(原題:Sister Act)
1992年/アメリカ
上映時間:100分
監督:エミール・アルドリーノ
キャスト:ウーピー・ゴールドバーグ/ハーヴェイ・カルテル/マギー・スミス/キャシー・ナジミー/ウェンディ・マッケナ/メアリー・ウィックス/ビル・ナン/他
「ゴースト/ニューヨークの幻」で、アカデミー助演女優賞を獲得したウーピー・ゴールドバーグの地位を不動のものにしたコメディ・ドラマ。
聖歌隊、ひいてはゴスペルという文化を中心に性格や世代の枠を越え、明るく楽しいメロディは紛れもなく名作のものであり、今なお色褪せない素晴らしい作品です。
古い作品でありながらも、未だに人気を誇っているのには理由があります。
これを見ずして映画好きは語れないでしょう。
さっくりあらすじ
ネバダ州・リノのクラブで働く歌手のデロリスは、大物ギャング・ヴィンスの愛人だった。
しかしある日、ヴィンスが裏切者を始末する現場を見てしまったがために命を狙われることになってしまう。
事件の重要参考人として警察に保護されたデロリスだが、ヴィンスの裁判の日までカトリック系聖キャサリン修道院で尼僧として匿われることになる。
堅苦しい修道院の生活に辟易としたデロリスだったが、聖歌隊の指揮者を任されてからは一転してやる気に。
音痴な聖歌隊を鍛え上げ、大幅にアレンジを加えた聖歌とパフォーマンスで一躍人気者になる。
厳格な修道院長との対立もそこそこに、保守的だったシスター達とも友情を育んでいくのだが、、、
クラブ歌手で重要参考人のデロリス
厳格な修道院長
常にデロリスと対立
話題になり、ローマ法王が来ることに
最高にエキサイティングな聖歌を披露する
相反するものを混ぜたコメディ
修道院という禁欲的、閉鎖的な”静”の世界。
対してネバダ州・リノ(カジノが有名)という、エキサイティングで治安の悪い”動”の世界。
そんな相反する世界観をコメディタッチに描いた物語はアイデアとして面白く、その間を右往左往するウーピー・ゴールドバーグは正にハマり役。
明るくお茶目で豪快で、そんな彼女の魅力をこれほど引き立たせる作品はそうはありません。
余談ですが、この人あまり見た目の変化がありませんね。
現在(2017年)は60歳を超えているはずですが、ある意味で超人ですな。
カジノがあるから縄張りを持つギャングがいて、治安が悪い。
修道院だから保守的でつまらない生活を送る。
そんなステレオタイプな世界観をポップなリズム・楽しそうな曲調で彩る演出は非常に素晴らしいものです。
まして「聖歌」という神聖で美しくあるべきのものを斬新に、聞いているだけで楽しくなるようなメロディに作り替えるユニークさはお見事の一言です。
どんな困難も苦難もつまらない環境も、気分一つで変えられると信じるパワーは見習うべきものがありますね。
そして修道院の中で生活を送るシスターたちもまた個性的。
内向的で不器用、でも内には優しさと勇気を併せ持ち、何より素晴らしい歌声のポテンシャルを秘めるメアリー・ロバート。
対照的にお調子者で明るく、歌と踊りが大好きなメアリー・パトリック。
そして規律に厳しく頑固であり、終盤までデロリスと対立していた修道院長。
演じるは、押しも押されぬ名女優マギー・スミス。
(マクゴナガル先生ね)
彼女が持つ知性・品性は言わずもがな、最終的にはデロリスを認め、受け入れる器の大きさは彼女にピッタリのイメージです。
ついでに個人的にですがビル・ナン演じるエディー警部が好きなんすよね。
単純で猪突猛進、でも正義感に溢れる刑事ですが、どこか笑えてどこかカッコいい。
出番は多くは無いですが、映画のアクセントとして印象的なキャラクターでした。
ちなみにビル・ナンは2016年に62歳で亡くなっております、合掌。
まとめ
ユニークでコミカルなコメディ映画ですが、名作たらしめているのはやはり音楽の力なのか。
色々ないがみ合いや立場の壁を乗り越え、ポジティブな気持ちを乗せて歌うゴスペルの迫力はとにかく圧巻の一言。
物語全体を通して感じる、思い切った楽しさこそが本作の魅力だと思います。
テンポ良く笑える軽さ、立場を越えて分かりあう感動、そしてフィナーレの大合唱、どれも色褪せることの無い名シーンです。
非常に有名な作品なので知らない人の方が少ないのではと思いますが、未だ観たことの無い人は観るべき作品だと断言できます。
オススメです。
ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。