
(原題:Big Hero 6)
2014年/アメリカ
上映時間:102分
監督:ドン・ホール
キャスト:スコット・アドシット/ライアン・ポッター/ダニエル・ヘニー/T・J・ミラー/ジェイミー・チャン/デイモン・ウェイアンズ・Jr/ジェームズ・クロムウェル/他
ウォルト・ディズニー・アニメーションが贈る、優しさと暖かさ溢れる3Dアニメーション。
東京国際映画祭で上映されたことを皮切りに、AIのキャッチーな主題歌も相まってあれよあれよの内に大ヒットを記録。
予告を観て「うーん、微妙かなぁ」とか思ってた、愚かな筆者の予想を完璧に覆した作品でもあります。
子供がいれば別なんでしょうけど、歳を重ねるにつれてディズニー映画やピクサー映画とは遠くなっていくものなんですよね。
それでも、たまにはちゃんと目を向けてみるべきだと教えられた気がします。
やはり子供向けな作品なので大人のメンズがのめり込むことはまず無いと思いますが、忘れていたほっこりした優しさを思い出すにはうってつけの映画だと覆います。
たまにはこんな映画もいいかな、そんな風に思わせてくれる作品ですな。
ちなみにマーベル原作です。
さっくりあらすじ
幼い頃に両親を亡くし、大学生の兄タダシと共に叔母の家に暮らす天才少年ヒロは非合法に開催されるロボットファイトに夢中になっていた。
しかし遂には警察の世話になってしまったヒロを見かね、タダシはヒロを大学の研究室に連れて行き、恵まれた研究施設と仲間たちに触れ、ヒロは大学入学を目指すようになる。
得意の工学の才能を活かし、研究発表会での独創性を認められ飛び級で大学へと進学したヒロだが、その晩に起こった事故火災でタダシが帰らぬ人になってしまう。
最も慕っていた兄を亡くしてしまったことで殻に閉じこもってしまったヒロ、そこにタダシが開発していたケアロボット”ベイマックス”が現れるのだが、、、
天才少年・ヒロ
でも年相応に幼く、未熟な面も
ヒロの兄・タダシ
弟を理解し、導く素晴らしい兄
ベイマックス
心と体を癒してくれるケア・ロボット
これぞ温故知新
脚本にも設定にもこれといった目新しさは感じず、既視感のある物語には捻りも無く、先も読める展開ではあります。
しかし完成度の高いアニメーションにベイマックスのキャラクター性、さらに勇気と優しさを糧に成長する主人公たちの姿は何とも魅力的なものです。
王道的であるけれども面白い、シンプルイズベストですな。
どこか未熟さを感じる天才児・ヒロのように物語全体がド直球で、良い意味で単純な脚本にも好感が持てますね。
昔ながらのストーリー性をなぞりながらも、一級のエンターテイメントに仕上げる手腕は「素晴らしい」の一言です。
強大な敵を相手に、個性豊かな仲間たちが”ヒーロー”として、得意の科学技術を駆使しパワーアップしていく過程は微笑ましくもワクワク感を煽ります。
か弱いオタク少年が知恵を使い、敵に対抗しようと努力する流れはジャンプ的なノリもあるように思いますね。
そしてベイマックスがもう、可愛いのなんのって。。
「こいつマジ欲しい!!」
誰もがそう思えるような独特の造形、機械音声なのに何故か漂う暖かみ、人の心の隙間にピッタリとハマる柔軟性がありますね。
むしろベイマックスを見て「うぜぇ」とか「キモイ」とか負の感情を覚えるようならば、それはきっと心の病気です。
素直に病院に行きましょう。
アクションシーンも相応に良くできていますし、大人が喜ぶようなレベルのものではないにしろ、子供が観るには迫力十分。
ドラマ性とアクション性、それに伴う映像技術はそれも高いレベルでバランスが取れており、非常に高い完成度を誇ります。
個人的には異次元空間に残るベイマックスと悲しい別れを告げたのに、メモリーカードであっさりベイマックスが復活したのはちょっと、、と思いましたが。
まぁディズニーですしね、ここは好みの問題でしょう。
まとめ
大人も子供も楽しめる、まさに王道のディズニー映画です。
自分は誰に支えられているのか、誰を支えているのか。
どんな時でも君は一人じゃないんだぞ、と声を大にしている作品とも言えます。
社会のしがらみに囚われた大人は素直に受け入れがたいものではあると思いますが、この”素直さ”を取り戻すためにも観ておくことをオススメします。
ベイマックスの可愛さに癒されましょう。
ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。