8mm

8MM_1999
(原題:8mm)
1999年/アメリカ
上映時間:123分
監督:ジョエル・シュマッカー
キャスト:ニコラス・ケイジ/ホアキン・フェニックス/ジェームズ・ガンドルフィーニ/ピーター・ストーメア/アンソニー・ヒールド/クリス・バウアー/キャサリン・キーナー/ノーマン・リーダス/他

-WARNING-

本日の「俺の映画が見れんのか!」は
テンションの下がる作品をご紹介しています。

特に女性にとって不快な表現や演出が多いので
ご観賞は自己責任でお願いします。

 




 

行方不明の女性を探す探偵と、事件の裏に潜むおぞましい組織を描いたサスペンス・スリラー。

 

いきなりですが「スナッフフィルム」という言葉をご存知でしょうか?

休み明けからハードなお題で恐縮ですが、殺人の様子を撮影した娯楽映像というものが世の中には実在します。

「ウクライナ21」という非常に有名なものも存在しますが、基本的に相当な変態マニアの間でしか流通しない超アングラなものではあります。

 

内容が過激すぎるのか、はたまた世に出回るものではないのか、こういったスナッフフィルム関連の事件が世間で取りざたされることはほとんどありません。

ある種の都市伝説とも言えるおぞましき存在、それだけにホラーやサスペンスでは格好のテーマとも言えます。

 

 

 

さっくりあらすじ

とある大富豪が亡くなり、彼の金庫から少女が切り刻まれ殺害された様子を撮影した8mmフィルムが発見される。

腕利きの私立探偵トム・ウェルズは亡くなった富豪の妻からの依頼を受け、スナッフフィルムが本物かどうかの調査を開始する。

アングラ文化に詳しいアダルトショップ店員マックスの助力もあり、トムはフィルムの製作者を突き止めるのだが、、、

 

 

 

 

8mm犠牲者となった少女

 

8mm-huit-milimètresフィルムの出処を探る二人
手始めにスナッフ観賞会

 

68bca12b06fa4942e4b01b76075ef129若き日のノーマン・リーダス
チョイ役で出てます

 

 

 

 

火の無いところに煙は立たず

とは言いますが、本当にこういった映像はあるんですかね?

 

アンダーグラウンド、というにはあまりにも異色なテーマの本作。

広い意味では中東諸国の過激派による人質の処刑映像なんかも含まれそうなところですが、主に中南米のマフィアやカルテルの資金源として、実際に製作されているとの噂もあったりします。

過激な事故映像とかを興味本位で見てみたい気持ちは理解できますが、実際にお金を出して購入し、趣味にするような人間性は全く理解できないのが正直なところです。

 

 

8mmフィルムが発見されることから映画は始まりますが、現代の高解像度の映像に慣れている我々にとって、古めかしく画質の悪い映像は不気味そのもの。

怯える少女を切り刻む姿は激しい嫌悪感と恐怖に溢れ、演出としてはなかなかのものだと思います。

 

富豪と呼ばれる人間達が己の快楽のために人を殺し、その映像を楽しむという一般人には到底理解の及ばない世界。

金にまみれた人間のさらなる欲望という闇を掘り起こす脚本は見応えがあると同時に、女性や気弱な人は非常に不愉快になることでしょう。

 

 

私立探偵・トムを演じるのは、皮肉にもアングラ大好きニコラス・ケイジ。

あらゆる表情を使いこなす彼の演技と脚本が噛み合い、「吐き気を催す邪悪」に対する「異常なまでの正義」を振りかざすトムの姿が描かれます。

反吐が出るような相手に対し、ギラギラとキレちゃった目で復讐を企てる姿はなかなか強烈で「悪に触れてしまったせいで振り切ってしまった正義感」を振りかざす姿にも考えさせられるものがあります。

 

そして相棒マックスを演じるのはホアキン・フェニックス。

だいぶ若い頃の作品ではありますが、当時から何でも演じられる柔軟性と演技の幅を持ち合わせ「正義の意味を知っているオタク&変態」という非常に難解な役を見事に演じきっています。

 

 




 

まとめ

えーぶっちゃけ楽しい映画ではありません(T一T)

むしろこれっぽっちも楽しくありません(T皿T)

 

テーマが異常なわりに映画の内容としては淡々としていて特筆すべきものは無いものの、覗くことにすら恐怖を感じるような人間の闇には興味深いものを感じます。

こんなことが事実として世の中に存在しているのか否か?

そう思わせられてしまう演出の妙が見所といっても良いくらいです。

 

アングラ、猟奇的、異常性癖、重たいサスペンス、どれかに引っかかる人は観ても損は無いでしょう。

ダークで陰鬱な雰囲気にまみれた作品なので間違ってもファミリーやカップルで観てはいけません、そこだけはハッキリ言っておきます。

ついでに、映画としての完成度は決して高くない点も、ハッキリ言っておきます。

 

良ければ一度ご観賞くださいませ。

 

 

 

 



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