イントゥ・ザ・ウッズ

Into-the-Woods
(原題:Into The Woods)
2014年/アメリカ
上映時間:125分
監督:ロブ・マーシャル
キャスト:メリル・ストリープ/ジェームズ・コーデン/エミリー・ブラント/アナ・ケンドリック/クリス・パイン/クリスティーン・バランスキー/リラ・クロフォード/ダニエル・ハッスルストーン/トレイシー・ウルマン/ジョニー・デップ/他

 




 

 

童話に登場する人物のその後を描いた、独創的なミュージカルを映画化した作品。

 

基本的に映画を観る際に予備知識を排除し、まっさらな状態で挑むのが筆者の映画に対する流儀なのですが。。

てっきりディズニー関連のキャラクターを、面白おかしく脚色したブラックコメディと勘違いしていましたよ。

ので、自分の不勉強を恥じると共に、改めて苦手分野であるミュージカルに挑戦した作品でもあります。

 

公開当時は散々CMで目にしたような気がしますが、反して結果的には否定的な意見が多かった模様。

米国では作詞家の巨匠として君臨するスティーヴン・ソンドハイムによって作られたミュージカルが原作で、初演は1987年。

派手な踊りやパフォーマンスは存在せず、オペラのように歌と演技だけで構成する芸術性の高い作風が特徴です。

現代の価値観で言えば少し”お堅い”作品を、明るく楽しいディズニーがどう表現するのかが映画のキモと言ってもいいでしょう。

 

 

 

さっくりあらすじ

パン屋の主人とその妻は子供を授かることができず、思い悩んでいた。

隣に住む常連客の魔女は真っ白な牝牛、真っ赤なマント、黄色い髪の毛、黄金の靴を3日以内に揃えれば子供を授かると告げる。

子供が欲しいパン屋の主人。

祖母に会いに行く赤ずきん。

牝牛を売りに行く少年ジャック。

舞踏会に参加したいシンデレラ。

それぞれの想いを胸に森の中(イントゥ・ザ・ウッズ)へと向かうのだが、、、

 

 

 

 

james-corden-in-into-the-woods-movie-2パン屋の主人と妻
主人は大英帝国勲章を受章しているマルチ俳優

 

lead_large魔女を演じるメリル・ストリープ
安定の演技力

 

 

 

 

中途半端なディズニー

とりあえずの感想としては、よく分からない。

映画の楽しみ方は人それぞれなもので、どこに面白いツボを見つけるかは千差万別なものです。

昨今に多いハリウッドエンターテイメント型の作品に慣れている人からすれば、本作はつまらない作品になり得る可能性も大いに秘めています。

 

ミュージカル調な歌と演出、どこか幻想的な背景や世界観、そして個性豊かな童話の中の人物など、見所が多いと言える反面フォーカスすべきところが分散して、どうにも集中できない印象でした。

 

コメディ的なシーンもあるにはあるが、大人が観て果たしてこれで笑えるのか?

魔女や巨人など、恐ろしい存在が描いてあるが、大人が果たしてこれでビビるのか?

至高の存在である王子様に人間味(というかバカっぽい)を持たせて、魅力的に感じるのか?

 

笑みがこぼれるようなコミカルでもなければ、背筋が凍るようなミステリーでもない、ずっと森の中の話だから視覚的なメリハリも無い。

「これは一体何なんだ?」

もう次々に疑問が湧き出てきちゃう始末で、面白いのかつまらないのかの判断も鈍くなります。

 

 

さっくりと童話の話をなぞった後に、狂言回しでもあるパン屋を中心にその後のお話に突入するんですが、まぁこれがまた長い。

支離滅裂で斜め上を行く展開について行けず、結局よく分からないままエンディングを迎える筆者。

やっぱりミュージカル映画は苦手だなと再確認する始末でした(泣)

 

キャスティングの中ではメリル・ストリープが頭2つほど飛びぬけて別格。

演技、表現力、自然な流れでの歌唱力、どれを取ってもぶっちぎってます。

 

その次にシンデレラを演じたアナ・ヘンドリクス。

ミュージカル出身の女優であり、「ピッチ・パーフェクト」でお馴染みの彼女ですが、表情豊かで女性の強さを感じさせるような演技は良いですね。

やはりこういう映画では存在感を発揮します。

 

あと皆さん褒めちぎってますけど、残念ながらジョニデはいてもいなくても変わらん気がしますけどね。。

あまりにも露骨な客寄せパンダ状態なので、久しぶりに憤りを感じたくらいです。

 

「パイレーツ」シリーズから随分と経ってますし、コスプレ俳優としてはもう賞味期限切れな感じが否めません。

もとは演技派で活躍していた俳優さんだけに、そろそろ初心に帰ってほしいものです。

 

 




 

 

まとめ

ギリギリまでミュージカルに寄せたような、舞台をスクリーンで観ているような映画です。

歌自体のクォリティは素晴らしく、構成の7割を歌が占める内容ながらも嫌な感じはしません。

それほどに完成された歌唱は素晴らしく、本作最大のウリは歌にあると言っても過言ではないでしょう。

舞台として観れば退屈しない作品だったとは思います。

 

ただ観客が映画に求めるものを満たしているとは言い難く、脚本の完成度の低さも相まって面白い作品とは言えないのが正直なところです。

オススメはしませんがディズニー好き、ミュージカル好き、ジョニデの熱狂的なファンなら悪くはないかなと。

 

よければ一度ご鑑賞くださいませ。

 

 



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