(原題:Blood Father)
2016/フランス
上映時間:88分
監督:ジャン=フランソワ・リシェ
キャスト:メル・ギブソン/エリン・モリアーティ/ディエゴ・ルナ/マイケル・パークス/ウィリアム・H・メイシー/他
アルコール中毒のリハビリ中の父と、反抗期の1人娘との逃避行を描くサバイバル・アクション。
「ハンガー・ゲーム」や「ホース・ソルジャー」などを手掛けた、ピーター・クレイグが脚本を務めます。
アウトローな生き方と切っても切れない縁に辟易する、メル・ギブソン演じる父の姿が印象的です。
88分というタイトな仕上がりに加え、割とベタな内容ではあるものの、娘を守る父の姿は格好いいの一言。
反抗期の娘を持つお父様方、一度は観てみてください。
さっくりあらすじ
元バイカー・ギャングで仮釈放中のジョン・リンクは無法な生き方と決別し、全てを失う元凶となったアルコール中毒のリハビリに励んでいた。
そんなある日、タトゥーの彫氏としてトレーラーハウスに住むジョンの元へ失踪していた娘からの連絡が入る。
トラブルでギャングに追われていると助けを求めてきた娘を迎えに行き匿うも、ジョンは麻薬に手を出す娘の言い分を信用できない。
それでも娘を失いたくない気持ちから薬物依存の専門医に娘を連れて行こうと考えた矢先に、3人の男がトレーラーハウスを訪れるのだが、、、
仮釈放中のジョン・リンク
トレーラーハウスで寂しく過ごす
しかし失踪中の娘が現れ
状況は一変
麻薬カルテルを相手に
決死の逃避行を計る
父は背中で語る
まさに読んで字の如し、タフで頼れる親父を演じるメル・ギブソンの格好良さたるや。
まぁアルコール中毒で元犯罪者なので擁護のしようもないですが、家庭環境が大変だったとはいえチンピラに恋して犯罪行為に手を染めた娘もどうかと思いますしね。
良くも悪くもそっくりな父娘だとも言えますし、言うても明確に愛情を持ち、娘の為に体を張る姿は立派だと思います。
演じるメル・ギブソンは公私含め様々な苦難に見舞われた2010年代ですが、徐々に活気を取り戻しているようにも見えます。
監督としても、演者としても、非常に存在感のある素晴らしい俳優ですな。
物語としては物騒なトラブルを抱えて来た娘のために、親父が次々とやって来る刺客をぬっ殺しながら逃避行するという流れ。
性質としてはバイオレンス・アクションな風味が強く、野性的でタフなギブソン氏のキャラクターに良く合います。
「娘を守るため」という極めて大事な目的のために、あらゆる手段を組み立て容赦なく相手をぬっ殺す姿がシビれるわけですよ。
また「守る」ことに重きを置き「戦う」ことは娘に教えない徹底した信念も素敵。
娘が一度は手を出した犯罪の世界から完全に決別できるように、不器用ながらも醸し出る親心に感動するんですよね。
決して暴力や犯罪を肯定するわけではないですが、自分もこういう親父でありたいなと少しだけ憧れるのもまた事実。
ハーレーに乗ってソードオフ・ショットガンをぶっ放す親父なんて、超格好いいと思いません?
(厨二病)
さらに敵の暗殺者が印象的で、作品のアクセントとしての存在感が抜群です。
詳細は忘れましたが、顔中に掘られた儀式的なタトゥーと、それ故に読めない表情が実に印象的。
出番は少なめなものの、かなりインパクトのあるボスキャラでしたね。
唯一の不満点として、刑務所にいるカルテルの大物が割と話の分かる、良心的な人だったこと。
まぁ親父が1人でカルテルを壊滅させるのは無理があるにしても、もう少しカルテルの陰湿な恐怖感があっても良かったかなと。
最終的に元凶となったチンピラが刑務所へと送られ、ジョンの仲間がそれを待ち受けるというエンディングもシビれますね。
さりげなくも納得いくカタルシスですな。
まとめ
シンプルで短めな映画でありながらも、内容の濃いエンタメ作品だと思います。
昔を知るファンは間違いなく納得するであろう「そう、メル・ギブソンはこれだよね!!」という魅力がとにかく素晴らしいんです。
立派に蓄えた髭、衰えはありつつも未だに強靭な肉体、そして言わずとも語る広い背中。
(*´Д`)ハァハァ
子供の為に戦う父親はやはり最高にカッコイイっすよ。
サクッと観れる良作です。
ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。