キック・オーバー

how_i_spent_my_summer_vacation
(原題:How I Spent My Summer Vacation)
2012年/アメリカ
上映時間:95分
監督/脚本:エイドリアン・グレンバーグ
キャスト:メル・ギブソン/ケヴィン・ヘルナンデス/ドロレス・エレディア/ダニエル・ヒメネス・カチョ/ピーター・ストーメア/マリオ・サラゴサ/他

 




 

 

かつて「マッドマックス」として名を馳せたものの、最近の私生活では何かとお騒がせなメル・ギブソン主演のクライム・アクション。

メル・ギブソンの俳優35周年に加え、35本目のメモリアルな出演映画として当時やんわりと話題になりました。

 

プライベートはともかく俳優としての演技力や存在感、さらにクセはありますが面白い映画を作る監督としての能力(パッションは除く)など、個人的にはけっこう好きな俳優さんです。

ヤンチャが止まらないおじさんですが、歳を重ねるにつれ演技もしっかりと深みが出ているように感じます。

笑っているんだけども目はギラついて笑ってないというか、腹の中が読めないような怖いオヤジを演じさせたら一級品ですね。

でも演技じゃないかもしれないけどね(汗)

 

一部でメル・ギブソン自身が脚本も担当していたようですが、低予算映画なので有名な俳優はほとんど出てきません。

それが僕ら日本人には料理以外に馴染みのないメキシコ、しかも無法地帯の刑務所という未知の舞台と相まって非常に興味深い演出となっている気がします。

 

全体的なストーリーは割りと単純なつくりですが、そこに絡まるサイドストーリーが少し容量過多な印象。
結果的にやや複雑な作品に感じます。

登場人物も比較的多いので、1回の鑑賞だと勢力図や利害関係を理解するのが難しいかもしれません。

 

 

さっくりあらすじ

アメリカとメキシコの国境付近にて、マフィアから大金を奪い逃走していた”ドライバー”。

元軍人の彼は激しいカーチェイスの末にメキシコで逮捕され、奪った金はメキシコの汚職警官に横取りされた挙句、凶悪犯専門の刑務所として名高い「エル・プエブリート」に収監されてしまう。

塀の上にはライフルを構えた多数の監視員。

脱獄を企てる者は容赦なく射殺されてしまうものの、刑務所内では賄賂を盾に金次第で何をしても許される危険なばしょであった。

そんな絶望的な場所で金を取り戻し、無事に刑務所から出るため行動を始めるドライバーだが、、、

 

 

 

 

how-i-spent-my-summer-vacation-29marco2012-04監獄エル・プエブリート
2002年まで実在したそうです

 

How-I-Spent-My-Summer-Vacation-Get-The-Gringo-Mel-Gibson-01そこで出会った少年”キッド”と
友情を育む”ドライバー”

 

ms_13_21実際のニューメキシコ刑務所内
3日で死ねるよね

 

 

 

 

抜群のクライム・リズム

構成が単純なわりに雑な部分も見受けられますが、非常にテンポの良い作品なので飽きることなくサクサク進みます。

1人の悪党が利権や立場を求めて成り上がるのではなく、純粋に自分が奪った金だけを求めてプロセスを組み立て、冷静に巧妙に罠を張っていく様は見ごたえ十分。

 

ドライバー(作中では名前が明かされません)がかなりの高スペック犯罪者なので、何も持たずに入った刑務所で計画的に準備を進めていく姿は頼もしいというか恐ろしいというか。。

犯罪者の藁しべ長者のような演出は非常に面白かったです。

 

 

ドライバーを演じるメル・ギブソンは本当に生粋の犯罪者という感じで、エンディングではビール片手にビーチでバカンスを楽しんでましたが、刹那的な生き方しかできないような印象を受けます。

金が無くなったら、この人絶対またやりますよ(笑)

ダーク・ヒーローというよりかはダーティー・ヒーローの方がしっくりくるような、職業泥棒みたいな潔さが本物のプロフェッショナルを感じさせます。

 

しかし、フォーカスしたいのはやはりメキシコの刑務所「エル・プエブリート」でしょう。

劇中で描かれる刑務所生活は凄まじく、僕らのようなアジア人が入所したら3日も生きられないであろう、極めてカオスな場所です。

刑務所でありながらお金が流通し、家・雑貨・麻薬・果ては拳銃まで、望めば何でも手に入ります。

 

何がすごいってこんな異次元な刑務所が2002年まで実在していたという事実。

香港の九龍城しかり、世界は広いですな。

 

 




 

 

まとめ

対岸の火事のように身近じゃないから楽しめる、世界にはこんなところがあるんだなぁと感じると共に、日本に生まれてきたことを感謝したくなるような作品です。

単純なようでやや難解なストーリーではありますが、特にストレスを感じることなくサクッと観れるメキシコのクライム・アクション。

 

ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。

おまけ

1956年に建設された刑務所「エル・プエブリート」ですが、収容人数は2000人。

所内で家族で過ごすことを認め更正を促す目的で作られた施設のようですが、タコス、ピザ、ハンバーガーにジュースやアルコールまで扱う屋台やレストラン、レンタルビデオ屋、床屋、美容室、両替所、盗品売買専門店、麻薬の製造所、闇ビジネスを営むマフィアの拠点まで、刑務所どころか世界中でもこんな悪の巣窟はそうそう無いと思います。

メキシコやべぇ(;ToT)/



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