133分
監督:ライアン・クーグラー
キャスト:マイケル・B・ジョーダン/シルヴェスター・スタローン/テッサ・トンプソン/フィリシア・ラシャド/アンソニー・ベリュー/他

 




 

数あるドラマ作品の中でも極めて強い光を放つ「ロッキー」というシリーズ。

80年代の映画オタとしては非常に得るもののある素晴らしい作品ですが、今の若い子達にはあまり馴染みは無いかもしれません。

一応言っておきますが、白人ボクサーがハードトレーニングで勝ち上がるエンタメ・アクション映画ではなく、その人間性を描いた重厚なドラマ映画なんです。

ここでロッキーの話をすると本1冊書けるくらいの内容になるので割愛しますが、未見の方はぜひとも1作目から観てみてください。

 

で、そんなロッキーシリーズのスピンオフとなる本作ですが、内容的には事実上の続編だと言っても差し支えないでしょう。

ボクシングという競技を通して、これ程に”人の道”を描いてくれる映画は他に類を見ないと思います。

 

 

 

さっくりあらすじ

伝説のチャンピオンことアポロ・クリードとその愛人との間に生まれたアドニス・クリードは、粗暴な幼少期を過ごしながらもアポロの正妻・メアリーに引き取られ、不自由なく育った彼は立派な青年へと成長した。

しかし偉大な父への憧れは消えず、ボクサーを目指すアドニスだったが裕福な生活が災いし誰も彼にボクシングを教えてくれなかった。

アドニスは強い決意と共に昇進したばかりの仕事を辞め、豪華な家を出ることをメアリーに告げ、フィラデルフィアへと向かった。

そしてアポロのライバルであり、また偉大なチャンピオンでもあるロッキーの元を訪れ、アポロの息子だと告げた上でボクシングを習おうとするのだが、、、

 

 

 

 

ロッキーの経営するレストランを訪れ
ボクシングを教えてと頼むアドニス

 

そのひたむきな姿勢に感化され
ロッキーがコーチになる

 

そして迎えた世界戦
王者の息子が得るものは、、

 

 

 

 

 

有終の美

主人公は偉大なボクシング王者の息子・アドニスですが、これは事実上ロッキーの物語と言っても良いと思います。

 

アドニスはやや複雑な出自で荒れた幼年期を送り、逆に恵まれた生活を送る青年期を送り、仕事も順調で立派な屋敷に住む複雑な人生を送っております。

彼なりに偉大な父を愛し、また父を目指す・超えるといった想いが心の底でくすぶっており、彼自身もまた複雑な悩みを持ちながらボクシングにのめり込むのはそういったところが原因でしょう。

 

誰に頼んでもボクシングを教えてもらえず、義理の母には猛烈な反対をされ、自分を知る人には”リトル・クリード”や”ベビー・クリード”と多少の軽蔑を込めた呼び名で呼ばれます。

この積もり積もった怒り・欲求・悲しみにいてもたってもいられない彼がロッキーを訪ねてから本格的に物語が始まるわけです。

 

 

対してロッキーは既にボクシングとは距離を置き、亡き妻の名前をつけたレストランの経営をする日々を送っており、その姿には英雄ならではのオーラや派手さは微塵もありません。

妻のお墓を訪ねては「背中が痛い」と漏らし、レストランの仕入れを自ら行うその背中には絶妙な”くたびれた感”があり、人生最大の目標を達成し、静かな余生を望む哀愁が漂っていますね。

 

そんな中でアドニスと出会い、渋々ながらもボクシングを教え、またより良い人生を送れるようにアドバイスするロッキーには今までとはまた違う魅力が溢れています。

もはや競技者ではなく、コーチやセコンドとしての描写となりますが、何よりもその人間性の素晴らしさが目に付くからです。

 

自身の寿命の終わりが見えつつあるロッキーにも思うところがあり、”生きたい”と”もう死んでもいい”という葛藤を乗り越え、選んだ未来は素直に号泣もの。

この一連のスタローンの演技には本当に脱帽もので、アクションスターから始まった彼のキャリアの円熟味が本当に良い味を出しています。

エンディングも印象的で、これからの時間をロッキーがどう過ごしたのかがメチャクチャ知りたくなりますね。

 

 

あ、あと実際の試合のシーンではボクシングの動きにぎこちなさは残るものの、ワンカットでの演出はなかなかに面白かったです。

ついでに最悪な性格の対戦相手・コンランが最後の最後にアドニスを認めるメッセージにはベタベタながらもグッとくるものがありますね。




 

まとめ

個人的には元問題児の少年が金持ちに引き取られ、頭脳明晰で仕事もできた青年として描かれるアドニスに対しての感情移入はあまりありません。

スラム育ちでも拳ひとつで成り上がる王道的な物語とは正反対の内容だと言えますし、この手の映画としては異質なもので少々受け入れがたい脚本にも感じました。

 

が、そんな物語を彩るロッキーの存在、それを演じるスタローンの姿には素直に感動しますし、何より尊敬します。

それだけで物語としては十分であり、完成しているんですよね。

 

単体作品としても十分に内容のある映画ではありますが、過去作を全部観てからじゃないと存分に満喫できる作品とは言えないでしょう。

ロッキーという「漢」の生き様を、最初から最後まで余すことなく観ることができれば、深い感動が待っています。

ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。

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