EMMA エマ 人工警察官


(原題:EMMA)
2016年/フランス
上映時間:116分
監督:アルフレッド・ロット
キャスト:パトリック・リドレモン/ソレーヌ・エベール/スリマン・イェフサー/サブリナ・セブク/バネッサ・ラール/他

 




 

超優秀なアンドロイド警察の活躍を描くSF・サスペンス。

人間離れした情報量や記憶力や計算能力を有する人工知能を、刑事として働かせてみたユニークな作品です。

基本的にフランス産の映画(特に文学作品)はあまり性に合わず、ちょっと敬遠気味だったのですが、たまには良いものですな。

前後編というか、2本立てな作品だと思ったら元々はTVドラマだったそうな。

非常に内容深く、興味深い作品だったので全12話くらいでやって欲しいと思うくらい面白かったです。

 

 

 

 

さっくりあらすじ

フランス警察の警部・フレッドが率いる捜査チームに、新人研修性のエマが配属された。

容姿端麗なエマに戸惑うフレッドだったが、エマの圧倒的な知識量と正確無比な分析力に加え、常人離れした身体能力に驚かされる。

しかし、エマの人としての感情の希薄さに疑念を抱いたフレッドは独自に調査を開始。

すると、エマは3か月前に既に死亡していることが判明するのだが、、、

 

 

 

 

優秀な刑事のフレッド

 

彼のチームに加わるエマ

 

二人三脚で事件解決

 

 

 

 

 

エマ☆LOVE

言うてもね、下賤な1人のオスの感情として、とにかくエマが可愛いのなんの。

邦題ですでに「人口警察官」と銘打ってあるわけあって、全く隠す気の無いエマの正体ですが、とにかくその魅力に悶絶します。

正確な情報で捜査を助け、高い計算能力で可能性を割り出し、どんな些細な情報でも瞬時に見分けるエマ。

そのくせ説明が回りくどく意見は直球勝負、純真無垢というよりは重度の世間知らずのようで、それがまた微笑ましいわけですよ。

 

演じるソレーヌ・エベールはモデルとしても活躍しているそうですが、主役を務めるのは本作が初めてなんだとか。

高い演技力を発揮しているとは思いませんが、その美しいビジュアルと、彫刻のようなクールな表情が実にハマり役。

かの「ターミネーター」のシュワちゃんの如く、非常に魅力の溢れるロボットっぷりです。

 

 

物語としては、事故で亡くなった女性警察官がアンドロイドとして復活し、テストも兼ねて現場に出してみるという流れ。

一応はSF・サスペンスではあるものの、極めて地味な女性版「ロボコップ」だと思えば大体合ってます。

 

被害者の詳細な情報まで瞬時に読み取り、事件性を確率(%)で分析し、いくら事件の解決のためとはいえ些細な不正もいちいち取り上げるエマ。

また人の感情を理解していないため基本的な礼儀や配慮に欠ける反面、誰に対しても真摯で誠実な態度に非常に好感が持てます。

 

対するフレッドはエマのアドバイスに耳を傾けながらも、自分の直感と信念を疑わない男。

確率論よりもチームでの推理を重視し、大きな悪を逮捕するためには多少の嘘も必要だと考えます。

根は優しく、面倒見が良く(部下の管理能力を買われてエマが派遣された)、美人なエマとの仲を訝しげる奥さんに気を揉むなど、こちらも等身大の魅力的なおじさんですな。

そんな叩き上げのベテラン刑事・フレッドと、経験は無いけど博識なエマとの掛け合いが最大の見所と言って良いでしょう。

 

また、映画のメインストリームとなり得るような特異な事件ではなく、実際に世の中で起きそうなリアルな事件の捜査を描いたのも特徴的。

世間で溢れかえるような殺人事件の1つとはいえ、少ない証拠や状況から推理を組み立て、実際に犯人逮捕に至るまでの描写は素直に面白いものです。

天然可愛い(く見えるアンドロイド)エマと頑固そうなフレッドが絡むユーモラスなシーンと、状況が緊迫するシリアスなシーンとのバランス感覚も秀逸ですね。

 

 

あとはね、しつこいですけど、とにかくエマが可愛い。

相手が感情の無い機会だと分かってはいるものの、真顔の中に見え隠れする微笑みは何とも魅力的なもの。

実際にあらゆる分野で超スペックを誇るだけに、十分に恋愛対象になり得る完成度のアンドロイドというものはちょっと怖い気もしますが。

あらゆる経験を共有し、最終的にフレッドが下す判断にも少し考えさせられるものがあるのかもしれません。

 

 




 

 

まとめ

いざ観終わってみれば非常に面白かったと感じる一方で、若干の物足りなさも否めません。

 

やはりTVドラマをくっつけただけの作品ですし、映画としての括りで考えれば多少の見劣りは仕方のないところでしょう。

むしろ、これだけ面白い作品を作る手腕があるのであれば、ドラマシリーズとして取り組んだ上での映画化でも良かったんじゃないかなと。

色々と事情があっての2話構成なんでしょうが、まだまだ伸びしろを感じる作品だけに勿体なく感じますね。

 

よってドラマ以上、映画未満と言ったところでしょうか。

観る価値は十分にありますが、レンタルしてまで観るものではないかもね。

休日の午後とかに放映して欲しい系なヤツですね。

 

良ければ一度ご鑑賞くださいませ。

 

 

 



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