(原題:救殭清道夫)
2017年/香港
上映時間:94分
監督:ヤン・パクウィン/チウ・シンハン
キャスト:チン・シュウホウ/ベイビージョン・チョイ/リン・ミンチェン/リチャード・ン/エリック・ツァン/他
-Warning!!-
本日の「観れんのか!!}は
オススメ記事ではありません
素敵な映画をお探しの方は
他の記事を参照ください。
現代風に舞台を移し、キョンシー退治を請け負う秘密組織として描きなおされたコメディ・ホラー。
相も変わらずキョンシーブームが静かに燃えておりまして、過去作もその内に網羅しようとは思うものの、とりあえずは直近のヤツから観ようかと思ってまして。
どの作品にも言えることですが、やはりB級香港映画としての枠からは出ることができず、映像的な楽しみというのは皆無ですね。
それはそれで問題無いんですが、今回に限っては脚本がクソすぎると辟易しておりまして。
せっかく再びやって来た(個人的な)キョンシーブームに冷や水をぶっかけられたような、悲しく切ない気持ちに溢れております。
さっくりあらすじ
冴えない大学生のチョンティンはある日、路地裏で人がキョンシーに襲われているところを目撃し、意を決して立ち向かうも噛まれて気を失ってしまう。
自宅のベッドで目を覚ますと、亡くなった両親の同僚だったツォンとジーチャウが助けてくれたことを知り、ツォンはV・C・Dと書かれた名刺を置いていった。
後日に訪ねてみると、清掃局を装う施設はキョンシー退治局だということが判明し、チョンティンは自身の出生の秘密を知り退治局に入ることを決意するのだが、、、
キョンシー退治局
公務員感がすごい
こんなに醜いキョンシーが
美しくなって爆☆誕!!
漂う童貞臭
いやぁー、、コレはいかんですばい。
ホラー要素もアクション要素もコメディ要素も、甘ったるくてしつこいシロップを使い過ぎて食えたもんじゃないよ。
勇次郎に怒られるよ、ホント。
物語の展開としては観れる部分があるにせよ、もう全編に渡る童貞臭がキツ過ぎて直視するのがキツいんですよ。
誰が考えた脚本かは知りませんし知りたくもないですが、間違いなく童貞です、もしくは素人童貞です。
中学生男子の妄想を具現化し、そのまま映画に落とし込むとこうも気持ち悪いものなのかと、ある意味で勉強にはなりましたが。
先に言っておくと、ヒロインキョンシーを演じるリン・ミンチェンはとても可愛いです。
とても可愛らしいのは間違いないんですが、前時代的なあざとさ全開の演出は恐らく賛否が大きく分かれるところだと思いますし、個人的にはアウト。
プラトニックの意味をはき違えているロマンスの数々は直視するのがつらい程に幼稚で、主人公・チョンティンを演じるベイビージョン・チョイのもやしっ子っぷりも相まって、シンプルにキモいんです。
そもそも動きを封じたキョンシーを焼却しろと言われてんのに、何を家に連れて帰ってんだと。
自分が上司なら本気の肩パン&ケツキックですよ、こんなもん。
まだ髪が長い頃はキョンシー風な佇まいが残っていましたが、オシャレな服に着替えさせ、髪を切ってからの嫌悪感はさらに増幅。
さも純愛のように描いてますけど、変身前の醜い姿だったらすぐにぬっ殺してたでしょうし、これ以上若かったら犯罪だしね。
どう転んでも純愛になる要素が無いというか、素直に言うことを聞く女性相手にいい気になっていく様がとにかく気持ち悪いんです。
このライトノベルも裸足で逃げ出すほどの甘ったるいロマンスはダメですよ、これを面白いと感じるようであれば童貞かアダルトチルドレンかどちらかです、絶対(偏見)
とはいえ、清掃局を装って秘密裏にキョンシーを退治するという設定自体は面白く、役割が分担され、処理がシステム化された現代風なアイデアは良いと思います。
積み重なった資料によりキョンシーを分析し、実にさりげなく清掃員に扮しながらキョンシー討伐に当たるという設定にはロマンを感じますな。
就職説明会くらいは行ってみたいものです。
ついでに脇役となる退治局の職員もまさに公務員さながら、どこか疲れた雰囲気が良い味を出しております。
冴えない大学生がベスト・キッド風な訓練を経て徐々に仲間になっていく王道な流れと、ラスボスとなるキョンシーのバックグラウンドもそれなりに説得力があります。
どう見ても訓練内容が役に立っているとは思えませんが、定番の演出として悪くはないでしょう。
あとはちょっとだけ気になる点として、著作権の関係なのか、やたらと背景にモザイクがかかっているのが気になります。
色々と大人の事情があるのでしょうが、だったらモザイクを使わないで済むようにセットくらい作れよと。
作品としての内容はさておき、この時点で”映画未満”な完成度だと思いますね。
まとめ
「キョンシー」が個人的にツボり、「霊幻道士X」も及第点だっただけに、今回は少々ハードルが上がったのも否めません。
が、コメディ・ホラーとしてとか、許されない関係のロマンスだとかを抜きにして、生理的に受け付けなかった映画は久しぶりでしたよ。
それだけに印象深いものでもありますが、どう見ても人に勧めるような作品ではないですな。
少女漫画よりも甘いロマンスを求めている方、もしくは妄想性厨二病に侵されている方、それくらいでしょうか。
全く以てオススメしませんが、物好きな方だけご鑑賞くださいませ。
あー気持ちワル!!