1998年~2009年
作者:平本アキラ
週刊ヤングマガジン(講談社)
全32巻
運送会社を経営するゲンと従業員であるケンヂの日常を描いた物語。
と言えば聞こえは良いですがユーモラスやコミカルやギャグといった表現は超越し、序盤を除いてひどい下ネタの宝庫といえる内容になっております。
あまりの下らなさ、あまりのゲスな表現はとても女性にオススメできるようなものではないですが、男子は全般的にだらしない笑いに包まれることでしょう。
ただ、時折見せる人生の切なさや意味不明な名言などは一見の価値ありだと思います。
さっくりあらすじ
”アゴなしゲン”こと自称・株式会社「アゴナシ運送」社長のゲンは32歳。
仕事はほとんど無く、たまに入る仕事も数百円の運賃しか稼げず、とある理由で奥さんにも逃げられてしまった情けない男。
そして”オレ”ことケンヂはアゴナシ運送で働く19歳、ちなみに自称アゴナシ運送の副社長。
ゲン同様ろくに収入も無く、彼女に食わせてもらうヒモとして生活する情けない男。
これはそんなアゴナシ運送の二人と、周りにいる人間が紡ぐ物語。
こーゆーくだらない下ネタばかり
愛することも死ぬことも
美しすぎて絵にならない
作中でゲンさんが放った名言?です、略して「愛死美絵無」
この一言で分かるように内容があるようで無い、でも無いようである、そんな不思議な作品ではあります。
要は2人のダメ人間が巻き起こす下らない話ですが、社会の底辺にいるダメ人間の悲哀は時としてジンと胸に来ることも稀にあると思います。
とはいえ基本的に非常に尖ったギャグ漫画なので、本作特有のテンションについていけなければ不快でつまらない漫画になってしまうでしょう。
初期の頃と比べ中盤以降は作者の画力も著しい上達を見せ、後半に至ってはかなりの高レベルな作画だと思います。
それ故にしょっちゅう描かれるエロ・グロな展開もより生々しくなっていき、本作が敬遠されてしまう最大の原因になるという皮肉な話にもなりますが。。
良くも悪くも登場人物は極めて個性的であり、アクが強く印象的な人物ばかり。
むしろキャラが濃すぎて引いてしまうこと請け合いです。
というか、数ページ眺めただけで絶対に好き嫌いが分かれる漫画なので、とりあえず眺めてみたら良いと思います(笑)
入り口はものすごく狭く、そこを突破しても下世話な内容が再び高い壁となり、それを乗り越えた者だけが楽しめるという怪奇な作品ですな。
まぁそこまでして読まんでもいいんだけどね。。
まとめ
打率は低いけど、たまーに場外ホームランをかっ飛ばすような、ツボにはまればものすごく面白い漫画です。
本作を好きだと言う時点で筆者は頭がおかしいのかもしれませんが、それでも当ブログの信念として好きなものは声を大にして好きだと言いたい。
ギャグ漫画とはいえ爆笑を誘うものではありません、ダメ人間のシュールな笑いをクスリと苦笑いするための漫画です。
とても万人にオススメできる内容ではありませんが、興味のある方はぜひ一度ご拝読くださいませ。