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2000年/日本
上映時間:100分
監督:SABU
キャスト:堤真一/松雪泰子/大河内奈々子/西田尚美/安藤政信/大杉漣/小島聖/他
平凡なサラリーマンが、酒に酔った勢いで色々とやらかしてしまうコメディ作品。
酔っぱらって意識を無くし、その間に様々なトラブルに遭い、回想形式で記憶を辿っていく。
こういった展開は「ハングオーバー」シリーズと同じような作風であり、そういう意味ではかなり先進的な映画だったと言えます。
全体的にシュールな笑いが中心となり、誰が見ても爆笑を誘うような内容ではなくコメディというには違和感を感じる作品ですが、脈絡が無く奇抜なストーリー性には一抹のセンスを感じさせます。
さっくりあらすじ
月曜日の朝、至って平凡なサラリーマン・高木はホテルの一室で目を覚ます。
ひどい二日酔いに頭を抱え、週末に何があったのかを考えるも全く思い出せない。
しかしポケットに入っていたお清めの塩をきっかけに、徐々に記憶が蘇ってくるのだが、、、
ほんっとに下らないんだけどね
サブカル風エンターテイメント
SABU監督だけにね。
ね。
「泥酔で記憶を無くした男性が何をしたのか」を紐解いていくサマを描いた、ブラック・ユーモア溢れる作品として、少々人を選ぶ映画と言えます。
基本的には荒唐無稽でハチャメチャな展開であり、このテンションについていけるかどうかで作品に対する姿勢が決まってしまうでしょう。
端的に言えばしっかり見れば面白いんだけど、それ以前の眠気に勝てるかどうかということです。
大まかなストーリー展開とは直接的に関係ないシュールな笑いがてんこ盛りですが、ギャグと言えるほどの瞬発的な笑いには欠けており、結果的にテンポの悪さに繋がっているのが残念なところ。
作品を通してのセンスは随所に感じられますが、やはり邦画ならではの間延びした演出はどうも好きになれません。
この手の手法は演出としては面白くもある反面、無駄に尺が長くなる弱点があり、結局何が言いたいのか分からなくなることが多いんですよね。
ただでさえブラックユーモアに嫌悪感を示す人も多いしね。
この独特のノリは非常に好き嫌いが分かれるところであり、個人的には苦手な人の方が多いと思っています。
とはいえ、その間延びした脚本を補っている豪華な俳優陣は秀逸です。
松雪泰子・大杉漣・松重豊・寺島進・安藤政信に津田寛治などなど、現在でも活躍する個性派俳優で彩られた映像は一見の価値ありかなと。
ただでさえ先の読めない展開な上、意外なところで意外な役者が登場してくるので、なかなか新鮮に感じるのではないでしょうか。
映画としての完成度はイマイチですが、それを補って余りある役者の力は素直に素晴らしいものだと思います。
まとめ
現代の量産型な日本映画の中では異端の作品と言えるかもしれません。
整合性があるんだか無いんだか、ストーリー性もあるんだか無いんだか、そもそも意味もあるんだか無いんだか、、
作品としての複雑な意味を成さないエンターテイメントなので、そこに完成度を求める方が野暮なのかもしれません。
どう見ても番人受けするような映画ではないと思いますが、たまにはこういった作品を観るのも良いのではと思います。
面白いんだけど玄人向けなのかな。
良ければ一度ご鑑賞くださいませ。