ダンジョン飯


2015年~
ビームコミックス(KADOKAWA)
作者:九井諒子
既刊6巻(2018年4月現在)

 




 

元祖RPGゲーム「ウィザードリィ」のような世界観の中で、邪悪で恐ろしいモンスターを食べてしまうという奇想天外な漫画です。

以前から「このマンガがすごい!」とか「全国書店員が選ぶオススメ!」とかで取り上げられていたので今さらオススメするまでもなく有名な作品だとは思いますが。

個人的に漫画は完結してからまとめ買いするスタンスなんですが、うっかり手を出してしまいましたね。。

 

最近は流行りなのか、いわゆるグルメ漫画が多数見受けられますが、世知辛い世界観とシュールなキャラクター性はかなり独特の中毒性を誇ります。

続きが気になって仕方ないところですが、久しぶりに夢中で読んだ漫画だと思います。

 

 

 

さっくりあらすじ

とある島の墓地から地下へと続く大規模な空洞が現れ、そこから這い出て来た男は”王”を自称し、「黄金の国」の存在を訴えた。

彼の王国は”狂乱の魔術師”によって地下に囚われており、魔術師を倒した者には国の全てを与えると言い残し、塵となって消えていった。

冒険者のライオスと仲間達はダンジョン内でレッドドラゴンに挑むも全滅寸前まで追い詰められ、ライオスの妹・ファリンが唱えた脱出魔法によりパーティーは離脱したものの、ファリン自身はドラゴンに食べられてしまう。

ファリンの肉体が消化されてしまう前に蘇生するため、すぐにでもダンジョンへと向かいたいライオスだったが、荷物やお金を全て失った上に一部の仲間も離脱してしまう。

それでもライオスに協力を申し出たエルフのマルシルとハーフフットのチルチャックを連れ、探索費用の無い一行はダンジョン内に巣食うモンスターを調理し、食べながら地下へ向かおうとするのだが、、、

 

 

 

 

ダンジョン内で自給自足
目指すはレッドドラゴン!

 

 

 

 

ゆるーく熱く、シュールな物語

とにかくゆるい空気感、話が進むにつれ緊迫していくはずなのに変わらぬゆるーい空気感、これこそが本作最大の魅力でしょう。

 

おぞましい空気感を醸し出しつつも、どこか居心地の良さそうなダンジョン内部。

それぞれの思いや欲望を胸に、和気あいあいと深部へ向かうパーティーたち。

恐ろしくも愛嬌のあるモンスターたち。

そして個性豊か、濃ゆいキャラクター性を誇る登場人物たち。

 

どれをとってもかなり印象深く、独特のユーモアも交えて殺伐とするはずの空気がまったりまろやかに表現されております。

その割にはしれっと残酷なシーンもチラホラありますけどね、この空気感の強弱も見どころと言えるでしょう。

 

 

また絵柄も上手で味があり、イケメンも美人も不細工も、半獣人からモンスターまで非常に良くかき分けられています。

この構成力、脚本力、画力はどれを取っても高いレベルにあるのではないでしょうか。

 

そしてメイン?となる食事シーンも実にユニーク。

どこぞのグルメバトル漫画のような派手さは皆無で、極めてしっとりと調理や食事が描かれます。

ファンタジー色の強い世界観ながら、ここだけは極めて現実的であり、何となく美味しそうなビジュアルと分かりやすい栄養パラメーターは何とも言い難い魅力があります。

 

何が食べれて何が食べれないのか。

現代社会でも平気で好き嫌いを言う大人も少なからずいるものですが、食べる努力はもとより美味しく調理する努力の価値が良く伝わってきますね。

 

ついでに言えば料理以外の本編?というか、大筋なストーリー面でも謎や伏線があり、将来的にどう展開するのかイマイチ読めないところがニクいですなぁ。

あ、あと単行本としての紙の質が良いです。

何でもかんでも電子書籍にしちゃう人、一度は手に取ってみてください。

 




 

まとめ

繰り返しになりますが、久しぶりに熱中できる中身のある漫画です。

むしろ完結前に手を出してしまったのを後悔するほどのハマりっぷりですね。

一応のシリアスな物語もあり、現状の伏線が今後どう展開していくのかが楽しみでもありますが、これからも登場するであろう数々の料理も非常に楽しみです。

 

そこまで長く連載はしないと思われますが、適度にゆるく、適度に絞って、できるだけ長く眺めていきたい漫画です。

ぜひ一度ご拝読くださいませ。

 



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