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探偵はBARにいる

      2018/08/05

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2011年/日本
上映時間:125分
監督:橋本一
キャスト:大泉洋/松田龍平/小雪/西田敏行/田口トモロヲ/高嶋政伸/波岡一喜/有薗芳記/安藤玉恵/野村周平/松重豊/他

 




 

コメディアンであり、タレントであり、俳優でもある、文字通りマルチに活躍する大泉洋を主役に据えた、ハードボイルド系探偵ドラマ。

「探偵物語」で有名な故・松田優作の息子・松田龍平が探偵の相棒を演じるという感慨深い作品でもあります。

 

ハードボイルドを軸に、大泉洋と松田龍平が織りなすゆるーい空気が特徴的か。

素朴な暖かさと底冷えするような冷たさを併せ持つススキノという街がいい具合に噛み合い、これがなかなかの良作に仕上がっております。

 

 

 

さっくりあらすじ

行きつけのバー「ケラーオオハタ」の名刺を持ち歩き、依頼人からの連絡は全て店で受け、北大農学部の助手を務める高田と共に探偵をしている「俺」。

ある日「コンドウキョウコ」を名乗る女性から連絡があり、「ミナミという弁護士に昨年2月5日、カトウがどこにいたか聞き、その反応を見てほしい」と伝えられる。

楽な仕事だと思ったのも束の間、探偵は何者かに襲われ、雪の中に埋められることになる。

これは警告だと察した探偵は自分を埋めた相手を探し出し、そのまま尾行。

行き着いた先は「則天道場」という施設で、実態は暴力団・花岡組の事務所だった。

花岡組は地上げのために建物への方かを繰り返し、実際に火災を起こした皆楽会館では犠牲者も発生、そして犠牲者の名前が近藤京子だと判明するのだが、、、

 

 

 

 

tbi_sub3_large携帯を持たない探偵「俺」

 

tbi_sub4_large探偵助手&運転手の高田
空手の達人、超強い

 

20111003124433明らかに浮いてる高嶋さん
まぁ、違和感はないか、、、?

 

 

 

 

キャラクター性が光る

原作の推理小説シリーズが刊行されたのは20年も前の話だそうで、携帯電話を持たない探偵の姿は当時の背景からくるもののようです。

しかし本作では現代社会に合わせて作られており、上手いこと馴染ませているようで、多少の違和感も感じる気がします。

 

時に渋く、時にコミカルに、ブルース調のBGMにのせてテンポよく物語は進みます。

無関心、無気力、無感動、そして空手の達人な相棒・高田を演じる松田龍平は非常にハマり役で黙々と相手をぶちのめす姿はひたすらにカッコいいっす。

ぼへーっとした彼の顔も相まって魅力的なキャラクターに仕上がっております。

 

対して主人公「俺」を演じる大泉洋も普段のお笑い要素を封印し、ハードボイルドな探偵役に徹する姿勢は俳優としての資質、プライドを強く感じさせるものがあります。

非常に器用な人なんでしょう。幅広く役をこなせる演技力と柔軟性をを持ち合わせているのだと思います。

 

というか「水曜どうでしょう」を見るとよく分かりますが、この人は素の状態で面白いんですよね。

狙って笑いを取りに行かなくても、どこか笑えるコミカルさ、ユーモアを備えている稀有な俳優なのかもしれません。

 

 

が、個人的には”ハードボイルド”を名乗るにはもう一歩といったところ。

ハードボイルドという概念が浸透していない現代を舞台に選んだのもありますが、大泉さん自体のビジュアルがスマートなこともあり、無骨さや男臭さ、ダンディズムに少し欠けているような印象でした。

 

そして高嶋政伸が演じる殺し屋的な男。

ハマり役かどうかは何とも言えないところですが、変な頭とファッションと、ひたすらゲップを繰り返す意味不明さ、そんな異常に不気味でキモイキャラクターがよく分からない怖さが滲み出ていますね。

 

ちょうどこの頃に元嫁さんと泥沼離婚協議を繰り広げていたように記憶していますが、彼の闇の部分が役に生きたのかもしれませんね。

ドラマ「HOTEL」の爽やかな印象が強かったせいか、不気味で気持ち悪い役にも挑戦するのかと、変なところで感心してしまいましたよ。

 

 

そんな各役者の個性が光る中で、演出的には面白く出来ているものの、脚本的には何とも微妙な仕上がり。

謎の女性「コンドウキョウコ」の電話も声と喋り方でバレバレだし、「お前正体隠す気無いだろ!」とツッコミたくなること請け合いです。

むしろバレバレ過ぎてミスリードを誘っているのかと疑ってしまうくらい。

 

ミステリー部分や、それに伴うハラハラ感などは総じて弱めで、エンターテイメントとしてはともかく、推理ものとしては微妙ですね。

時折はさまるアクションシーンもせっかく空手の達人を用意しているのに、探偵本人もめちゃくちゃ強いからあまり意味を見出せず、ハードボイルドの意味を少し履き違えているようにすら感じてしまいました。

 

むしろ窮地を知恵と経験で切り抜けるような、そんなところにスマートさを感じたかったです。

ケンカが強いからハードボイルドってのはあまりにも短絡的ですね。

 

 




 

まとめ

個々の演技の良し悪しは置いといて、役者の個性が光る素晴らしい演出です。

大御所や実績ある俳優、さらに売り出し中の若手俳優に名脇役など、パンチの弱い脚本を豪華なキャスティングで補い、完成度としては高めな印象。

 

ただ映画、特にドラマやサスペンスはやはり脚本がモノを言うものですから、本作のようにキャストに支えられて上手くいくことは非常に稀だと思います。

とはいえ二作目も公開され、三作目も製作が決定しているなど、結構売れているようですね。

 

映画館ではどうかと思いますが、レンタルで観る邦画としては良作です。

ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。

 

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