(原題:The Cabin in the Woods)
2012年/アメリカ
上映時間:95分
監督/脚本:ドリュー・ゴダート
キャスト:クリステン・コノリー/クリス・ヘムズワース/アンナ・ハッチソン/フラン・クランツ/ジェシー・ウィリアムズ/リチャード・ジェンキンス/ブラッドリー・ウィットフォード/ブライアン・ホワイト/エイミー・アッカー/シガニー・ウィーバー/他
あらゆる仕掛けと演出で、予想外の恐怖を描く闇鍋系パニック・ホラー。
いきなりですが、中学生を過ぎた頃からホラーというものがあまり怖くなくなってしまいました。
とはいえ基本ビビリなので、ビックリ系のものは未だに苦手ではあります。
しかし和製ホラーの様な、じわじわ怖いやつは何とも思わなくなってしまい、ホラーの醍醐味を味わえない日々を過ごしております。。
もともと心霊現象というものを全く信じない性格だったのに加え、PCの普及やコンピューターグラフィックの進化により、誰でも簡単に心霊写真とか動画とか作れちゃうのを知ってしまったしね。
ついでに言えば、映像が鮮明になったことで、質の悪いホラーが非常に安っぽくなってしまったからだと思います。
まだVHSが主流の時代は「恐怖の心霊ビデオ」みたいなチープな作品でギャーギャー言ってたもんですが
(;゚;д;゚;;)ギャアァァァ
思えばつまらない大人になってしまったなぁ、と。
余談ですが未だに「呪いのビデオ」的な作品てリリースされているみたいですね、コアな人気があるんですねぇ。
年間を通してけっこうな数の映画を観ますが、その内の20~30本くらいはホラー映画にまわります。
特に夏場は。
名作になりづらいジャンルなので仕方は無いのですが、ありきたりで印象に残らないホラー作品が多い中で、本作はかなり異質の作品でした。
怖いからってことじゃないですよ。
次にどんな展開が待ち受けているのかさっぱり読めず、こんなに置いてけぼりにされたのは久しぶりです。
さっくりあらすじ
ちぐはぐながらも陽気なデイナ、ホールデン、マーティ、ジュールズ、カートの大学生5人組は、週末を自然豊かな森のキャンプ小屋で過ごす予定を組んでいた。
いざ出発し、道中に寄ったガソリンスタンドで小屋にまつわる不気味な話を聞かされるものの、無事に到着しレジャーを楽しむのだった。
夜になり皆で酒を飲んでいると、突如として地下室の扉が開き、デイナがある少女とその一族の罪が記された日記を発見する。
意味が分からず、不気味な日記を必死に読み漁るデイナ。
最後のページに書かれた意味も分からないラテン語を読み上げた時、目を覚ましたように少女達一族が甦り、5人に襲い掛かってきたのだった。
凄惨に殺されていく若者たち、そしてその光景をモニターで監視する人間の姿が、、、
キャンプにやって来た若者たち
まずはゾンビに始まり、、
終盤はカオスな状況に
斜め上をいく超展開
冒頭からとある組織の科学者、というか黒幕が現れるところから映画は始まります。
恐怖を”仕掛ける側”と”受ける側”のコントラストを中心に描く作品なわけですが、前半はともかく、後半がとにかくぶっ飛んでいます。
5人の能天気な若者が森にキャンプしに行く。
↓
古い人気の無い山小屋に辿り着く。
↓
セクシー水着で泳ぐ。
↓
お酒が入りエロい雰囲気に。
と、ここまでは山口→マシソン→澤村のような鉄板の方程式。
少しずつ視聴者をビビらせる準備を整えていたはずが、後半に差し掛かった辺りから色々とおかしな雰囲気に。
何の前振りもなく、急にぶっこまれるファンタジーな怪物たち、というかモンスターたち。
ホラー要素のネタばらしというか、「何故こんなことが起きて人が死んでいくのか」というホラーの根幹がものすごく強引です。
ホラー好きな人には笑いが止まらないでしょうし、普通の人が観たらポカーン(゚д゚)と鼻水がたれてくることでしょう。
マジで。
全く常識の通じない、先の読めない展開は観る人が落ち着くタイミングを奪います。
他の作品のオマージュのような描写による先入観で、ミスリードを誘う巧妙な作りはなかなかのアイデアかなと。
ただ、そんなセオリーを飛び越えて展開する超常的な脚本は、挑戦的と捉えればいいのか、はたまた無茶苦茶なものだと思えばいいのか。
正解すら分からない作風は、何とも評価し難いものではあります。
まぁ、このぶっ飛んだ内容を映像化しただけでも、十分に称賛に価するものだとは思います。
上手に文章で表現できないのが歯痒い限りですが、マジで意味不明なんだからしょーがないね。
まとめ
ぶっとんだ内容だと言いましたが、映画としてなかなか良くできているんです、これが。
むちゃくちゃな内容ではありますが、決して奇をてらった下らない作品ではありません。
色々な意味で「ビビらせてやるよ!」という意気込みはよく分かります。
既存のホラー映画に飽きた人には向いているかもしれません。
ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。