(原題:Equilibrium)
2002年/アメリカ
上映時間:106分
監督:カート・ウィマー
キャスト:クリスチャン・ベイル/エミリー・ワトソン/テイ・ディグス/アンガス・マクファーデン/ショーン・ビーン/ウィリアム・フィクナー/ドミニク・パーセル/他
「ガン=カタ」という言葉を聞いてずいぶんと経ってしまいましたが、公開当時の筆者はアメリカ在住中。
「Forget the Matrix」のキャッチコピーと、そのあまりのB級の香りに何となく避けてしまった映画ですが、先日ついに邂逅いたしました。
すっかりバットマン(ダークナイト)の印象が強くなった俳優、クリスチャン・ベイル。
無表情が似合う俳優さんというか、、キリっとした濃い顔立ちのせいか、表情を作らずとも絵になりますね。
ネオやトリニティとはまた違ったベクトルで、無表情から感情を滲み出す名演技かなと思います。
近未来を描く架空の世界で、強靭な主人公が敵をやっつけるシークエンスはどう見てもマトリックス。
やや二番煎じ感が否めませんが、内容は予想を良い意味で裏切る奇作となっております。
さっくりあらすじ
第三次世界大戦後の、架空の世界の都市国家「リブリア」
テトラグラマトン党の党首・ファーザーの支配の下、戦争の引き金にならぬようにと人々は感情を持つことを禁止され、国家は成り立っていた。
法律により人の心を動かす原因になる絵画や映像はことごとく没収、破棄されている。
感情抑制薬「プロジアム」の服用が国民の義務となり、不服従を貫く者たちは「クラリック」と呼ばれる捜査官に処刑されてしまう管理社会。
優秀なクラリックであるジョン・プレストンはある日、同僚のパートリッジが法律違反をしていたと気づき彼を処刑するが、同時に微かな疑念が生まれることになる。
翌朝、不注意でプロジアムのカプセルを割ってしまった彼は、仕方なく薬の服用をしないまま新しい同僚のブラントと仕事に向かう。
違反者メアリー・オブライエンを逮捕し、その後鎮圧した違反者のアジトに収集されていた数々の芸術品に触れることで眠っていた感情を呼び覚ましていくのだが、、、
捜査官・クラリック
国家に仇なすものを処刑する
都市国家・リブリア
無機質で統制された社会
クラリックの体術・ガン=カタ
攻撃・防御、共にパワーアップ
新しいガンアクションの形
結論から言うともったいねぇーって感じ(TωT)
低予算で作られたSFアクションは久しぶりですが、B級アクションとしては非常によくできていると思います。
映画としての完成度は決して高いとは言えませんが、それだけにかなりのポテンシャルも感じる内容ではあるんです。
もっと予算をかけて、より丁寧な演技や描写があればかなりのヒット作となり得たと確信します。
物語のアイデアも悪くないし、アクション演出は素晴らしいし、映像も決して悪くはないし。
惜しいなー。
優秀な捜査官であるジョン・プレストンの感情が目覚めて行く過程は、非常に丁寧に美しく描かれています。
それだけに世界観の構築されきっていない部分や、感情抑制の矛盾、映像の雑な部分などが目に付いてしまうのが非常にもったいなく感じます。
が、そんな完成度の低さを補って余りあるのが、この映画のウリでもある「ガン=カタ」です。
この新たなアクションが作品の可能性を押し上げているわけですが、ありそうで無かった斬新な考え方はアイデア賞。
合理的に説明できる、非常にユニークな発想だと思います。
特にラスボスとの戦いは本当に息を飲むような、目にも止まらぬ攻防の応酬であり、なかなかの迫力を誇っています。
これだけでも一見の価値ありですよ。
あまり画面には映りませんが、その美しい足さばき、大げさな発砲、目にも溜まらぬ至近距離での連続攻撃など、全く新しい戦闘シーンは興味深い表現でした。
発案者の監督カート・ウィマーは家の庭でこっそり練習してたそうですが、スタント指導のジム・ヴィッカースも含めとっても良い仕事してます。
まとめ
良くも悪くもクリスチャン・ベイルの魅力と迫力が堪能できるs区品です。
突っ込みどころは少なくないですが、低予算のSFなんで細かいこたぁ気にしない。
最高クラスのB級アクションというか、気楽に見れるカッコいい映画だと思えば非常に良い映画だと思います。
ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。