
小学館ヤングサンデーコミックス
1993年~1997年
著者:相原コージ
全9巻
20年も前の古い漫画です。
当時僕はまだ子供で、歳の離れた兄貴が買ってくるヤングサンデーを毎週楽しみにしていた記憶があります。
作者の相原コージさんは元々ギャグ漫画を描いていたそうです。
残念ながら他の作品を読んだことはないんですが、そういえばと忘れかけていた記憶を頼りに本作を発見。
全巻大人買いして改めて読み直してみたところ、これがまぁ面白いんですよ。
今となっては古典的すぎて笑えないレベルのギャグと、これよく連載できたねってレベルのエログロな描写が素晴らしく、読み応え十分にガツンときます。
懐古主義と言えなくもないですが、古き良き作品は色あせず、今でも十分な魅力を放ちます。
さっくりあらすじ
落ちこぼれ忍者のムジナは、同じく落ちこぼれ忍者だった父ゴキブリの遺言と死に様から、何があっても、どんな手を使っても生き抜くことを誓う。
父から伝授された秘技や、修行の末に会得した必殺忍法で着実に成長するムジナ。
それでも生き延びるために、自分のことを最優先させる考え方は変わることはなかった。
しかし下女のスズメと出会い、恋に落ちたことで彼の人生は一変。
「生き抜くために、決して愛する存在を作ってはならない」という父の教えと、スズメのそばにいたい気持ちが葛藤するムジナ。
そして始まる伊賀忍軍との戦争、ムジナが取った行動とは、、、
忍術は理にかなったものばかり
これが必殺忍法・跳頭
滑稽でも、かっこいい忍びの生き様
ストーリーは忍者という生き方の意義と、忍者の世界に君臨するヒエラルキーの中で必死にもがく、若き忍びたちのお話です。
良い暮らしをするために成り上がるとか、火影を目指すとか、因縁のライバルをやっつけるとか、そんな立派な信念はムジナにはありません。
理不尽な争いや命令の下で、ただ生き延びるために、鍛え、学び、そして逃げ回る。
でもその生きるためへの執念を誰が笑えましょう?
生き残るために泥臭くも必死になる姿には現代にも通ずるカッコよさがあるわけですな。
また卑怯でも姑息でも、いかに汚い人物でも各々に背負うものがあります。
志半ばで、非情にも死んでいくキャラクターの数々は非常に感慨深いものがありますね。
強さよりも、したたかさや狡猾さにスポットが当たるのが特徴的です。
主人公たちに派手さは無い(というか敵の個性が強すぎる)ので、ナルト的なノリで読むとガッカリするのでやめておきましょう。
忍術もあくまで人間にできる範囲(一部除く)なので、天照や月読や雷切や螺旋丸や仙人モードは出てきません。
それ故に一撃必殺、隙あらばあっさりと決着がつく緊張感のある戦闘シーンになっています。
とにかくいろいろとパンチのある漫画です、テンポ良くさっくさく読めるのでストレスも感じないでしょう。
最後のムジナのカッコよさは異常で、まさに漢、涙なくして見れません(涙)
オススメです。
ぜひ一度ご閲読くださいませ。