
(原題:Ghostbusters)
2016年/アメリカ
上映時間:116分
監督:ポール・フェイグ
キャスト:クリステン・ウィグ/メリッサ・マッカーシー/ケイト・マッキノン/レスリー・ジョーンズ/クリス・ヘムズワース/他
1984年公開の名作映画「ゴーストバスターズ」のリブート作品。
当初はシリーズ2作品に続く3作目として直接的に関連付ける予定だったそうですが、過去作で中心人物・イゴンを演じたハロルド・ライミスが亡くなったことにより大幅な変更が加わることになりました。
監督も過去作を手掛けたアイヴァン・ライトマンからポール・フェイグへと変わり、事実上の新作と言っても差し支えないでしょう。
ちなみに過去作に出演したメンバーはちょいちょいカメオ出演しており、旧作ファンにはニヤリとさせられる演出が嬉しいところですね。
さっくりあらすじ
ニューヨークに現存する古い屋敷で、かつてその屋敷で死んだ女性のゴーストが出現し、ツアーガイドの男性が襲われる事件が発生。
コロンビア大学の物理学者エリン・ギルバートは終身雇用の審査を目前にしていたが、以前手掛けたオカルト本「過去からの幽霊」を頼りに屋敷の調査依頼をされる。
そんな胡散臭い本を出版していたとなると審査に響くと焦ったエリンだったが、古い親友であり共同執筆者でもあるアビーにより容易にネットで買える状態になっていた。
エリンは自身の将来を考え、ビギンズ科学大学で研究をしているアビーの元を訪ねるのだが、、、
新・ゴーストバスターズ!
受付として就職したケビン
雷神様じゃないよ
懐かしのゴーストも登場
興行的な失敗
先に言っておきますと、内容の賛否はともかく想定していたほどのヒットは得られなかったようで、製作費+宣伝広告費を差し引くと一説には約70億円ほどの赤字になったとかならないとか。。
製作の発表時には往年のファンからは待望の声が盛大に上がりましたが、女性4人が主人公と言う大胆な転換は好意的には受け取られず、この時点で失望の声の方が上回っていたように思います。
興行成績が作品の魅力とイコールではないと断言はできるものの、単体作品ならともかく27年ぶりのシリーズ作品の壁は厚かったということでしょうね。
映画は本当に難しい匙加減ですな。
とはいえ、いち作品として観れば決して内容が悪いわけでもなく、色々と細かな不満はあれど及第点な出来ではあると思います。
なんだったら2作目、3作目があっても良いと思えるくらい。
恐らくは30代中盤くらいであろう4人の女性、女子でもなければおばさんでもない絶妙なエイジングはなかなか魅力的ですし、物語の設定としても説得力はありますよね。
これが20歳そこそこの綺麗な姉ちゃんだったら薄っぺらいし、40~50代の中年女性だけだとちょいと華が足りないですよね。
決して美人ではないけれども不細工なわけでもない、その上で表現力が豊かな4人の女性は個人的には魅力十分でしたよ。
ちなみに4人が4人とも派手さは無くとも地道なキャリアを重ねてきた実力派の女優&コメディエンヌであり、その存在感や演技力は秀逸です。
ついでにオマケ的な存在で謎の出演を果たした”マイティ・ソー”ことクリス・ヘムズワースも絶妙に残念なイケメンキャラで個人的には好きでしたね。
ハンサムな風貌と鍛え上げられた肉体、しかし頭は空っぽ以下というなかなかの役ですが、雷神様とはまた違う魅力は健在です。
ただし、コミカルな演出が良くできているかと言われれば決してそうでもなく、狙ったお笑いポイントは全体的にスベり気味な印象。
面白いは面白いんですが、狙いが見え見えだったり演出がしつこかったりと、ちょっとコメディ目線では厳しい評価にならざるを得ません。
骨太な脚本ありきで脇道の笑いが散りばめられるのは素敵な演出なんですけど、ちょっと全体的に意図した笑いがズレている感覚がありますかね。
何とも表現が難しいのですが、大爆笑なポイントが無かったのは少々残念だったかな。
あとはゴーストバスターズといえばプロトンビーム、プロトンビームといえばゴーストバスターズと言えるくらいの代表的なガジェットですが、その存在感が薄かったのが寂しいところ。
新たな試みとしての新武器の挑戦は分からんでもないですが、明らかにプロトンビームよりも強力&有用な武器に見えますし、旧作ファンとしての否定的な意見はこの辺りも大きいのではないかと思います。
まとめ
興行的には微妙な結果に終わり、ネガティブな意見が多数あった本作ですが、それでも個人的には結構面白かったです。
節々に不満が散見するものの、それを補って余りある新たなゴーストバスターズだと思えば全く気になりませんし、何より戦う女性の姿、最新の映像で描かれる対ゴースト兵器には素直に興味を惹かれます。
往々にして古い作品のリブートというものは博打的な要素が大きいものですし(スターウォーズ観てれば分かるよね)懐古主義も悪くは無いですが、新たな物語を受け入れる素直さも大事なんじゃないかなと。
長く忘れていたドキドキ感に溢れているようにも思いますし、願わくば続編も観てみたいなと思わせるポテンシャルはあると思います。
ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。