スターウォーズ/最後のジェダイ


(原題:Star Wars:The Last Jedi)
2017年/アメリカ
上映時間:152分
監督:ライアン・ジョンソン
キャスト:デイジー・リドリー/アダム・ドライバー/マーク・ハミル/キャリー・フィッシャー/ジョン・ボイエガ/オスカー・アイザック/他

 




 

前作はコチラ

公開4日目に観に行ってきましたが、夕方のバルト9は7割くらいは埋まっていたでしょうか。

ご存知スターウォーズ・エピソードの8作目であり、恐らくは2017年最後の目玉作品と言えるでしょう。

 

前作は過去作のオマージュが強めな内容で、多くの伏線が消化不良で中途半端な印象の作品ではありました。

 

フォースに目覚めた少女・レイは何者なのか?

ファースト・オーダーの最高指導者・スノークは何者なのか?

ルーク・スカイウォーカーとカイロ・レンに何が起きたのか?

最後のジェダイとはどういう意味なのか?

 

様々な謎が散りばめられた物語の答えを出す作品として、用意された150分という長丁場。

12部作までの製作が発表された不穏な空気が流れる中で、今後のスターウォーズはどういったアプローチになるのでしょうか?

 

 

 

 

さっくりあらすじ

レイア・オーガナ将軍が率いるレジスタンス軍の基地がファースト・オーダーに急襲され、レイアの命令を無視して特攻したポー・ダメロン中佐と爆撃部隊の活躍により犠牲を出しながらも敵艦の撃沈に成功する。

敵艦隊の混乱の中でレジスタンスは残りの仲間を回収し逃亡を図るも、ファースト・オーダーが仕組んだ追跡装置により居場所を捕捉され、執拗な攻撃にさらされることになる。

 

ジェダイ最古の地でルーク・スカイウォーカーにライトセーバーを手渡したレイだったが、目の前でライトセーバーを投げ捨てられ、レジスタンスの危機を訴え続けるもルークは取り合わずひたすらに無視されていた。

しかしチューバッカと出会い、またR2-D2と話したことで考えを改め、ルークはレイの修行を始めるのだが、、、

 

 

 

 

ルーク・スカイウォーカー
今回はジェダイ初の離れ業を披露

 

レイア・オーガナ
こちらも離れ業を披露

 

レジスタンス・ホルド中将
本作随一の漢

 

 

 

 

7より面白いよ

旧三部作・新三部作のエピソードが終わり、新たな幕開けとなった前作は賛否が大きく分かれましたが、今作はなかなかに見応えがありますよ。

実際に観た感覚としては2時間30分の長丁場も全く気にならず、がっつりのめり込んで楽しめました。

熱狂的なマニアがどう思うかは分かりませんし、個人的に思うところが無いわけでもないですが、ライトなファンからすれば十分に納得できる仕上がりかなとは思います。

 

新たな主人公となるレイとカイロ・レンにスポットを当て、ハン・ソロを中心とした旧作メンバーを絡めた前作とは異なり、本作では”伝説のジェダイ・マスター”ことルーク・スカイウォーカーをキーパーソンに物語は進みます。

前作に比べジェダイとシス、ひいてはレジスタンスとファースト・オーダーの関係をより深く掘り下げ、単純な善悪の観点から少し距離を置いた印象です。

 

ジェダイとは?

シスとは?

 

過去に描かれたフォースに起因する信念や思想、そういったものにある種の答えを出し、また違った視点から捉えた2つの勢力の姿も浮き彫りになったような気がしますね。

相変わらず素人状態でも無双するレイちゃんや、驚異的な素質を持つはずなのに頼りないカイロ・レンの描写は変わりませんが、ジェダイやシスとはまた異なる思想が生まれつつあることは興味深いところですな。

 

 

残念なのはやはりジェダイやシスといった組織や概念、哲学や神秘性というものがどんどん薄くなっていくところ。

ライトサイド・ダークサイドという概念こそあれ、ジェダイもシスも共にフォースを感じ、フォースを使い、フォースがもたらす未来を見定めようとしていたような不可思議で神秘的な感覚が無いんすよね。

レイもカイロ・レンも、未熟ながらに驚異的な潜在能力を秘めるのは良いとして、ろくに修行もせずにぐいぐいステップアップするもんだからフォースがもたらす深みに欠けます。

 

生後半年から訓練を受け続けた旧共和国のジェダイ・ナイトに比べて異常に成長が早く、相対的にジェダイの資質が安っぽく感じてしまうわけですな。

そのせいか結局は超能力を使える人たちが”力”を戦いに使うだけにしか見えないような描写が多く、そもそもの両者の思想は何だったっけ?とボヤけがちな感じで、言い換えれば何故に戦争を続けるのかさえ微妙に分かりづらかったようにも思います。

 

 

アクション面は文句無しで大迫力、手に汗握るようなドキドキハラハラの連続です。

宇宙空間での艦隊戦、追撃してくるファースト・オーダーからの敗走戦、お約束のライトセイバーの剣劇アクションにレジスタンスの希望を懸けたラストバトルなど、どれも極めてハイクオリティで楽しませてくれます。

 

特に初登場のプラエトリアン・ガード(スノーク親衛隊)なんかは紅い甲冑に斬新な武器の数々など、ちょっとテンション上がるような魅力がありますね。

物語の展開もあいまって盛り上がりっぷりが最高でした。

とはいえデイジー・リドリー(レイ)もアダム・ドライバー(カイロ・レン)もいまいち殺陣の動きが鈍く、かつてのアナキンやオビ・ワンの戦いを観た後だと少々物足りなさを感じなくもないですが、それでもなかなか面白かったっす。

 

で、個人的には不満点もチラホラ。

まず大きな謎として残る「スノークって何者だったん?」という問題。

前作でも今作でも大きく取り上げることなく、やたら傲慢で大物ぶっていた割には本作では小物臭が漂い、意外な展開もあってマジで目がテン(・д・)。。。

シス卿ならシス卿で、せめてどっから湧いて出てきたのかくらいは触れておくれよ。

 

次いで個人的に好きだったキャプテン・ファズマですが、こちらも前作に引き続き不遇なポジションで少々悲しいところ。

銀色でピカピカに施されたミラー・コーティングの鎧ですが、まさかブラスターを弾くとはね、こりゃ地味だけどビックリしたよ。

そんな荒業ができるならストーム・トルーパーに配備してやれよ。

 

あとはフィンを中心に妙な三角関係的な描写はいらん、そんなもん求めてないし、ちょいと急な展開なのでこれも目がテンになる(・д・)

 

 

最後に主人公格のルークやレイアをはじめ、レイやカイロ・レン、ポー・ダメロンやBB8など、様々な人物が活躍しますが、間違いなく本作でのMVPはレジスタンスのホルド中将でしょう。

逃げ腰で高圧的、絵に描いたようなダメな士官という感じですが、その実誰よりも仲間の安全を優先し、また冷静に逃走ルートを確保し、誰よりも勇気と知恵を持つ姿は普通に感動します。

 

あとベニチオ・デル・トロの登場にはびっくり、泥臭い汚れ役でありながらも長い戦争の真実の一端を語る姿は渋くてカッコいいす。

ついでにCGでなく、人形の姿でゲスト出演したマスター・ヨーダも嬉しかったです。

 

 




 

まとめ

大体三部作の真ん中ってつまらなくなりがちですし、前作も「エピソード4の焼き直し」と揶揄されていましたが、今回は普通に面白かったっすよ。

先述したように個人的には前作よりも面白く感じました。

 

終わってみれば「世代交代」ということですかね。

ルーク・スカイウォーカーの物語が終わりを迎え、過去作からいたキャラクターが容赦なく死んでいき、新たな闘いと共に新たな希望の芽が生まれたことを描いたようにも感じます。

 

どうしても繋がりのある物語だけに過去作と比較してしまいがちではありますが、そんな過去作からの概念を一度断ち切ったようにも見えるわけで。

作品としても物語としても、伝統・伝説は形を変え残っていくものであり、今回は改めて”新世代のスター・ウォーズ”という映画として受け取れた気がします。

最後の最後のあの少年のシーンとかね、今後に続く新しい伏線も忘れていません。

 

ファンで映画を分かち合い、あーだこーだと考察できる良作だと思います。

ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。



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