(原題:Night at the Museum)
2006年/アメリカ
上映時間:108分
監督:ショーン・レヴィ
キャスト:ベン・スティラー/カーラ・グギノ/ディック・バン・ダイク/ミッキー・ルーニー/ビル・コッブス/ロビン・ウィリアムス/ラミ・マレック/他
ベン・スティラー主演、日本でも大ヒットを記録したファンタジー・コメディ映画。
アメリカ自然史博物館を舞台に、夜な夜な展示物が動き回り騒動を起こすという奇想天外な内容ですが、何気に絵本が原作です。
非常に高い人気を誇り、3作目まで製作されたもののルーズベルト大統領(の模型)を演じたロビン・ウィリアムズが亡くなってしまい、残念ながら彼の遺作になってしまいました。
ダメダメで冴えないパパが息子のために奮闘するストーリーを背景に、次々と巻き起こる面白おかしいトラブルの数々。
正にファミリー向けというか、誰でも楽しく観れる作品だと思います。
さっくりあらすじ
どの仕事も長続きせず、失業中の中年男・ラリーは元妻と息子に諭され、職業斡旋所にて自然史博物館の警備員を案内される。
年老いた3人の警備員からの説明を受け、来場者が減った博物館の意向により老人達は解雇され、ラリーはたった一人だけで夜間の警備に当たることを知る。
そして夜、初の警備につくラリーだったが、ティラノサウルスの骨格標本が生きているかのように歩き回っているのを目撃する。
それだけではなく石像や剥製等のあらゆる展示物が動き回り、困惑したラリーは老人たちに助けを求めるも、展示物が動き回ることが当たり前のような返事をされた上、電話を切られてしまう。
意味不明に動き回る展示物を元に戻すため、行動を開始するラリーだが、、、
説明書を元に、警備を務めるラリー
何故か動き始めたティラノサウルスの標本
第25代大統領・ルーズベルト
彼の助力でラリーは奮闘する
怖くないお化け屋敷
博物館というものはそもそも静かで、もし来場者が自分だけだと思うとなかなか不気味で怖い所な気がします。
よくできた標本や模型、剥製等は何とも無機質な感じで、もし動き始めたら、、、なんて想像は誰しも一度は経験あるんじゃないすかね?
筆者的には中学の美術室に置いてあった「モナリザ」のレプリカが怖かったです、目とか動きそうで。。
でもこの映画はとにかく楽しい。
この「動いたらどうしよう」というドキドキを良い方向に導き、むしろ「こんな博物館行ってみたい!」とすら思わせるユーモアに満ち溢れております。
その最たる例がマスコット的存在でもあるティラノサウルスの標本。
言葉も通じず動くものは襲うような恐ろしいモンスターとなるはずですが、人の言葉を理解し、骨を追いかけ回すワンちゃんのような仕草は愛嬌たっぷり、萌えます。
基本的に夜が訪れれば館内はお祭り騒ぎであり、何とか展示物を手懐けようと奮闘するラリーがいちいち面白く、所どころに笑えるエッセンスが散りばめられています。
そんな「不気味」を「笑い」に変えてしまうような、優しさすら感じるようなユーモアとアイデアには本当に脱帽ですね。
ストーリー的にも特別複雑なものは無く、誰が観ても分かりやすい単純なストーリーです。
それに加え非常にテンポ良く進むので、最後まで飽きることはないでしょう。
安定のベン・スティラーのクオリティに加え、本格派俳優ロビン・ウィリアムズ、イギリスの有名コメディアン俳優スティーブ・クーガン、そして筆者大好きオーウェン・ウィルソン。
要所要所に実力のある俳優を置くキャスティングし、またそれを活かすカットや構成など、このあたりは監督を務めたショーン・レヴィの手腕が光ります。
ちなみにショーン監督は「ナイトミュージアム」シリーズの他「リアル・スティール」や「インターン・シップ」を手掛けるなど、コメディ以外の分野でも高い評価を受けており、これからも飛躍が期待される監督の一人です。
まとめ
ややアメリカナイズなお笑いが中心なので、こういったユーモアが面白くない人も実際は多いでしょう。
これは関東のお笑いと関西のお笑いの差のようなものであり、じっくりと吟味せずに判断することが非常に多いのではと感じます。
筆者は吟味したうえで関西のお笑いは苦手
しかし家族向けのコメディとしては間違いなく最高峰のレベルであり、老若男女問わずに楽しくなる映画として、異論を唱える人はさすがに少ないのではないでしょうか。
面白おかしく、わずかながら歴史や文化の勉強にもなる、実際にこんな博物館が完成したらぜひとも行ってみたいところです。
とにかく楽しい秀作です。
ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。