スーパーサイズ・ミー


(原題:Super Size Me)
2004年/アメリカ
上映時間:98分
監督:モーガン・スパーロック
キャスト:モーガン・スパーロック/アレクサンドラ・ジャスミン/ダリル・アイザック/リサ・ガンジュ/他

 




 

※日本のマクドナルドとアメリカのマクドナルドは違う会社であり、調理方法や原材料は全て異なるようです。

 

2004年にサンダンス映画祭で上映されるや否や、その衝撃的な内容が話題を呼んだドキュメンタリー。

最近は色々と問題があるものの、何だかんだでみんな大好きマクドナルドですが、単純にマクドナルドを食べ過ぎるとどうなるのかという体当たり取材的な作品ですな。

 

切っ掛けとなったのは10代の肥満女性が「肥満になり得る食事を提供した」という理由でマック相手に裁判を起こしたこと。

、、まぁコーヒーが熱いってだけで勝訴するような国なので、この程度のことは日常茶飯事なんでしょうけどね。

日本人の感覚で言えば「自己責任だろデブ」の一言で終わってしまいそうなものですが。

 

とにかく自称・映像作家であるモーガン・スパーロック氏が30日間に及び、マックを食べ続けた結果どうなったのか?という記録映像です。

さっくりあらすじ(というかルール)

  • モーガン・スパーロック(33歳)
  • 身長188㎝・体重84㎏・体脂肪率11%
  • 1日3回、30日間マクドナルドの商品を食べる。
  • 販売されている商品を全て一度は食べる、また残さず全部食べる。
  • 「スーパーサイズにするか」と聞かれたら、全てスーパーサイズに変更する。
  • 移動は1日2500歩(アメリカ人の平均歩行距離)まで、それ以上はタクシーを使う。

 

楽しい食事になるはずが、、

 

 

食の影響と自己責任

実にバカバカしいとは思いつつも、所謂ジャンクフードを大量に摂取した時の影響という看過しづらい微妙な問題点をついたドキュメントですな。

ちなみに先述した訴訟では「肥満を引き起こしたのは大量に食べた自分の責任である」として訴えは棄却されており、マクドナルド本社も「食品の栄養バランスと肥満の因果関係は無い」とキッパリ言ってるんだそうな。

当たり前といえば当たり前なんだけどね。。

 

ただ本作に於いて言えるのは「ジャンクフードは肥満に繋がるのか?」という点だけでなく、”肥満体国・アメリカ”の現状や”企業責任と自己責任の境界線”というなかなかに鋭い指摘があるところ。

その結果としてマクドナルドにスーパーサイズ・メニューの廃止という決断をさせた(本作との因果関係は否定)のだから、これはひとつの社会現象として凄まじい影響を与えたということなのでしょう。

 

で、実験なのですが、これがもう極めて危険な内容でして。

最初こそ美味そうにご機嫌にハンバーガーにかぶりつくも、3日目には早くも体調が崩れ始め、1週間後にはメンタルにすら変化が表れてきます。

その後も激しい頭痛や不眠に続き、3週目にしてドクターストップがかかり、、、と、くだらない内容に反してガチで命の危険にまで達してしまっているわけで。

ついでにモーガン監督の素敵な彼女まで登場しますが、優しく賢そうな彼女曰く「ち〇こが勃たなくなる」んだそうな。

世界が注目するような映像でここまでプライベートを語って良いものかどうかは置いといて、賢そうな女性が語る下ネタの不満はなかなかに萌えさせてくれます。

あれ?趣旨が違うな。。

 

 

実際に5年アメリカに住んでいた筆者ですが、確かに1年目から順調に体重は増え続け、帰国する頃には12㎏くらい太ったと記憶しております。

現在は無事減量できましたが、昔の写真を見るとまぁぷっくぷくですよ。

 

個人的な印象としてはハンバーガーよりもピザの方が多く食べていたような気がしますが、いわゆるショッピングモールや大型スーパーなんかには大体ファスト・フード店が入っているんですよね。

アメリカは日本よりも格差社会が大きな国ですが、働くシングルマザーや貧困層(当時の筆者含む)の人々は安くて美味しいファストフードに”依存”しているんだと思います。

 

ジャンクなスナック菓子やコーラ・ソーダの自販機なんかは貧しい地域に多いとも聞いたことありますし、一流企業や学校なんかは綺麗で清潔なカフェテリアでバランス良い食事を摂り、三流企業や貧しい公立の学校なんかはランチタイムに近所のピザ屋に列を作る。

実際に筆者は列を作る側の人間だったので、そんな光景は当たり前のように見てきましたよ。

要は悲しい事実ではありますが、「健康」という概念もお金が必要な時代なのかもしれませんね。

ジムに行って、ヨガに行って、エステして、サプリ飲んで、これが成熟した資本主義の生活なのでしょう。

 




 

まとめ

散々偉そうなことを述べましたが、とりあえず鑑賞後にはハンバーガー食べたくなります、ポテト付きで。

どの程度の頻度でのジャンクフードで健康を害するのかは結局よく分かりませんし、きっと個人差も大きいのでしょう。

ただ作品を通してのメッセージの捉え方は本当に人それぞれで、「食べ過ぎは自己責任」という人もいれば、「カロリーを抑えるのは企業努力で企業責任」と主張する人も少なからずいると思います。

 

いずれにせよ、己の健康は己でしか守れないのが真理というものだと思いますし、たかが1食、されど1食、忙しくともたまには体に気を使ってあげましょう。

でもジャンクフードって美味いよね!!

ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。

 

おまけ

反響を呼んだ本作の公開後、同じような実験を試みて減量に成功した猛者もいるようです。

腹8分目と適度な運動はやはり大事ですな。



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