(原題:50 First Dates)
2004年/アメリカ
上映時間:99分
監督:ピーター・シーガル
キャスト:アダム・サンドラー/ドリュー・バリモア/ロブ・シュナイダー/ショーン・アスティン/ブレイク・クラーク/ルシア・ストラス/ダン・エイクロイド
常夏の島ハワイを舞台に、記憶障害の女性とややチャラい獣医が織りなす、ドタバタ系ラブコメディ。
主演のアダム・サンドラーは日本での知名度は今ひとつですが、アメリカでは俳優・コメディアン・脚本家・プロデューサーとしてずば抜けた知名度を誇っております。
最も稼ぐハリウッド俳優ランキングでも、常に上位に入っているトップスターですな。
その栄光の陰でラズベリー賞(その年の「最低」を決める賞)にも常連で、良くも悪くも有名な俳優だと言えるでしょう。
対するドリュー・バリモアは言わずもがな、この若さにして大ベテランの素敵な女優さんです。
「チャーリーズ・エンジェル」ですっかり有名になりましたが、ハンガリーとアイルランドの血をひく独特の顔立ちが特徴的か。
美人かどうかは微妙なところですが、愛嬌のある笑顔は超絶に可愛いんです。
4歳で出演した伝説のSF映画「ET」の時から、天才子役として華々しいキャリアをスタートしたドリュー氏。
有名であるが故の学校でのイジメや父の虐待、母との確執、そしてコカインなど、、、なかなかに複雑で苦労してきたようです。
そんなつらい半生を過ごしてきたにも関わらず、そんなことを微塵も感じさせない明るい演技は本当に素晴らしく、強靭な精神力が伺えます。
さっくりあらすじ
ハワイで働く獣医でプレイボーイのヘンリーは、ある朝カフェにてルーシーという素敵な女性と出会う。
軽い気持ちで彼女の気をひくと意気投合、魅力的な彼女と楽しい時間を過ごし、翌日も一緒に過ごす約束をする。
翌朝、カフェで待ち合わせをするもルーシーはヘンリーを知らないかのように冷たく振る舞い、まるで別人のようだった。
過去の事故の後遺症により、事故以降の記憶が1日以上保てないルーシー。
家族やカフェのスタッフはルーシーがその事実に気づかないように気を使い、彼女が取り乱さないように事故のことには触れないようにしていた。
そんな中に割って入る形になったヘンリーは毎日彼女に声をかけ、愛の告白を続けるのだが、、、
出会いは最高だったものの、、
カフェの調理担当
見た目は怖いけど優しいのです
ルーシーの兄ダグ
良い奴だけど変態
ハワイ流の優しさ
まずハワイのカフェって素敵ですよね、現地の人だけで繁盛してる雰囲気がとても良いっす。
微妙にぶっきらぼうだけど優しさが滲み出るような、やんわり江戸っ子に近いような印象を受けます。
いかついサモアな兄ちゃんが鉈のような包丁を振り回しながら作るパンケーキがまた美味そう。
とにかくハワイに行きたくなります。
記憶障害という、あまり笑えない深刻なテーマをいたずらにギャグにするのではなく、あくまで品のあるユーモアに終始する制作陣の感性は極めて素晴らしいもの。
一日経てば全て忘れてしまう彼女に対し、あれやこれやと思いつく限り、繰り返し出会いのシチュエーションを考える主人公に悲壮感や同情は無く、むしろ楽しそうにさえ見えます。
その光景が面白く、また優しさに溢れているんです。
そんなルーシーのために、毎日「同じ一日」を過ごそうと努力する家族や、カフェの店員の優しさがメチャメチャ沁みわたります。
苦労して気を使っているわけではなくて、彼女にとっての「同じ一日」が周りの人たちの日常の一部になっているような描写、そんな無骨な愛情が本当に感動しますね。
個人的には変人で変態な兄・ダグがかなりツボでした。
濃いめなキャラの登場人物や、可愛らしい動物たちとのコミカルな笑いは心地の良いゆるさがあります。
全体的に散りばめられたユーモアが微笑ましく、またハワイならではの景観と、ゆったり流れる時間がクセになる作品ですな。
まとめ
アダム・サンドラーとドリュー・バリモアという俳優の魅力が惜しみなく溢れ出ています。
その他なにげに豪華なキャスティングの俳優陣の魅力を存分に生かし、テンポよく笑って泣けるストレートに感動できる良作です。
ハワイの心地良い景色と共に、変わり種な恋の話が良く合います。
ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。
おまけ
筆者は読んだことがないのですが、監督のピーター・シーガルは人気漫画「Bleach」の実写化を企画中だとか(プロデューサーとして)