(原題:The Accountant)
2016年/アメリカ
上映時間:128分
監督:ギャヴィン・オコナー
キャスト:ベン・アフレック/アナ・ケンドリック/J・K・シモンズ/ジョン・バーンサル/ジェフリー・タンバー/他
コンサルタントじゃなくて会計士なんだけどね。
ベン・アフレック主演、超人的な戦闘能力を有する会計士を描いたアクション映画です。
「ジョン・ウィック」や「イコライザー」など、昨今は”大人しいけれど、敵に回すと超怖いヤツ”的なアクションが多く見受けられる気がしますが、本作も大体そんな感じ。
障害を抱え、内向的で寡黙な男の容赦無い無双っぷりが見所ですね。
アナ・ケンドリックやJ・K・シモンズなどの実績ある俳優が脇を固め、予想以上に面白い内容でした。
さっくりあらすじ
1989年、ニューハンプシャー州にあるハーパー神経外科医で、クリスチャン・ウルフは自閉症と診断された。
驚異的な速度でジグソー・パズルを完成させるウルフだが、最後の1ピースが見つからずにパニックを起こす。
同じく自閉症の少女がピースを見つけ、ウルフに渡すと癇癪は収まるのだった。
現在、イリノイ州でウルフは会計事務所を経営していた。
人との距離が掴めず、不愛想ではあるものの、温情溢れるアドバイスで人を助けている。
財務局の局長・レイモンドは分析官のメディナを呼び出し、アヘンを流通させたマフィアが殺害された事件を語る。
そして、その犯人であろう”会計士”と呼ばれる男の調査を依頼するのだが、、、
自閉症の少年・クリスチャン
立派に育ち、会計事務所を設立
厳格な父の教えにより
戦闘能力も一級品
言うてもベン・アフレックは良い
あまりに印象的なアゴに目がいってしまうせいか、あれこれ器用に演じ分けられているにも関わらず、何故か地味な印象のベン・アフレック。
しかしその地味で器用な演技力は本作でも遺憾なく発揮され、深みのある素晴らしい演技で映画を盛り立てます。
作品自体はアクションとして控えめな印象ですが、バットマンよりもよっぽどハマり役じゃないですかね。
異常に数字に強い才能と、父から施された厳格な教育により強靭な戦闘能力を得たクリスチャン・ウルフ。
鍛え抜かれた肉体に、精密な射撃に、卓越した格闘能力に、マジでメチャクチャ強いっす。
ジェイソン・ボーンかジョン・ウィックあたりとガチで戦わせてみたくなりますね(笑)
自閉症はどこにいったと言いたくなるほどにコミュニケーション能力も発達し、温情溢れる仕事ぶりで人々を助けています。
何故に彼が会計士として人を助ける一方で、危ない橋を渡るのか?
その目的や手段に於いても非常に説得力があり、物語の構成や組み立てが上手いなぁと感心させられますね。
人との距離が測れず、不愛想ではありますが、どこか暖かみを感じさせる人柄は微笑ましく、ベン・アフレックの演技力が光ります。
「高機能自閉症な人物がヒーローとして戦う」というリスキーな内容ながらも、立派に演じきった点は称賛に値すると思います。
映画としては、様々な伏線をきっちりと回収していく丁寧な仕上がり。
登場人物の心理描写から迫力溢れる銃撃戦まで、どれを取っても素晴らしい出来で抜かりがありません。
強いて言えば序盤から中盤にかけてまで、物語の焦点がボヤけているようにも感じますが、それは些細なものでしょう。
賛否はありそうですが、終盤にちょっとした意外性もあり、映画として最後まで飽きさせない脚本の工夫も見て取れます。
とにかくね、この手の裏の顔を持つヒーローってのは鉄板で面白いものですよね。
アクションシーンも少なめな印象ではありますが、最近注目を浴びているシラットを取り入れた格闘技もなかなかの見応えですし、大口径の狙撃銃で容赦なくヌッ殺していくのも迫力がありました。
ヒロイン役を務めるアナ・ケンドリックも、良くも悪くも地味で素朴、可愛らしく出しゃばらない良い立ち位置ですね。
あとは余談ですが、殺され役としては結構特徴のある顔立ち(というか髭)なタイト・フレッチャーさんの存在も忘れないように。
「イコライザー」や「ジョン・ウィック」や「ジュマンジ」なんかでも殺されまくってる名脇役ですな。
まとめ
大作という感じでもないですが、それなりの深い内容と高い完成度を誇る佳作です。
色々な要素がてんこ盛りな印象で、やや詰め込み過ぎな気がしないでもないですが、結果的に濃いめなドラマ性は良い点だと思います。
エンディングの着地点も素晴らしいものがありますし、満足感は得られることでしょう。
既存のアクションに飽きた方にオススメです。
ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。