(原題:The Last Boy Scout)
1991年/アメリカ
上映時間:105分
監督:トニー・スコット
キャスト:ブルース・ウィリス/デイモン・ウェイアンズ/チェルシー・フィールド/ダニエル・ハリス/ノーブル・ウィリンガム/ハル・ベリー/他
ブルース・ウィリス主演、ビリー隊長(ビリー・ザ・ブートキャンプ)と売れる前のハル・ベリーも出演した懐かしいアクション映画。
80~90年代は多くのアクション・スターによる大作が量産され、大味ながらも豪快なアクション映画が次々と公開されていた時代になります。
かの大ヒット作「ダイハード」で、一躍スターになったブルース・ウィリスを主演に迎えた本作もまた然り。
生々しいアクションと下品な言葉のオンパレードでもあり、かつて日曜洋画劇場で放映されていたのも懐かしい思い出です。
現代の放送コードでは恐らく許されないであろう、ダークヒーローの姿はなかなかに魅力的ですよ。
数々の映画に出演するブルース・ウィリス作品の中でも、個人的にはオススメな映画です。
さっくりあらすじ
アメリカン・フットボールの試合中、劣勢のロサンゼルス・スタリオンの花形選手・ビリーには勝利を要求する脅迫電話が掛かってきており、正気を失ったビリーは銃を乱射し、とうとう自らの命も断ってしまった。
私立探偵のジョー・ハレンベックは、かつては大統領の危機を救ったこともある優秀なシークレット・サービスであったが、現在は酒と煙草に溺れる自堕落な日々を送り、家族関係も崩壊寸前の日々を送っている。
ジミー・アレクサンダー・ディックスは賭博が原因でフットボール界から追放され、妻子も亡くし麻薬に溺れる自堕落な日々を送っていた。
そんなある日、ジョーは友人からの依頼でダンサーのコリーの警護を務めることになるが、何者かの襲撃を受けコリーは殺されてしまう。
コリーの恋人であるジミーと共にジョーは捜査を開始、やがてフットボール界に潜む組織の存在が明らかになるのだが、、、
落ちぶれた私立探偵・ジョー
同じく落ちぶれたジミーと捜査に乗り出す
ジョーの娘・ダリアン
やる時はやる子
これぞハードボイルド
酒・煙草・私立探偵と、ハードボイルドの三種の神器を備えたブルース・ウィリスの魅力が堪りません。
「ダイハード」のような正義感の強いアンラッキーな刑事も素敵ですが、無精な影を感じさせる役こそが彼の真骨頂な気がします。
このだらしなさ、自堕落な雰囲気、ヨレヨレな汚れ方など、こういったエッセンスをさりげなく盛り込む演出は素晴らしいものです。
この世代はシュワちゃんとかスタローンとか、完成された肉体美を駆使するようなアクション・スターが重宝される全盛期でしたが、そういった肉体派とは一線を画す存在感はやはり”俳優”だなと痛感させられます。
物語としてはいわゆるバディ・ムービーなものであり、事件に巻き込まれた主人公が社会に潜む巨悪に挑むというもの。
ぶっちゃけ場当たり的な展開であり、話の整合性はあるんだか無いんだかの微妙なところ。
ブルース演じる探偵・ジョーの異常なパンチ力、迫力あるアクションシーン、次々と飛び交う粋で下品な言葉の数々、本作を彩るのはそういった要素です。
嫌な言い方をすれば中身の無い作品だとも言えますが、そんなもんアクション映画に求めるものではないよね。
やはりハードボイルドな雰囲気と、それに準ずる大味で爽快なアクションを楽しむのが正しいと言えるでしょう。
結局「ダイハード」とカブるんですけどね、、でも個人的にはコッチの方が好きかなぁ。。
まとめ
インパクトのあるプロローグで巨大な組織を匂わせ、尊厳を無くした落ちこぼれが立ち上がり、豪快に巨悪を倒す分かりやすい作品です。
良くも悪くもブルース・ウィリスの独壇場なので、「ダイハード」でお腹いっぱいな人には退屈な作品かもしれません。
しかし繰り返しになりますが、このハードボイルドっぷりは本作独自のものであり、落ちぶれたヒーローが悪を倒すカタルシスはなかなかのものです。
特に終盤、激闘を終えカッコ悪いステップで踊るジョーの姿は何とも微笑ましく、不器用な男なりの頑張る姿は非常に印象的であり、本作のエンディングに相応しい良い終わり方だと思います。
あと、若かりしハル・ベリーも出演しているので、好きな方はどうぞ。
ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。