(原題:Pitch Black)
2000年/アメリカ
上映時間:109分
監督/脚本:デヴィッド・トゥーヒー
キャスト:ヴィン・ディーゼル/ラダ・ミッチェル/コール・ハウザー/キース・デイヴィッド/ルイス・フィッツジェラルド/クラウディア・ブラック/リアンナ・グリフィス/他
「ワイルドスピード」シリーズで有名なヴィン・ディーゼルの出世作として、知る人ぞ知るSFアクション。
宇宙最強と呼ばれる犯罪者・リディックのデビュー作になるわけですが、凶悪犯罪者と名高いリディックは普通にけっこう良いヤツなんですよね(笑)
広大な砂漠の惑星でのSFサバイバルかと思いきや、途中からはサスペンスにシフトチェンジ、そして最後はモンスターパニックと、目まぐるしく展開が変わります。
敵や脅威は誰なのか?
息をつかせぬ独特の緊張感に溢れています。
さっくりあらすじ
乗組員全員が冷凍睡眠中だった航海中の宇宙船に、極小規模な隕石群がぶつかり、船体に航行不能なダメージを負ってしまう。
助かるために乗客を切り捨てようとしたフライ、それを止めようとした船長は隕石の直撃で死亡してしまう。
結局船はそのまま惑星に不時着し大破してしまったが、助かったことを感謝する乗客たちにフライは罪悪感を抑えきれない。
そして生き残ったメンバーには脱獄犯のリディックがいた。
砂だらけの惑星には水も食料も無く、更にリディックの存在が皆の緊張を高めていく。
奇しくも22年ぶりにやって来る皆既日食が迫り、暗闇に紛れて謎の生物の脅威が彼らを脅かすのだが、、、
お尋ね者のリディック
刑務所で眼球交換を施し
暗闇でも目が見えます
光を嫌い、暗闇で活発になる謎の生物
クリーチャーデザインは秀逸
暗闇の恐怖
タイミング悪く(良く?)皆既日食が起こり、光が閉ざされた闇の世界が舞台になるわけですが、暗闇を動き回るクリーチャーの造型が素晴らしいですね。
プテラノドンとシュモクザメをくっつけたような、印象的でおぞましいビジュアルは、恐怖と生理的嫌悪を両立した秀逸なデザインです。
予算の都合上、大っぴらに映像として観れないのが少々残念ではありますが。
ちなみに普段は地下深くに潜っているため、怪物は光が苦手。
3つの太陽光に晒されるこの惑星では脅威にならない存在ですが、22年に一度の皆既日食がやって来たからさぁ大変。
また秘密を抱えた人物間に生まれる疑心暗鬼、それが明らかにされるにつれて築かれていく信頼関係など、直線的ながらもよく練られたストーリーはなかなかに見応えがあります。
ただ低予算映画にはよくある話ですが、ちょいちょい無駄に間延びするシーンが多いのは個人的にマイナス評価。
もう少しタイトに編集できる余白が見え隠れしますね。
まとめ
できる限り丁寧に作られたB級ホラーといった印象。
サスペンスあり、パニックあり、アクションありと、展開が複雑ながらも上手いことバランスが取れています。
予算の問題か、いかんせん映像的な迫力には欠けますが、世界観の把握には十分な出来でしょう。
次回作「リディック」でヴィン・ディーゼル演じるリディックが本格的に主人公になり、予算も桁違いに大暴れするわけですが、映画としては本作の方が完成度が高い気がします。
3部作の序章としては、それなりに楽しめるのではないかと思います。
ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。