(原題:Around the World in 80Days)
2004年/アメリカ
上映時間:120分
監督:フランク・コラチ
キャスト:ジャッキー・チェン/スティーブ・クーガン/セシル・ドゥ・フランス/ジム・ブロードベント/ユエン・ブレムナー/ロブ・シュナイダー/キャシー・ベイツ/オーウェン・ウィルソン/ルーク・ウィルソン/サモ・ハン・キンポー/アーノルド・シュワルツェネッガー/他
元は1956年公開の「八十日間世界一周」というアドベンチャー映画。
ジャッキーの代名詞である超人的なアクションは控えめに、冒険的なワクワク要素を重点的に描いた作品です。
しかし1億ドルを超える巨額を投じて製作され、世界10カ国でのロケを敢行した映像に当時の最先端CGIを組み合わせた大作にも関わらず、興行的には大失敗となってしまったようです。
実際に観てみればよく分かりますが、興行的に振るわなかったのは観客が求めていたものと違うのが原因だったのでしょう。
しかし意外や意外、カンフー映画ではないんだぞ!と分かった上で観る分には、それなりに楽しめる映画ではあると思います。
さっくりあらすじ
19世紀末のロンドン、イギリス人発明家のフィリアス・フォッグは何でも実験しなければ気が済まない変わった男。
彼の過激な実験に付き合わされる執事は愛想が尽きて出て行ってしまった。
そんな折、彼の屋敷に一人の男が落ちてくる。
何やらワケありな中国系の男は「パスパルトゥー」と名乗り、フォッグの実験台として雇われることになる。
二人で訪れた王立科学アカデミーの会合で、大臣のケルヴィン卿の挑発を受けたフォッグは「80日で世界を一周する」という無謀な賭けに乗ってしまう。
パリで画家志望の女性モニカが加わり、一行は旅に出るのだが、、、
フォッグとパスパルトゥー
スティーブ・クーガンはイギリスでは
有名なコメディアン
シュワちゃん
この時まだ州知事
ジャッキーとサモハン
アクションは二人が担当
「小説」と「映像」の差
10カ国でロケしただけあって、世界中の町並みや風情の映像が存分に使われている本作。
多少のトラブルやドタバタのコメディが挟まっているものの、映画として観るに十分なエンターテイメント性があるとは言えないかもしれません。
ジャッキーはもとより脇役にも豪華なカメオ出演がありますが、それがいけなかったのかもしれない。
俳優がそれぞれ持ち合わせる個性が感じられず、「この人使う必要があったか?」と感じずにはいられません。
巨額を用いた作品だけに有名な俳優をつぎ込みたい気持ちは分かりますが、そこをこらえて無名の俳優を起用する勇気、強いては原作を踏襲する勇気も必要だったかもしれません。
とはいえ、「個」にフォーカスせずに全体として作品を観ると、コレが普通に結構面白い。
原作を知っている方からすればアレな内容だと思われますが、世界を股にかける冒険譚だと思えば十分に楽しめます。
端役とはいえ急に現れるシュワちゃん、サモハン、ウィルソン兄弟にはニヤリとさせられますし、少なめとはいえジャッキーのアクションはやはり面白い。
でも製作にも関わったジャッキー自身も本作は不満の残る作品になったようだし、リメイク作品のしがらみが足かせになってしまった模様。
ジャッキー映画恒例のNG集も無いし、不完全燃焼な印象です。
全体的に子供向けな印象が強いので大人が観るには退屈かもなぁ。。
まとめ
可もなく不可もなく、正にそんな感じ。
つまらなくはないけれど、特筆すべきところもない。
つぎ込んだ予算を考えれば全く持って物足りない作品ではありますが、前もってハードルを下げておけばそれなりに面白いのかな。
よく考えれば1956年とは価値観が全然違うし、世界一周の意義も全く異なりますしね。
2時間の映画の枠で世界を回る壮大さを描くには時代考証や演出が足りず、結局はジャッキーアクション頼りになってしまうのが悲しいところでしょうか。
若干のスチームパンクを感じさせる、面白おかしいアクションアドベンチャーとして観るには悪くありません。
ご家族で、お子さんと一緒に観れば楽しめるのではないでしょうか。
ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。