(原題:Avatar)
2009年/アメリカ/イギリス
上映時間:162分
監督/脚本:ジェームズ・キャメロン
キャスト:サム・ワーシントン/シガニー・ウィーバー/スティーヴン・ラング/ミシェル・ロドリゲス/ジョヴァンニ・リビシ/ジョエル・ムーア/他
もはや映画館で3D映像を観ることは普通になりつつある世の中ですが、ほんのちょっと前までは革新的なものだったんですよねぇ。。
今や4Dにもなってる時代ですし、このまま行けば近い将来は5D、6Dになる時代が来るのかね?
映画館として色々な楽しみ方が選べるのは良い時代だなと思う反面で、未だに筆者は2D派です。
とはいえ、壮大なSFの世界観をテーマにアクション・アドベンチャーとして新たなエンターテイメントを試みるのは良いことですし、そもそも3D上映を作るきっかけとなったのは観客の映画館離れが原因の一つとも言われております。
しかし3D映画が普及した結果として、映像表現に頼り過ぎな作品も目立ち始め、「映画」というコンテンツの課題もまた浮き彫りになったようにも思えます。
皮肉ですなぁ。
さっくりあらすじ
アルファ・ケンタウリ系惑星・ポリフェマス最大の衛星であるパンドラは熱帯雨林を連想させるような密林に覆われ、地下には莫大な量の希少な鉱物が眠っていた。
地球のエネルギー問題解決の鍵となり得る希少鉱物を採掘するために人類はパンドラへと進出、資源の獲得を目指すも先住民族のナヴィ族は関心を示さない。
そこで資源開発を請け負うRDA社は地球人とナヴィ族のDNAを組み合わせた人口生命体を造り出し、操作員の神経を接続させた”アバター”としてナヴィ族との接触を試みる。
元海兵隊のジェイクは双子の兄が急死したことによりRDA社の要請を受け、下半身不随の治療費を稼ぐためにパンドラへと向かうことになるのだが、、、
資源に恵まれた美しい衛星・パンドラ
元海兵隊のジェイク
”アバター”としてパンドラに向かう
ナヴィ族のネイティリ
強い戦士でもある
2Dでもそこそこ
多種に渡り、あらゆる機能を備えたカメラをふんだんに使用し、新しいデジタル撮影システムを採用する。
そして3DCGIという新たなコンテンツを世界に公開しただけあって、映像の美しさは今なお色褪せることはありません。
映像表現の”革命児”ジェームズ・キャメロンが成し遂げた偉業は本作だけに留まらず、映像業界全般に新たな革新を持ち込んだと言っても過言ではないでしょう。
個人的には映画の躍動感を”体感”することで、逆に感じ取れなくなりそうなものも出てきそうで、できるだけ敬遠しています。
どうしても「映画」というよりかは「アトラクション」というイメージが強い気がして、楽しめなさそうな気がしてね。。
まぁ筆者が時代遅れなだけですな、自覚はあります。
とはいえそれを踏まえた上でも、新たなエンターテイメントとして今やスタンダードなものになっていますよね。
でも映画としては特筆することは無く、決してつまらなくはないけれど、でも特別面白いわけでもない。
宇宙人が自然と共に質素に生活してたら人間が乗り込んで来て、情が移った主人公が宇宙人の仲間入りするお話です。
どこか既視感の強いストーリーであり、特にひねりも無いんですが、それを感じさせない程に迫力のある美しい映像のおかげで十分観るに値する仕上がりにはなっております。
でもどうしても拭えない疑問として、ナヴィ族は美しいにしてもさ、ケチをつけるわけじゃないけどネイティリとか本当に好きになるのかね?
そら見方によっては美人に見えなくもないけどさ、あくまで宇宙人であり、異種生命体であるわけでさ。
この美しく純粋なナヴィ族に感化されて、人間を裏切るジェイクの思考が理解できんのよ。
資本主義な思想が人の感情を凌駕することなんて、現実でもフィクションでも人間の歴史上たくさんあるでしょ。
例えば自分の親友が「人間は邪悪だから、俺はナヴィ族の仲間になる!」とか言い出したら絶句ですよね?
普通に「お前、バカじゃないの?」とか言ってしまいそうで、新興宗教にハマった人の言い分を聞いているようで、何ともモヤモヤした気持ちになるわけです。
まとめ
話が逸れましたね、閑話休題。
3Dで観れる環境が無ければ意味が無い気がしないでもないですが、映像革新をもたらした作品として、一度は観るべき作品かなとは思います。
劇中で描かれるアバターの挙動や、衛星パンドラを彩る景色は本当に美しく、これだけでも観て損は無いでしょう。
先述したように、実際には映画としては凡作であり、非常に素晴らしい内容だとは言い難いところですが、それなりにハラハラするアドベンチャーとしては及第点です。
良かったら一度ご鑑賞くださいませ。