メン・イン・ブラック


(原題:Men in Black)
1997年/アメリカ
上映時間:98分
監督:バリー・ソネンフェルド
キャスト:トミー・リー・ジョーンズ/ウィル・スミス/リンダ・フィオレンティーノ/ヴィンセント・ドノフリオ/リップ・トーン/他

 




 

スティーヴン・スピルバーグが製作総指揮を務め、ゴールデン・グローブ賞にも輝いた懐かしのSFアクション・コメディ。

 

タイトルとなる「メン・イン・ブラック」とは、アメリカでUFOや宇宙人に遭遇したと思われる人物を強制的に捜査する黒づくめの男たちを指します。

いわゆる都市伝説的な存在ですな。

そんな都市伝説や陰謀説をコミカルに描いたSFアクションとして、また痛快な娯楽作品として、古い作品ながらも非常に良く出来ていると思います。

 

 

 

さっくりあらすじ

メキシコ~アメリカ間の国境付近、国境警備隊がトラックの積み荷に隠れていた不法移民を見つけると同時に、黒いスーツを着た2人の男が現れる。

謎のエージェントが取り調べた移民の男はエイリアンであり、警備隊に見られたエイリアンは激昂するがエージェントにより始末された。

 

ニューヨーク市警のジェームズは逃走中の犯人を追いかけるが、犯人は不気味な瞬きを繰り返した後に高層ビルから飛び降り、自殺してしまう。

同僚に犯人はエイリアンだと主張しても聞き入れてもらえない中、”K”と名乗る男が現れ、地球には多くのエイリアンが居住し、彼らはそれを監視する職に就いていると伝える。

その後に記憶を消去されたジェームズは、渡された名刺に書かれた住所を訪れるのだが、、、

 

 

 

 

ニューヨーク市警のジェームズ
色々あって、MIBの試験を受けることに

 

で、そのままMIBに就職することに
新人の仕事は大変

 

記憶を消す装置”ニューラライザー”
これを持てれば一人前

 

 

 

 

 

都市伝説というアイデア

どこからともなく聞こえてきては、いつのまにか忘れ去られる都市伝説ですが、ジャンルは違えど日本にもこの手の話は色々とありますよね。

そういった都市伝説をコミカルにユーモラスに、実態の無い噂話をベースに肉付けされた物語はとても魅力的なものです。

いい加減なB級映画ではなく、考察を前提とした難解な映画でもなく、あくまで面白おかしい娯楽作品として作られた完成度は本当に素晴らしいと思います。

 

地球外生命体が何気なく世の中に溶け込んでいるという設定はありきたりながらも想像力を掻き立てますし、それを取り締まる捜査官がいるという設定にもロマンを感じます。

全身黒づくめ、プライベートを持たず他人と関わらず、影の中で活動するMIBという組織がカッコいいんですよね。

よくよく考えれば実際に就職するにあたって相当に悩みそうな気もしますが、現実社会との剥離<ロマンといった感じで、筆者も独身時代であればMIBに傾いたかもしれません。

 

 

物語としてのテーマは”世代交代”といったところでしょうか。

老いたベテラン捜査官が後継者となりそうな若者を見出し、彼にノウハウを叩きこむというプロットが軸になり、それに合わせて大事件が起きるといった感じ。

スタミナと勢いだけで突っ走る新人と、常に冷静で最後まで解決を諦めないベテランと、上手く噛み合うバディ・ムービーとしての側面も強めです。

 

また演じるウィル・スミスの明るくお茶目なキャラクター性と、気難しそうなトミー・リー・ジョーンズの仏頂面が非常に良い味を出しているんですね。

それだけに最後の”新人へのお願い”に深みが出るわけで、そんなにガチで観る映画ではありませんが、それなりに感動する名シーンだと思います。

 

 

あとはラスボスが虫型エイリアンの親玉なので、ちょっとだけ覚悟しないとキモいシーンもチラホラとあるのでご注意を。

当たり前ですが人間社会に溶け込んでいる以外の時は、もう見たまんまエイリアンですし、微妙に可愛らしい種から本当に気持ち悪い種までバラエティに富んでいます。

このあたりのデザインは特殊メイクの巨匠、リック・ベイカー氏の手腕が光りますね。

 

アカデミー賞の常連であり、数々の映画やミュージック・ビデオの特殊メイクを手掛けたベイカー氏ですが、残念ながら2015年に引退を表明しております。

キモいけど何となく可愛い、キモいんだけれども何とか見ていられる、そんな絶妙なバランス感覚を持つ職人芸は映画を支える重要なエッセンスですなぁ。

 




 

まとめ

テンポ良く、明るく楽しく、その上でハラハラドキドキとさせるような、好奇心と緊張感を刺激する完成されたエンターテイメントだと思います。

娯楽エンタメ度が高すぎるが故に、あまり記憶に残らないのもご愛敬(笑)

さっくり観れて、さっくり忘れるインスタントな作品だと言えるかもしれませんね。

 

内容と照らすとやや子供向けな演出が強めな気がしますが、大人でも十分に観れる内容でしょう。

ロマン溢れる設定に、ロマン溢れる武器の数々、そしてロマン溢れる改造車。

まさにロマンの塊のような映画です。

 

ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。

 

 

 



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