SING シング


(原題:Sing)
2016年/アメリカ
上映時間:108分
監督:ガース・ジェニングス
キャスト:マシュー・マコノヒー/リース・ウィザースプーン/セス・マクファーレン/スカーレット・ヨハンソン/ジョン・C・ライリー/他

 




 

あまり興味を惹かれる作品ではなかったんですが、嫁さんに連れられバルト9にて。

映画の内容どうこうよりも、吹き替え版の声優を務めたキャスティングにスポットが当たっている印象ですが、バッチリ字幕版にしましたよ。

映画は作った国の言葉で観るのが筆者のポリシーです。

 

個人的には「ミニオンズ」も「ペット」もセンサーに引っかからずスルーしておりまして、ついでに言えば「ズートピア」のような動物を人間に見立てた作品にも苦手意識がありました。

何というか「子供が観るもんでしょ?」みたいなフシがあって、いい歳こいたおっさんとしては敬遠しがちなジャンルだと思っています。

 

先に結論を言えば、あくまで”歌”を主役に据えた作品として面白くはありましたが、やはり想像の上を行くようなものではなく、良くも悪くもイメージ通りな映画でした。

 

 

 

さっくりあらすじ

経営不振の劇場支配人・ムーンは銀行からの未払いの催促を受け流しつつ、劇場を復活させる起死回生のアイデアを思いつき、賞金を設けて歌のコンテストの開催を企画した。

手持ちの資金に少しだけ付け足し1000ドルの賞金を懸けたチラシを作るのだが、劇場で働くミス・クローリーのハプニングにより賞金額が10万ドルになってしまう。

翌朝になるとものすごい数のオーディション希望者が行列を作り、ムーンはその中で候補者を6名に絞り込む。

候補者のリハーサルを進めつつも、ようやく賞金額の誤りに気が付いたムーンは金策のため、再び起死回生のアイデアに懸けるのだが、、、

 

 

 

 

劇場支配人のバスター・ムーン
従業員のミス・クローリー

 

コンテストの開催を決意
候補者を絞る

 

上がり症で歌が歌えないミーナ
裏方を務めることに

 

 

 

映画のような、MVのような

聞いたことの無い楽曲ならともかく、知ってる歌を誰かが歌ったところで正直あまり響かないんすよね(汗)

「歌が感動を呼ぶ」「吹き替えが豪華」と宣伝されている通り、素晴らしい楽曲と歌唱力はあるものの、何か訴えかけてくるものはあまり感じませんでした。

 

これは決してつまらないということではなくて、ノリとリズムだけでハッピーになるのは子供だけでしょって意味。

そもそもが子供向けなテイストの作品であるわけで、映画としての良し悪しの問題以前に、これで大人が深く感動するのはやや幼稚かなぁと思うんですよね。

 

 

主人公のバスター・ムーンをはじめ、どのキャラクターもそれなりに問題を抱えているはずなのに、どこか場当たり的に解決してしまう展開もまた然り。

結果オーライな考え方しかできない登場人物たちに最後まで共感できず、歌とパフォーマンスで盛り上がっても何だかモヤモヤする、そんな感じ。

 

つまりは「映画」としての物語やメッセージ性を重視せず、「ミュージックビデオ」のように”歌”を中心として、ストーリー性はバックグラウンドのように捉えるのが正解かなと。

終始明るく楽しい雰囲気なので、そういう感覚で観た方がきっと楽しめると思います。

 

 

そんな中で唯一心に響いたのが劇場の従業員であるミス・クローリーの存在。

経営不振な劇場のパーツの一つのような存在であり、経営的なセンスが皆無なムーンに忠実な部下であり、おとぼけキャラながらも劇場に対する愛が溢れるナイスキャラです。

基本的にはお笑い担当で地味めな立ち位置ですがコミカルで愛嬌ある振る舞いや、節目節目での活躍などは個人的にグッとくるものがあり、むしろ筆者の会社で働いてほしいと思うくらいの癒し系です。

 

文句ひとつ言わず、求められたことを忠実すぎるくらい忠実にこなす姿。

ポカをやらかし泣いて詫びる姿。

ピアノの特訓に付き合い爆睡する姿。

ムーンが他の仕事を始めても黙って支えてあげる姿。

拡声器を片手に客寄せに奮闘する姿。

 

このキャラクターは本当に素敵ですね、めちゃくちゃ良い人柄だと思います。

何気ないシーンではありますが本気で感動しましたよ。

 

 

全体的にキャラクターの造詣は非常に良く出来ていて、動物をモチーフにしてありながら、ちょっとした仕草や表情には”生命”が宿っていて、月並みな言い方ですがまるで人間のよう。

 

25人もの子供に囲まれながらハツラツと家事に育児に奮闘する豚さんとか。

大柄だけど内気で小心者な像さんとか。

しょーもない彼氏を持ち上げる苦労人なヤマアラシとか。

 

動物としての造詣はもちろん、人間としての悲哀や苦労、喜びや幸せなどが感情豊かに表現されます。

各キャラクターが歌に懸ける情熱やパフォーマンスが伝わり、説得力を持ちますね。

それ故に、もう少しドラマ性を深くしてほしかったなとも思いましたが。。

 




 

まとめ

ご都合主義の連発であり、内容が濃いとは言い難い作品ですが、ノリ良くテンポ良く、面白い映画です。

ヒューマンドラマとしての深みよりも、あくまで歌を中心に据えた作品であり、そういう意味ではややミュージカル寄りな内容と言えます。

ざっくりと分かりやすいエンターテイメントであり、むしろ単純過ぎて好き嫌いが分かれそうです。

早くも続編が決定しているんだそうで、個人的には次回作に期待したいところですね。

 

特別オススメはしませんが、観て損は無い映画です。

ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。

 

 

 



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