2017年からテレビ東京で放映されている、不定期グルメ番組。
上出遼平さんというディレクターが一人で危険地域に乗り込み、現地の人々がどんな食事をしているのかを追うドキュメンタリーですな。
ディレクターいわく、あくまで”グルメ番組”なんだそうで、確かに美味しそうな食べ物を取材する側面はあるものの、どう見てもメインテーマは食事をする人々の背景にあります。
墓地に住む麻薬中毒の元少年兵や台湾のマフィア。
ロサンゼルスで殺し合う黒人ギャング&メキシカンギャング。
麻薬密売人やカルト教団。
不法移民や難民。
出所したての元受刑者や火葬場で働く人々などなど。
どれも極めて興味深く、また絶対に一人では生きたくない場所の数々が実に魅力的。
どう考えても(通訳や現地協力者がいるにしても)アジア人がノコノコ行って良い場所ではなく、何となく知ってはいるけれど、結局は何も知らない実態が浮き彫りにされていきます。
これが本当に面白くてね。
単なるグルメではなく、どういった人々が、どういった環境で、どういった経緯を経て食事をしているのかにスポットが当たります。
どんな人間でも必ず「食事」はするわけですが、この「食事」をするに当たってのドラマは本当に奥深いわけですよ。
番組に登場する人々は殆ど全員が”ワケあり”の人生を歩んでおり、我々の”幸せ”の概念とは程遠い生活を余儀なくされております。
一回の食事を摂るためにどれほどの苦労が必要なのか。
将来の見通しが立たず、明日のことさえ分からない人々にとって食事とは何なのか。
どこでも当たり前のように食事ができる我々の固定観念をブチ壊す、ものすごい価値のある番組だと思います。
また、どんな苦境にあろうが、割と思いやりを忘れない人々の姿もまた印象的。
前向きな人も、後ろ向きな人も、誰もが優しく素敵な笑顔を持っているのが見て取れます。
幸せの意味や価値を見つめなおす、良い機会になることでしょう。
しょーもないバラエティ番組の100倍面白いですし、非常に大事なメッセージを含む番組ですし、高校生くらいなら学校の教材として取り上げても良いのではと本気で思うくらいですわ。
アマゾンプライムやNetflixで配信されておりますので、とりあえず1話観てみると良いですよ。
オススメです。
ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。