ハッピー・デス・デイ2U


(原題:Happy Death Day 2U)
2019年/アメリカ
上映時間:100分
監督:クリストファー・B・ランドン
キャスト:ジェシカ・ローテ/イズラエル・ブルサード/スラージ・シャルマ/サラ・ヤーキン/ルビー・モディーン/レイチェル・マシューズ/他

 




 

前作はコチラ

死のループから抜け出す為に奔走するサスペンス・スリラーの第2弾、まさかの続編です。

基本的には同じようなプロットをなぞる本作ですが、前回よりも理論的にループを紐解き、何が起きているのかが具体的に描かれます。

並行して主人公・ツリーの心の成長やロマンスの行方などが色濃く描かれ、より深みのあるドラマ性も見所です。

 

軽い口当たりで後味スッキリ、なかなかの良作ではないでしょうか。

 

 

 

さっくりあらすじ

9月19日、車の中で目を覚ましたライアンが寮の自室へ戻ると、ルームメイトのカーターと彼女のツリーがイチャついている場面に出くわした。

部屋から追い出されたライアンは量子反応炉の実験を試みるが、電気トラブルを引き起こした経歴のせいで学部長から実験の中止を言い渡されてしまう。

意気消沈したライアンの携帯に何者かが撮影したライアンの写真が転送され、すぐ近くにいると悟ったライアンは犯人を追いかけるのだが、、、

 

 

 

 

ライアンが作った量子反応炉
タイムループを引き起こす原因

 

作った張本人は何故か
殺される羽目に

 

再びタイムループを繰り返し
ツリーは天才と化す

 

 

 

 

1を観てから

同じ舞台、同じキャスト、そして同じサスペンス・スリラーという、同じ内容でありながらもここまで作品を変えられるランドン監督の手腕には脱帽ですな。

上手いこと繋がった続編であり、1作目を観てからの方が間違いなく楽しめますので、まずは1作目を観ましょう。

同じ日を繰り返す物語だけに景色も登場人物もほぼ同じであり、各キャラクターに対する思い入れもより強くなるものですが、今回は並行世界がテーマだけに前作とは打って変わったキャラ変もユニークで良いエッセンスだと思います。

 

ただし、続編ならではの劣化感も無いとは言えず、ドラマ性を足した結果サスペンス性は薄れた印象。

謎を解く過程の中に隠れたユーモアがあった前作に比べ、今回は分かりやすいコミカルな演出と感動を誘う演出が多いんですな。

1作目と2作目、毛色が違うのは仕方ないものではありますが、前作と同じノリを期待していると微妙な違和感はあるのではと思います。

 

しかし、そんな不穏な空気を一変させるのが主人公・ツリーを演じるジェシカ・ローズの圧倒的な存在感。

前作の体当たりではっちゃけた演技は実に素晴らしいものですが、今回も負けじと素晴らしい演技で映画を盛り立ててくれますし、ちょっとおバカな純真ビッチ(意味不明)を演じさせたら相当なものだと思います。

もはや貫禄を感じる程に完成したビッチとしての演技力は本当に素晴らしく、怒りと恋心の狭間で思い悩む純粋っぷりが可愛くて悶絶もの。

前も思ったけど運動神経が悪そうな走り方が愛らしいよね(ツボがおかしい)

 

そんな彼女が何度死んでも体を張り続ける姿は素直に応援したくなるものですし、今回に至っては悪ノリで死にに行くイカレっぷりも実にユニーク。

ホラーでスプラッタなネガティブさは皆無であり、むしろどういった演出で死んでいくのかが興味深いという、実に不謹慎な魅力が溢れているわけです。

もはやスリラーとしての体はなしておりませんが、こういった明るく楽しいスリラーもたまには良いものですよ。

 

 




 

 

まとめ

ホラー映画やスリラー映画として考えれば実に微妙な作品だと思いますが、タイムループなSFものだと思えば至って普通に面白い仕上がりです。

前作がインパクトのある完成度だっただけに、それをなぞった続編路線だったら駄作になり得ただけに、むしろこの判断は妥当なところだと思います。

真面目に観るような映画ではないですが、多元的並行世界を背景に描かれる微妙な名言の数々もやんわりと印象に残りますし、総じて涙あり、笑いありの良作だと言えるでしょう。

 

ビッチなツリーがまともに成長していく様が何より微笑ましいですな。

ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。



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