レッドクリフPart2

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Red Cliff Part2
2009年/中国/香港/日本/韓国/台湾
上映時間:145分
監督:ジョン・ウー
キャスト:トニー・レオン/チャン・チェン/金城武/チャン・フォンイー/ヴィッキー・チャオ/中村獅童/フー・ジュン/ヨウ・ヨン/他

 




 

長坂の戦いから赤壁の戦い直前までを描いた前作は、どちらかと言えば劉備軍vs曹操軍の描写が目立っていましたが、後編となる本作はいよいよ周瑜vs曹操の戦いが始まります。

 

前作での敗戦も何のその、圧倒的な大軍を率いて南下する曹操軍。

それに対抗するために陸路を防ぎ、得意の水戦に活路を見出す孫権軍が動き始めるのですが。。

 

より派手に、よりダイナミックになった戦闘シーンに反比例したように、色々とおかしくなっていく演出と脚本。

露骨に美女を食い込ませたり、大軍同士が覇権を賭けて闘っているはずなのに最後はタイマンだったり、何故にこんな演出になってしまったのかと首をかしげるばかりです。

 

 

 

さっくりあらすじ

緒戦を終え、膠着する曹操軍と孫権軍。

曹操陣営では疫病が流行し、病死した兵士の亡骸を船で孫権陣営へと送る暴挙に出る。

結果として孫権側でも疫病が流行してしまい、怒りに燃える周瑜達が早めの対応策をとるも、疫病を目の当たりにした劉備軍は早々に撤退することを決意する。

そんな中、曹操陣営に潜入していた孫権の妹・尚香が帰還し、曹操側の布陣を記録を元に周瑜は戦略を練り始める。

”火”を用いて攻め入ろうとする曹操の戦略を利用し、「東風の風」が吹くのを待ち続けるのだが、、、

 

 

 

090206_redcliff2_sub41劉備軍の天才軍師・諸葛亮
演じるは金城武

 

c0075706_7503824映画オリジナル武将の関興
中村獅童が良い味出してます

 

th2周瑜の妻・小喬
絶世の美女と称される

 

 

 

演出がおかしい

というのが正直な感想、三国志ファンとして、これでもかなり寛大なつもりです。

前作は三国志スペクタクルとして、多少のツッコミどころは大目に見ましたが、続編がさらに斜め上をいく展開ではフォローのしようも無いんです。

 

前作は大まかに赤壁の戦いに至るまでの経緯を描き、本作では実際に対峙する人間の内面を描いてあります。

初っ端から曹操陣営に孫権の妹・尚香が潜入しているのですが、どう見ても女性だし、、、お人好しな青年のフォローがあったにしろ、あんなに大っぴらに伝書鳩を飛ばしても全くバレない違和感。

 

色々と理由はあるにしても、何の断りもなく勝手に曹操の元へと行ってしまう周瑜の嫁・小喬、、、何考えてんだ?この女は?という意見しか出てこない違和感。

現代に合わせて女性の活躍する場を設けること自体は反対しませんが、こーゆーことではないでしょ。

せっかくのアクション大作に水を差すような演出がどうにも多く、また見過ごせない残念なレベルなので、一言で言えば見苦しいかな。

 

 

戦闘シーンは引き続きの大迫力、壮大な舞台で両軍が激突するサマは非常に見応えがあります。

それ故に蛇足な女性の演出が尾を引くわけですが、そういった意味でも演出面はいまひとつな印象。

良く言えばオタク好みにすり寄らず、あくまで大衆向けに作り上げたエンターテイメントだとも言えますが、興行的に成功した結果があるので間違った選択ではないにしろ、どうにも違和感が拭えません。

 

三国志においては概ね悪役として描かれる曹操がわりかし良心的に描かれていたところは個人的に良かったかな。

血筋や過去の罪歴を気にしない絶対評価主義として知られる曹操ですが、蹴鞠(サッカー)の上手い兵士を抜擢したり、はたまた疫病に苦しむ兵士たちに声をかけたり、非常に地味ながらも彼の人柄についての演出があったのは嬉しいところ。

 

あと今回は銃ではなく剣だけれども、ジョン・ウー監督の互いに武器を突きつけ合うシーンも健在です。

しかしこの監督はこのシーンを作らなきゃ気がすまんのかね?

 




 

まとめ

歴史モノは人それぞれに思い入れがあり、ファン全員が納得するような完成度となるとほぼ不可能な域の難易度となるでしょう。

歴史に残る壮大な舞台や物語をテーマに、大金を投入し映像化してくれたことには感謝の一言ですが、終わってみれば内容は薄く、お金だけでは映画は面白くならないという皮肉な感想になってしまいます。

 

全体的にテンポが悪く、大戦が始まるまでの間延びも良くない印象でした。

決してつまらない映画ではないですが、ニッチな分野であり、尚且つ粗い脚本ということもあり万人に勧められるものではありません。

 

まぁせっかくパート1も観たならパート2も観ませんか?ということで。

ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。


 

 

 



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