(原題:The Golden Child)
1986年/アメリカ
上映時間:93分
監督:マイケル・リッチー
キャスト:エディ・マーフィー/シャーロット・ルイス/チャールズ・ダンス/ヴィクター・ウォン/ランドール・コッブ/ジェームズ・ホン/他
エディ・マーフィー主演のオカルト系SFアクション。
幼い頃に観て感銘を覚えたような記憶はあるんですが、いかんせん脳みそがポンコツなもんで、久しぶりに見ると色々と感じることも多かったように思います。
黒人としてスターダムの階段を上り、ブイブイ言わせ始めた頃のエディ・マーフィーのコミカルな演技が見所で、良くも悪くもベタベタな演出には妙な安心感を覚えます。
あらゆる面で古臭い作品だとは思いますが、作り手の情熱やアイデアを感じられる良い映画だとも思います。
さっくりあらすじ
チベットにはゴールデン・チャイルドと呼ばれる超常的な力を秘める少年がいるが、邪悪な存在であるサードが寺院を急襲しチャイルドは連れ去られてしまう。
ハリウッドで探し屋を営むチャンドラー・ジャレルはTVに出演し行方不明の子供の情報を呼び掛けると、放送を見ていた女性キー・ナンが彼の元を訪れて来た。
ナンは世界を救う運命を持つチャイルドが誘拐され、また預言にてチャイルドを連れ戻す者がジャレルであると訴えるがジャレルは全く取り合わなかった。
数日後、ジャレルが捜していた少女が遺体で発見され、ジャレルは現場に遺された怪しげな印に気づく。
再び現れたナンが印はチャイルドを閉じ込める為のものだと説明し、少女を殺したのもチャイルドを誘拐したのも、同じ犯人の仕業だと言うのだが、、、
”奇跡の力”を持つチャイルド
悪の結社に囚われ中
”預言”でチャイルドを救うはずのジャレル
お調子者だけれども賢い
予言者・カーラ
子供にはトラウマ
古き良き演出
とにかくベラベラとよく喋るエディ・マーフィーのキャラクター性と、ヒロインを演じるシャーロット・ルイスの魅力、そして当時は恐らく最先端だったであろう特撮が見所となります。
ついでに80年代のレトロなアメリカンの雰囲気もなかなか興味深いところではあります。
常に余裕な態度を崩さず、チャラチャラしつつもやる時はやる探偵・ジャレル。
特別優れた力を持つでもなく、やや喧嘩が強いくらいの一般人ですが、そんな等身大の男性を演じるエディ・マーフィーの存在感が良い意味で発揮されています。
何せ普通の人間ですからね、力では絶対に敵わない悪の存在を相手に、口先だけでやり込める演技は正に彼の得意とするところでしょう。
普段はいい加減でスケベな若者ですが、マジになった時の顔つきなんかもメリハリがあって良いですね。
些細なことですが大事なエッセンスです。
対照的に、超がつくほどに真面目で笑顔を見せない謎の女性・ナン。
このシャーロット・ルイスがとにかく可愛くてね、現代風な美人とは異なりますがエキゾチックな魅力に溢れています。
このチグハグなコンビの掛け合いと、やがて惹かれあっていく2人のロマンスは実に王道的。
特にナンのちょっとしたサービスシーンや、奥手なりにジャレルに惹かれていくツンデレっぷりはハマる人にはハマります(マジで)
古い作品だけに単純で、ぶっちゃけ物語としては特筆すべきことは無く、世界の救世主を助けに行くちゃらんぽらんな探偵の物語といったところ。
あまり詳しく言及されていないので、よく分かりませんがチャイルドは神秘的な力を秘める奇跡の少年という立ち位置で、とにかく世界を救う存在のようです。
本当にチベットで撮影したのかどうかは分かりませんが、よくある”アメリカ人視点のアジア”な演出も個人的には結構好きです。
あとは、チャイルドが可愛いんだ、コレが。
奇跡の力を有する超常的な存在ではありますが、ツルツル頭にクリクリな瞳に、一流なマルコメくんといった感じで愛らしいマスコットですな。
まとめ
良くも悪くも単純な脚本と、現代では明らかに見劣りする特撮と、総じて面白い映画とは言えないかもしれません。
それでもエディ・マーフィーならではのコミカルな演技、シャーロット・ルイスの魅力、チャイルドの愛らしさ、そして分かりやすいハッピーエンドと、イメージ通りの安定感には優れていると思います。
特に30代後半から40代の方からすれば懐かしさで笑みがこぼれるようなシーンも多いですし、懐古的に一度は観て損は無いでしょう。
良ければ一度ご鑑賞くださいませ。