(原題:Major League)
1989年/アメリカ
上映時間:107分
監督/脚本:デイヴィッド・S・ウォード
キャスト:トム・べレンジャー/チャーリー・シーン/コービン・バーンセン/ウェズリー・スナイプス/デニス・ヘイスバート/チェルシー・ロス/ジェームズ・ギャモン/マーガレット・ホイットン/チャールズ・サイファース/レネ・ルッソ/他
スーパースターでありながら、あちこちでトラブルメーカーっぷりを発揮しまくっているチャーリー・シーン。
麻薬所持や発砲事件、最近では数々のポルノ女優と関係を持った挙句にHIVキャリアということが判明し、色々とヤバイことになってしまっているようです。
しかし本来の彼は心優しく、チャリティ活動にも意欲的なナイスミドルです。
多分。
少し前に流行ったアイスバケツ・チャレンジでは、氷水の代わりに鍋いっぱいの札束をまるごと寄付したそうですね。
本人曰く「氷は溶けるけど、お金は役に立つ」そうです。
言い方はアレですが、素晴らしいことだと思います。
今でこそ日本人選手が活躍するメジャーリーグですが、僕が子供の頃はまだまだ未知の世界のお話。
現代のようにテニスやスノーボード、バスケなどはプレイする機会の少ない時代で、やはり少年のスポーツは野球だけでした。
(筆者が小学6年の時にJリーグが開幕、スポーツ人気は野球とサッカーで二分されました。)
プロ野球を通り越して、メジャーの舞台は遠すぎてピンとこなかったような気もしますし、当たり前のように日本人選手が活躍するなんてマジで夢にも思いませんでしたよ。
つまりは本作による強烈なインパクトとスター性、カッコよさは30~40代男性にとって、メジャーリーグの舞台をぐっと身近に伝えてくれた傑作だということですな。
けっこう古い映画ですが、今でも一番面白い野球映画だと自信を持って言えます。
さっくりあらすじ
34年も優勝から遠ざかっている、弱小メジャー球団のクリーブランド・インディアンス。
亡き夫の跡を継ぎ、新たに球団オーナーとなったレイチェルだが、年間の観客動員数が80万人を下回れば本拠地の移転が認められるルールを利用し、マイアミへの移転を目論む。
負けに次ぐ負けで敢えて観客から見放されるようにと、集められた選手達は実績も無く、メジャーとは程遠いクセのある選手ばかりだった。
そして予想通りシーズンが開幕しても、インディアンスは連敗続きで低空飛行。
しかし刑務所あがりの若手ピッチャー・リックの活躍でチームの調子は上向き始めていた。
シーズンも終盤に差し掛かったある日、選手達はオーナーであるレイチェルの企みを知り、一丸となり奮起する。
弱小球団インディアンスは怒涛の快進撃を見せ、ついに強豪ニューヨーク・ヤンキースとのプレーオフを迎えるのだが、、、
剛速球投手リック・ボーン
コントロールに難あり
監督のルー
ベテランの勝負師
プレイオフ最終戦は超熱い
全員で戦うメジャーリーグ
ダメダメでプロとしてのプライドに欠ける、二流の選手達が一致団結!
弱小なりに知恵と勇気と情熱を武器に、金持ちオーナーをギャフンと言わせてやるぜ!!
非常に単純で分かりやすいストーリーです、はい。
まず、全体的な人物設計が非常に秀逸です。
一応の主人公格はキャッチャーのジェイクなんですが、そこまで偏っているわけでもなく、言わばチーム全体が主役として活躍しているという感じ。
ついでに感情入りすぎのアナウンサーや口の悪い熱狂的ファンなど、実際にメジャーリーグを盛り上げているであろう裏方にまでスポットを当て、それをコミカルに描く演出は素晴らしく、とにかく面白いんです。
選手であれファンであれ、チームを想う優しさと熱さが良い雰囲気をかもし出しています。
とはいえキャンプ入りした選手達は揃いも揃ってひとクセあるヤツばかり。
膝の故障で満足に動けないキャッチャー。
俊足だけど打撃に難のある外野手。
ホームランか三振だけのブードゥー教信者。
刑務所から出てきたばかりのピッチャー。
と野球以外のところにも問題があるクセ者ばかりです。
こんな問題児たちをまとめるのが、監督のルー。
フラッと出てきては的確なアドバイスで選手を導く手腕は非常に素晴らしく、選手の信頼も厚く、チームが一丸となって戦える中心人物は間違いなくこの監督です。
団結して強くなっちゃったインディアンスを食い止めるため、予算を減らして妨害してくるオーナーのレイチェルも良い味を出してますねー。
「美人だけど金持ちの嫌な奴」をまんま演じております。勝利を重ねるたびに彼女の等身大パネルをはがして盛り上がる選手達に思わず笑ってしまいます。
嫌な奴なんだけど何故か憎めない、そんな不思議な魅力を持ったオーナーさんです。
そしてオーナーに反発して団結し、戦う選手達。
もともとポテンシャルは高かったせいかグングン勝ち上がっていくわけですが、弱小球団の快進撃の間にトラブルがあったり、ロマンスがあったり。
ちょっとしたエッセンスが入るバランスも非常に良かったと思います。
そして終盤に流れる名シーン。
背番号99がフィールドに現れ流れる「Wild Thing」でもう、熱狂は最高峰。
手に汗握る名試合として、本気で応援してしまう熱さがあります。
まとめ
本物のメジャーリーグのように、マジで興奮しますよ。
両手を挙げて一緒に熱唱するのが正しい観方です、お試しあれ。
テンポ良く、楽しく感動できる良作で野球に興味の無い方でもきっと楽しめるはずです。
オススメです。
ぜひ一度ご観賞くださいませ。
おまけ
ヘイズ役のウェズリー・スナイプスは後に「ブレイド」シリーズでアクションスターの地位を獲得しました。
めっちゃ出世したなぁ。