
(原題:Ong Bak:Muai Thai Warrior)
2003年/タイ
上映時間:108分
監督:ブラッチャヤー・ピンゲーオ
キャスト:トニー・ジャー/ペットターイ・ウォンカムラオ/プマワーリー・ヨートカモン/ルンラウィー・バリジンダークン/スチャオ・ポンウィライ/チェータウット・ワチャラクン/ワンナキット・シリプット/チャタポン・ワンタナアンクーン
しつこいほどに宣伝されたキャッチコピー。
1、CGを使いません。
2、ワイヤーを使いません。
3、スタントマンを使いません。
4、早回しを使いません。
5、最強の格闘技ムエタイを使います。
を地でいってる、タイのトンデモ映画です。
当時はあまりの斬新さと無謀さで、かなり話題になっていたように思います。
これは結構ご覧になった方も多いのではないでしょうか?
派手さを追求するあまり、映像処理に頼りきっていたアクション映画界。
そこにある種の革命をもたらしたであろう映画と言っても過言ではないでしょう。
主演のトニー・ジャーは全盛期のジャッキー・チェンを越えたとさえ評され、一躍世界レベルのアクションスターの仲間入りを果たしました。
個人的にジャッキー・チェン、サモハン・キンポー、ユン・ピョウ、少し遅れてジェット・リーと。
永らく不在だった、新たなアジアン・アクションスターの誕生だと感じました。
しかもカンフーではなくムエタイで。
さっくりあらすじ
タイのとある村で、仏教徒の寺院に祭られていた信仰の象徴である仏像の頭部が盗まれてしまう。
村人たちが悲観に暮れる中、村のムエタイ戦士であるティンは仏像を取り戻すために村から旅立つのだが、、
、
ムエタイは立ち技最強の格闘技です。
誰が相手だろうと、このヒジ
そしてヒザで蹴散らします
究極の体術をご覧あれ!
とにもかくにも、トニー・ジャーに注目。
ストーリーやキャラ設定なんかを求めることすら蛇足であり、全ては彼のアクションを生かすためのスパイスでしかありません。
ジャッキー・チェンのような馬鹿げた(褒め言葉)スタントこそありませんが、常識的に考える人間の身体能力の限界を軽く突破したような、超人的な動きは度肝を抜かれます。
ムエタイは立ち技最強だとよく言われますが、その意味が分かるような圧倒的な迫力です。
映画で用いられるのは競技としての格闘技ではなく、どちらかと言えばマーシャルアーツ寄りな感じ。
敵役のスタントマンたちもメチャクチャ身体を張ってますし、ストリートファイトにもしっかり順応して迫力ある戦いを見せてくれます。
まぁ映画としての完成度は、、、やはりタイの映画ですよね!って感じではあります(笑)
悪役たちのキャラ設定とか、チンピラ程度の人たちをガチで殺りに行く姿勢はやや大袈裟に感じます。
ついでに強烈な敵としての魅力に欠けているせいか、トニー・ジャーのすごさが逆に少し浮いてしまっている気もします。
エンタメとしては戦うにあたり、もっとふさわしい敵や理由が欲しかったかな、と。
そういう点で比べるとやはりジャッキー・チェンに軍配が上がりますねー。
面白い構成や見せ方がよく分かっていて、映画としての作りが上手なんです。
でもこの辺はトニー・ジャーではなく監督、脚本の差ではありますが。
とにかくこれほどの逸材を、タイに埋もれさすのは本当に勿体ないですな。
いつかハリウッドで活躍できる日を楽しみにしております。
いやぁ、、ムエタイって凄いねー。
まとめ
余計なことをグダグダ言ってしまいましたが、そんな些細なことはどーでもいいんです。
単純で分かりやすいストーリーは万人向けなものですし。
勧善懲悪で娯楽的な作品であり、清々しいほどにシンプルなアクション映画です。
圧倒的な身体能力だけで人はすごく感動できるんです。
決して他には真似できない理由があります、観て損は無い映画です。
ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。
おまけ
一時仏門に入り俳優活動をお休みしていたトニー・ジャーですが、復帰後は「ワイルドスピードSKY MISSION」や「SKIN TRADE」などハリウッド映画にも参加しています。
彼の能力を100%活かしきるような素晴らしい作品が観てみたいですね。