ワルボロ


2007年/日本
上映時間:109分
監督:隅田靖
キャスト:松田翔太/新垣結衣/福士誠治/木村了/城田優/古畑勝隆/途中慎吾/中村トオル/他

 




 

 

作家・エッセイストのゲッツ板谷による小説が原作の暴力的青春映画。

知る人ぞ知るゲッツ板谷という作家ですが、彼の家族を題材にしたエッセイ「板谷バカ三代」シリーズや、大物漫画家・西原理恵子とのアジア取材を兼ねた「怪人紀行」シリーズなど、ツボにハマるとお腹がねじり切れるくらいに笑える傑作です。

非常にシュールで温かみの溢れる笑いが持ち味のゲッツ氏ですが、本作はそんな彼の少年期を描いた作品。

至って普通のガリ勉少年がひょんなことをきっかけに、馴れないヤンキーの世界で奮闘する物語です。

 

 

 

さっくりあらすじ

1980年代の東京都、立川市。

ほのかに想いを寄せる少女・山田の隣で日々勉強に励む優等生のコーちゃんだが、校内一のツッパリであるヤッコに他愛もないいたずらを仕掛けられ、つい声を荒げてしまう。

キレたヤッコと掴み合い、激しい頭突きの応酬の果てに、コーちゃんは強烈な充実感を得るのだった。

翌日から見違えるほどのツッパリとなったコーちゃんはヤッコの相棒として、個性豊かな仲間たちと「南三中の錦組」として行動し始めるのだが、、、

 

 

 

ヤッコに絡まれビビるコーちゃん

 

そしたら次の日ツッパリに

 

ガッキーは安定の可愛さ

 

 

 

2000年代のヤンキー映画

80年代の古き良きツッパリ文化を今風にアレンジしたヤンキー映画です。

内容があるようで無いようで、観る人によって評価が大きく分かれる作品とも言えます。

というのも彼らのやることなすこと、その生活感や価値観に共感できれば面白く懐かしいエンターテイメントですが、逆に理解できなければ不毛な暴力を描く駄作にもなり得ることでしょう。

 

筆者よりも一回りくらい年上の世代の話ですが、地方の田舎出身の筆者としてはこーゆー先輩も同級生もまだギリギリ活動していたので、どこか懐かしさを覚えます。

喧嘩自慢や近所の縄張り争いなど、ワルに憧れる少年達による他愛のない話ではありますが、若気の至りを地でいく若者にはそれが全てな時期もあるもんです。

ツギハギだらけの友情、微かな恋心、バカなことしかできない若者ならではの青春として、どこか清々しさすら感じます。

とはいえ、そういったヤンキー文化に興味が無いor触れずに育った方々には無意味で不毛な作品ですのであしからず。

 

 

物語としてはひたすら喧嘩と青春に明け暮れるだけの話なので特に触れるとこもありません(笑)

むしろそんな空虚な物語を彩る背景や設定、服装や髪型などが一番の見どころかもしれません。。

主人公や仲間たち、朝鮮人グループに極悪集団など、どう見ても中学生には見えませんがそこはツッコミを入れずにスルーしましょう。

 

昭和の香り漂う街中で勃発する喧嘩、喧嘩、そして喧嘩。

そこには近年のアクション映画のようなスタイリッシュさは皆無で、逃げる、追いかけまわす、シバきまわす、武器を振り回す、集団で囲む、、、などなど泥臭くアホらしい狂気のオンパレード。

そのあたりだけは妙にリアルに描かれており、「ケンカは数だ!」と言わんばかりに敵対組織に追い回され、また必死こいて逃げ回る姿は時として面白く、人によっては懐かしさもこみ上げてくるものがあるでしょう。

 

余談ですが、ザ・クロマニヨンズが歌う主題歌「ギリギリガガンガン」も作品にマッチしていて素敵です。




 

 

まとめ

昭和を過ごした悪ガキたちの青春映画であり、当時に青春を過ごした人から見ればなかなかに興味深い内容かなと思います。

当然まともな人生を送った人が大半だとは思いますが、付き合いの長い友人や先輩後輩、幼馴染なんかには一人くらいこういった知り合いもいたんじゃないでしょうか。

忘れていた記憶を掘り起こすような、古い友達と一緒に観てほしい作品ですな。

ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。



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