1990年~1994年
作者:うすね正俊
スーパージャンプ(集英社)
全4巻
現在「砂ぼうず」を絶賛休み休み連載中。
サイバーパンクとグロ系、武器や兵器の描写で超絶画力を誇る漫画家・うすね正俊氏によるSF漫画です。
独特の感性によるクリーチャーの造型、切れ味鋭く深みのあるストーリー性は極めて魅力的なもの。
現代の漫画とは一線を画す描写は非常に素晴らしく、何とも言えない中毒性があります。
さっくりあらすじ(ネタバレ)
霊能力者の水野青子は深夜の修行中に2匹の「鬼」を目撃する。
人の魂を喰らう鬼のような異形の生命体(eater)の黒丸とその息子、紅丸は親子でありながらも争い、青子の助力もあり黒丸を倒すものの、後に紅丸は姿を消した。
それから1年、幾谷で別の鬼・火途馬との戦闘中に青子と紅丸は再開。
青子自身が鬼に狙われていることを知り、青子と紅丸は一緒に暮らし始める。
闘いが激化していく中で、”鬼師”と呼ばれる富永は500年もの間眠りについていた戦闘用鬼「信乃」を復活させ紅丸を追う。
富士見町のガスタンク爆発を巻き込み、壮絶な戦いの末に勝利をもぎ取った青子と紅丸。
しかし「平和」と呼ばれた時代の最後の夏は、すぐそこに迫っていた。
圧倒的な画力で描かれる登場人物
どれもカッコいいのよ
内容が濃い
霊魂のような概念に始まり、重火器や破壊兵器を用いた迫力ある戦闘、そして続きが気になりまくるエンディング。。
とても万人向けとは言えないですが、ハマる人はとことんハマる、スピリチュアルなSFは相当に見応えがあります。
のめり込む緻密に練られたストーリー展開や、スピード感と迫力に溢れる戦闘シーン、そして容赦無い残酷な描写などなど、気が付けば中毒性の高いうすねワールドの虜になるでしょう。
作者のうすね正俊は「こち亀」のアシスタント(主に車とバイク担当)をしていたという有名な逸話があります。
とにかくクリーチャーと重火器の造詣が異常に深く、独特ではありますが圧倒的に強烈な画力を誇っているんです。
この辺りのテイストは現在連載中の「砂ぼうず」にも生かされています。
それ故に遅筆で有名な先生でもあるわけですが、でもこのクォリティでポンポン出すのはやはり無理がありますね。。
まとめ
戦争兵器と霊能力を組み合わせる、正にSFな作品。
「ジョジョの奇妙な冒険」のようにクセのある絵柄ではありますが、全4巻と短くスパッと終わる物語です。
一度は読んでほしい作品です。
ぜひ一度ご拝読くださいませ。