(原題:Lost in Space)
1998年/アメリカ
上映時間:131分
監督:スティーブン・ホプキンス
キャスト:ウィリアム・ハート/ミミ・ロジャース/ヘザー・グレアム/レイシー・シャベール/ゲイリー・オールドマン/マット・ルブランク/他
1965年からアメリカで放映されていたTVドラマ「宇宙家族ロビンソン」のリメイクとなるSF・アドベンチャー。
ちなみに翌1966年からは日本でも放映されていたそうな。
そのまんま宇宙冒険譚であり、またドラマ性ありの娯楽作品ではありますが、色々と消化不良な内容のせいか興行的には振るわず、当初予定されていた続編の話は無くなってしまったそうです。
特別面白いわけではないですが、つまらないわけでもなく、特に印象に残るものも無い。
正に教科書通りのポップコーンムービーと言えるでしょう。
さっくりあらすじ
2058年、地球の資源は枯渇し、地球連邦軍は宇宙への移住を考えアルファ・プライム星の植民地化のため、ジュピター号発射準備を進める。
ジュピター号の搭乗員はジョン・ロビンソン教授とその家族、そしてパイロットのドン・ウェスト少佐を乗せ、ハイパー・ゲートの建設に着手する。
しかし抵抗勢力のスパイ・Dr.スミスの破壊工作により一行は太陽の重力に捕まり、太陽への突入を避けるためにハイパー・ドライブを起動、未知の銀河へと出てしまうのだが、、、
宇宙探索の旅に出る一家
アクションシーンはそこそこの見応え
悪役は安定のゲイリー・オールドマン
残念なチグハグさ
随分前の古いSF映画でありながらも、かなり予算をかけたであろう壮大なCGはなかなかのもの。
さすがに現代の作品と比べれば見劣りするでしょうが、現代の感覚で観てもそれなりに見えるほど高いレベルだと思います。
むしろこれだけ立派な映像・演出を誇るだけに色々と残念なところに目がいってしまうのが皮肉なところですな。
そもそも破綻した家族を再生させる家族愛のドラマなのか。
それとも未知の宇宙での冒険譚を描いたアドベンチャーなのか。
そのあたりがハッキリせず、恐らくは続編ありきで製作されただけに、不完全燃焼な終盤は本当に残念な出来と言わざるを得ません。
節々で見られる謎も無理やりねじ伏せた感があり、微妙にスッキリしないところもマイナス。
とはいえSF娯楽作品としての面白さに欠けているわけでもないので、余計にもったいなく感じます。
基本はアドベンチャー寄りなので仕方ないところですが、数少ないアクションシーンはそれなりに見応えがあり、ハラハラドキドキの展開です。
本作で現れるクリーチャーは全般的に無機質で金属っぽく、独特な形と大量に出現する数も相まって何とも言えない不気味さがあります。
そしてそんな気味悪い大群を相手に奮闘するドン少佐と天才少年・ウィルの姿はアイデア的にも面白く、本作一番の見所と言って良いでしょう。
そんな作品なので特筆するべきものに欠ける中、唯一存在感を発揮しているのがゲイリー・オールドマン演じるDr.スミスの存在。
もう最初から最後まで悪役感たっぷりであり、小物臭もたっぷりでお約束的な立ち位置のキャラクターですが、彼のおかげで物語に締まりがありますね。
最近は善人キャラも板についてきた感がありますが、ゲイリー氏の本領発揮はやっぱり悪役でしょう。
まとめ
続編に辿り着けなかった一抹の寂しさは漂いますが、いち映画として観ればそこそこに観れる娯楽作品です。
序盤の目的は消え失せ、展開が進むに連れて投げっぱなしジャーマンな内容ではありますが、そんなにガチで観るような映画ではないですし、目くじら立てるようなものではないでしょう。
とりあえずテンポ良く進む映画なので、特に観たい作品が無い時にはうってつけの作品です。
幼い子供がいる家族ムービーだと思えば、そんなに悪くないでしょう。
よければ一度ご鑑賞くださいませ。