
(原題:Hostel)
2005年/アメリカ
上映時間:94分
監督:イーライ・ロス
キャスト:ジェイ・ヘルナンデス/デレク・リチャードソン/エイゾール・グジョンソン/ヤン・ヴラサーク/バルバラ・ネデルヤコーヴァ/他
変態映画監督タラちゃんことクエンティン・タランティーノが製作総指揮を務めたスプラッタ・ホラー映画。
ほとばしるおっぱいエロス、飛び散る血飛沫、極めて基本に忠実でオーソドックスなスプラッタだと思います。
狂気的に渦巻く人間のどす黒い恐怖、粘性を感じさせる鮮やかな血生臭さ、そして若干の爽快さを感じさせるエンディングなどなど、この手の映画のお試しとしてはかなりの良作ではないでしょうか。
さっくりあらすじ
アメリカ人学生のジョッシュとパクストンは気ままなヨーロッパ旅行の最中、意気投合したアイスランド人のオリーも加わり、大麻を吸い、ナンパに明け暮れていた。
夜遊びに夢中になった3人はホステルの門限を過ぎたために締め出され、アレックスと名乗る男性の部屋に入れてもらうことに。
女性目当ての旅行だと告げるとアレックスは「良い街がある」と言い、彼が関係を持った美しい女性たちの写真を見せ、スロバキアのホステルを勧めてくる。
戦争で男が減ったために女性があり余っていること、その女性たちはアメリカ人を好むことに浮ついた3人は、さっそくスロバキア行きの列車へと乗り込むのだが、、、
女性目当ての旅行に来た3人
ちょっとうらやましい
辿り着いたスロバキアのホステル
実にうらやましけしからん
しかし、徐々に不穏な空気が漂い始め、、
”痛み”と”快楽”
まずは、かなり過激な作品です。
ホラーのテイストをより際立たせるため、エロスとホラーの対比をくっきりとさせるのは基本中の基本ではありますが、一般的な生ぬるい作品に馴れている方だとそれなりにショックを受けるかもしれません。
要はヤリたい盛りのしょーもないメンズが女性を求め、スロバキアの地図に載らない秘境へと旅立つことから物語は始まりますが、もうおっぱい&おっぱい&おっぱいのオンパレード。
実際にあるならぜひとも行ってみたいところですが、貞操観念の欠片もない異常な場所で始まる作品として、そのおっぱいに集中(フォーカス)している時点で作り手の術中にハマっているわけですな。
ホラーである以上、まして拷問系のホラーである上で”痛そうな描写”は避けられないものであり、その演出を際立たせるためのおっぱいの数々は薬となるか、毒となるか、、
また豊かなおっぱいを披露してくれる東欧系ビッチたちも非常に魅力的でして、特別美人だとは思いませんがビッチ特有の色気ある魅力は堪りませんなぁ、、、ふぅ。
総じて、ホラーとしての演出は基本に忠実、極めてオーソドックスなものであり、良い意味で初心者向けな作品だとも言えるでしょう。
捕捉しておくと、本作に於いての恐怖とはスプラッタな演出ではなく、イケイケな東欧美女たちの姿にあります。
男の夢を再現したかのようなヌーディスト・スパや乱れに乱れたナイト・クラブ。
こんなにすんなりと良い雰囲気でベッドインできるという男の夢をそのまま描いたような演出ですが、時間が経つにつれ変化が表れます。
男性の分からない言語での会話、露骨な目配せ、ニコニコしていても感じる疎外感というのは常に不安を煽るものです。
まして行きずりとはいえ関係を持った女性に対し、ある種の独占欲を持つのは至って普通なことであり、そんなメンズの気持ちを拒絶するかのような温度差は結構メンタルにくるものがありますね。
その上で予想を遥かに上回る企みがあると思い知った時の恐怖感や絶望感はグサグサと胸に刺さりますし、良い意味で女性の怖さを体感できるのではないでしょうか。
が、盛り上がりは事実上ここまでで、あとは単純なスプラッタの連続です。
生首・解体・医療機器の数々にチェーンソーなど、予想し得る範囲内での拷問なので特筆すべきものはありません。
強いて言えば同じく捕まった日本人女学生には目を背けたくなるようなシーンもあり、見応え?はあるのかもしれませんが、筆者もスプラッタ初心者なんで結構つらかったっす(泣)
何より拷問自体にあまり意味が無いせいか、痛そう、苦しそうとは思ってもあまり恐怖は感じづらいのが正直なところ。
人間の狂気を描くにしても、そもそもの拷問部屋の存在意義が微妙なのでなおさらね。
まとめ
怖いかと聞かれると正直なところ微妙な印象です。
ただ直視し難い迫力はあるので、スプラッタ映画としては及第点でしょう。
先述したようにエロスとホラーの対比は極めてくっきりと分かりやすく、映画としての完成度は高いんじゃないかと思います。
ジャンルがジャンルだけにとてもオススメできませんが、暑い夏のひと時を感じるには悪くはないでしょう。
よければ一度ご鑑賞くださいませ。