(原題:The Maze Runnner)
2014年/アメリカ
上映時間:113分
監督:ウェス・ポール
キャスト:ディラン・オブライエン/ウィル・ポールター/カヤ・スコデラーリオ/トーマス・サングスター/アムル・アミーン/キー・ホン・リー/他
2009年に出版され、ベストセラーとなった小説を元にしたSFサスペンス・スリラー。
世界55ヵ国No.1ヒットと銘打たれ、何かの映画を観た際に予告もありましたし、公開当時は結構CMも大々的にやっていたような記憶があります。
HIKAKINさんとやらが得意のボイパで、機械音声みたいな声で映画を紹介するようなCMだったと記憶しております。
個人的に筆者はHIKAKINさん苦手(すんません)なんでCMが気に入らず、結局観に行かず終いでしたがね(笑)
映画の紹介にタレントを起用する意味って何なんだろうね?
大まかなストーリーや登場人物、キャスティングなどを見るに若者向けな映画だと思います。
- 巨大な迷路の中に点在する集落。
- 全員が記憶を無くし、そこで生活を送る少年たち。
- そして脱出の手掛かりを掴むために日々迷路に挑む”ランナー”たち。
「ここはどこで、自分たちは一体何者なのか?」
全3部作ということで、壮大な謎がプンプン匂うストーリー。
若てのイケメンとヒロイン達の友情、そして確執、、
あれ?何の映画だっけ?
さっくりあらすじ
ふと意識が戻ると、自分の名前以外の記憶を無くした少年は、エレベーターのような乗り物で集落に送られていた。
自分の名前が「トーマス」であると思い出すものの、高い壁と広大な迷路に囲まれた集落に大人はおらず、トーマスも少年達だけのコミュニティの中で生活することに。
集落には月に一度、生活物資と共に新たな少年が送られてくるが、誰もが名前以外の記憶が無く、役割分担をしながら脱出の方法を探っている。
他の少年の話では、唯一の脱出路であるだろう迷路の扉は朝の訪れと共に開き、夜になると閉じられ、その間に迷路の構造が変化するため、二度と同じ道筋は辿れない。
扉が閉じてしまえば、それは”死”を意味するが、今日も果敢に「ランナー」たちは迷路へと挑んでいく。
しかしトーマスが来て数日も経たず「これで最後」のメモと共に、初めて少女が送られてきたのだが、、、
トーマス
何も分からず、迷路にやって来た
集落は巨大な壁で囲まれている
迷路に挑む”ランナー”のミンホ
多分ぶっちぎりで一番人気
壮大なツッコミどころ
全米の若者を中心に、ベストセラーとなった小説の実写化ということですが、まぁツッコミどころの宝庫となっております。
重箱の隅をつつくまでもなく、誰が見ても?となりそうな気がしますが、それを上回る勢いとテンポで最後まで魅せてくれる作品といったところでしょうか。
若い世代であればミステリー性・パニック性・アドベンチャー性・ドラマ性と、次々に押し寄せる波を十分に楽しめるはずです。
実際に監督を務めた、ウェス・ポール氏は当時まだ29歳。
本作で長編映画のデビューとなるわけですが、そんな若手新鋭監督の熱が良い形で表れているようにも思えます。
とはいえツッコミどころは非常に多く、一度冷静になってしまうともう、???の波が押し寄せてきます。
そもそも迷路内でのサバイバル要素は非常に少なく、イメージしている作品とはやや齟齬があったように感じます。
ちなみに個人的には「迷路」が舞台なのにも関わらず、誰一人迷っていないというのがツボでした。
理不尽な環境に置かれた若者がそれに抗うという、いかにもティーン向けなプロットも王道的ではありますが、大人になってしまうと既視感が強く、新鮮味に欠けるのも痛いところ。
勢いだけで映画を楽しむには、筆者は少し歳を取り過ぎたようです(悲)
とはいえ3部作の序章として考えれば、先が気になる世界の背景や、先が気になる物語の展開は魅力的だなと思いました。
俳優陣は無名な若手俳優が多く、チラホラ他の映画の子役として面影があるかなーと。
少年が中心の話なので平均年齢も若く、どれも個性的なイケメンを揃えていて、外国人に憧れる10代の少女にはたまらんキャスティングじゃないでしょうか?
ただ主人公・トーマスを演じるディラン・オブライエンよりも、”ランナー”のミンホを演じるキー・ホン・リーの存在感が上回ってしまっているのが何とも。。
何事にも動じない強靭な精神力、そのクールで勇敢な姿は間違いなく人気筆頭のキャラクターでしょう。
逆に言えば”中心人物”以外の面で劣っているトーマス涙目な印象も拭えませんが、、
まとめ
残酷な描写やグロい描写は少なく、この手のパニックホラーが苦手な方でも十分観れる作品だと思います。
前述したように嫌味な大人からすればツッコミどころが目につく内容ですが、疾走感溢れる映画としての魅力は十分なものです。
謎が謎を呼ぶ壮大な物語の序章として、観て損は無いでしょう。
ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。