愛しのローズマリー


(原題:Shallow Hal)
2001年/アメリカ
上映時間:113分
監督/脚本:ピーター・ファレリー/ボビー・ファレリー
キャスト:ジャック・ブラック/グウィネス・パルトロー/ジェイソン・アレクサンダー/スーザン・ウォード/レネ・カービー/ジョー・ヴィテレリ/他

 




 

「障害」を「個性」として捉え、面白おかしく感動できる映画作りに定評のあるファレリー兄弟によるロマンス・コメディ。

あまり現実的とは言えない内容ですが、良くも悪くも人間の本質を描いた傑作です。

 

「人を見かけで判断してはいけない」という明確なメッセージ性。

障害者に対する偏見と現実。

そして、それらを受け入れる心の成長。

 

一人の人間として、大切なことが描かれております。

特にメンズは必ず観ておきましょう、男として一皮むけますよ。

 

 

 

さっくりあらすじ

幼い頃に父が残した遺言が大きく影響し、中年になったハルは今でも女性に中身を求めず、外見が美しい女性ばかりを追いかけるようになっていた。

そんなある日、エレベーターにて有名カウンセラーと乗り合わせ、彼の催眠術により内面の美しい女性が美人に見えるようなる。

自分の視点の変化に気づかず、ハルは絶世の美女・ローズマリーと出会うのだが、、、

 

 

 

 

心優しき美女・ローズマリー

 

催眠が解けるとこうなる

 

パンツでかー!!

 

 

 

愚男と美女

催眠術を用いることで主人公の美意識を逆転させる、というありそうで無かった斬新な設定。

劇中に登場する綺麗な女性たちが魅力的に思えれば思えるほどに、メンズの視点で見る矛盾が大きくなっていくという錯覚はかなり面白いと感じました。

「不細工=性格が良い」ではなく「性格が良い=美人」という絶妙な匙加減がキモですな。

 

やっぱアレよね。

「優しい人」とか「甘やかせてくれる」とか「料理上手」とか、言うてもみんな美人が好きだもんね。

でも、どんな顔してても可愛く見える人なんて結構いるし、美人だけど残念な人も多いし。

「綺麗な女性」という概念を定義することは、極めて難しいものだと思います。

 

 

で、とにかくこの映画はローズマリーことグウィネス・パルトローが反則級に可愛いです。

「外見の完成度と可愛さは比例しない」という主張は変わりませんが、マジでハンパない。

優しく、どこか無邪気で笑顔が素敵、完璧なボディラインに漂うセクシーな色気。

数あるグウィネス・パルトローの出演作品の中でも、本作は間違いなく一番魅力的に見えることでしょう。

可愛すぎて悶絶しますよ、マジで(病気)

 

 

そしてそんなローズマリーの尻を追っかけまわす、ハルことジャック・ブラックも良い味を出しています。

まだ若いっすね(笑)

チビデブな自分のことは棚に上げて、さも当たり前のように女性のビジュアルについて語る姿。

おっさんらしからぬバイタリティでローズマリーを口説こうとする姿とか。

彼にしか出来ないハマり役ですな。

 

全体的にほんわか笑える、あくまでコメディな枠組みの中で作られた物語です。

そんな本作を傑作たらしめる要素として、障害者やコンプレックスという概念を嚙ませている点が非常に大きいウェイトを占めています。

登場人物は外見的にも内面的にも、何かしらの障害や、それに伴うコンプレックスを抱えている者ばかり。

彼らの明るさの裏にある悲しみの深さを、ハルの視点を通して体験することになります。

 

監督のファレリー兄弟は障害者を交えたユーモアを多用することが多く、監督としての特徴と言って良いでしょう。

「障害者を笑いものにしてる」のではなくて、「障害者のユーモアを分かち合う」ことができる稀有な才能の持ち主だとも思います。

障害を抱えていても、ヴィジュアル的に醜くても、仲間を見つけて人生を謳歌し人に優しく出来る人には魅力がついて回るものです。

健常者だから性格が捻じ曲がっていて、障害者だから心が清いというテンプレ的な思想ではなく、あくまで個人のパーソナリティの問題なわけですよ。

健常者と障碍者の間にはよく分からん溝があるのは事実だと思いますが、そんな互いの不満や誤解を解消するためにも本作は役立つのかなとも思います。

 




まとめ

結局は「見た目」も「性格」も個性なんだけどね、それ故に「見た目」で人を好きになることは何となくディスられる世の中もおかしなもんですな。

ただ本作が伝えたいのはそんなことじゃなくて、自分にとって魅力的な人を見つけ「その人のために尽くす幸せ」ってもんがあるんだぞ、というのが大事なところ。

 

無意識の内に「自分につり合うのか?」とか「自分に尽くしてくれるのか?」とか都合の良いこと考えていませんか?

人に何かを求める際に、自分自身はどうなんだ、とか。

外見も内面も見た上で、相手の魅力を理解できているのか、とか。

 

そんな大事なことを教えてくれる良作です。

ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。


 

 

おまけ

最近では「アイアンマン」のペッパー役が印象深いグウィネス・パルトロウ。

近年は「マクロビオティック」なる主義に染まったり、カルト的なアイテム通販事業で訴訟されたりと、徐々に闇が深くなっている様子。

美を追求するとやれ菜食主義だとか、チャクラが何だとか、何で皆こういう感じになるんでしょうね?



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