(原題:Uncle Drew)
2018年/アメリカ
上映時間:108分
監督:チャールズ・ストーン三世
キャスト:カイリー・アービング/リル・レル・ハウリー/シャキール・オニール/クリス・ウェバー/レジー・ミラー/ネイト・ロビンソン/他
元NBA選手を中心に、元気なジジイ達が活躍するスポーツ・コメディ。
八村塁選手や渡辺雄太選手の活躍でにわかにバスケ熱が燃え上がっておりますが、彼らが所属するNBAこそが世界最高峰、プロバスケット選手の聖域となります。
八村選手のNBA入りが連日ニュースで取り上げられておりましたが、それはもう恐ろしいほどに狭き門なわけですな。
思えば、田臥選手が日本人初のNBA選手となったのが2004年。
当時アメリカに住んでおりまして、松井やイチローにも負けない程の偉業を成し遂げた人として、今でもなお誇らしい気持ちにさせられます。
もう彼ほどの選手は出てこないと本気で思っていましたが、やはり上にいは上がいて、歴史は塗り替えられるものなんだと思い知った気がします。
元々はペプシコ(ペプシの会社)のドッキリ風CMキャラクターだったドリュー爺様ですが、まさか映画にまで成り上がるとはビックリですよ。
この企画を通した製作陣&興行主に賛辞を贈りたいと思います。
かつて超一流だった選手たちが所狭しと動き回るサマはまさに圧巻の一言であり、興味がある人であればこれだけで一見の価値はあるでしょう。
さっくりあらすじ
マイケル・ジョーダンに憧れバスケを始めたダックスは、とある理由から選手の夢を諦め、以降はストリートバスケのコーチを務めていた。
賞金10万ドルというストリートバスケの大会に向け優秀なプレイヤーを集めるも、因縁のあるムーキーにエースを引き抜かれ、意気消沈してしまう。
恋人にも愛想を尽かされ、とうとう住む場所すら失ったダックスがストリートバスケを観戦していると、老人がプレイヤーに苦言を呈しているのを目撃する。
現役プレイヤーを圧倒する彼こそが伝説のプレイヤー”アンクル・ドリュー”であり、ダックスは早速彼の力を借りようとするのだが、、、
ストリートバスケのコーチを務めるダックス
落ち込んでたらドリュー爺さんを見つける
そして結成されたドリームチーム
スピード
先述したように、炭酸飲料のCMの人気が出たから映画化という、あまりにもバカっぽい理由から始まった企画ですが何のその、それなりに映画として仕上がっているあたりは流石の一言です。
夢を諦めた青年と過去を追い求める老人が織りなす物語ですが、そこに一流のプレーヤーが加わるだけでこんなに面白くなるとはね。
純度100%、遊び心100%で、ファンの期待を裏切らない完成度だと言えるでしょう。
スポーツも映画も、要は同じエンターテイメントなんだと改めて気付かされますね。
興味がある人はまずYoutubeでCMを見てみると良いですよ。
特筆すべきはまずバスケ、そのもの。
一流の選手&元一流の選手なんだから当たり前なんですけど、とにかく速い、超速い。
一般的な男性が見上げる程の大男が、目にも止まらぬ速さでプレイする凄さ、これはぜひとも観てみて欲しい。
さすがにガチなNBAに追随するようなレベルとは言いませんが、世界最高峰のバスケに興味を持つきっかけにはなり得るんじゃないでしょうか。
NBAをあまり知らない人向けになりますが、さっくり説明するとこんなキャスティング。
カイリー・アービング
↓
自らバンバン得点を量産するポイントガード。
最高峰のドリブルスキルとシュートタッチ、中でも外でも得点できるオフェンス力が武器。
数々のタイトルを持つ現役最高峰のスーパースターの1人。
シャキール・オニール
↓
216cm、150kgの体格を誇る歴代最高峰のセンター。
類まれなるパワー、スピード、タフネスに加え高い技術もあり、全盛期の頃は彼を止めるため、わざと苦手なフリースローを与える戦術がうまれたほどに突出していた。
数々のタイトルを取り、シーズン、オールスター、ファイナルのMVPを独占したことも。
クリス・ウェバー
↓
208cm、110kgの体格を持ちながらも、広いシュートゾーンとパスセンスを併せ持つパワーフォワード。
現役時代はNBA屈指のオールラウンダーとも呼ばれたが、それ故に突出した成績が無く、怪我にも泣かされた苦労人。
レジー・ミラー
↓
歴代2位の3Pシュート成功数を誇るシューティングガード。
ボールを持っていない時の動きや、スクリーンを巧みに使うポジショニングでフリーの状態を作ることが上手く、高い3P成功率を誇る。
ネイト・ロビンソン
↓
175cmと小柄ながら、積極果敢に攻撃を仕掛けるポイントガード兼シューティングガード。
異常な身体能力を有し、ダンクコンテストで3度も優勝する猛者。
リサ・レスリー
↓
WNBA(女子NBA)で初めてダンクしたセンター。
190cmを超える長身と長い手足で圧倒的な存在であり、バスケの殿堂入りも果たした女傑。
と、ざっくり説明するだけでもオールスター級の人たちが終結したのが分かると思います。
また意外とみんな演技が上手いんですよね。
特殊メイクのおかげでもあるんですが、演者が一様に楽しそうなのが分かりますし、その緩さが作風にもマッチしているようにも思います。
まとめ
NBAファンならきっと楽しい、ファンじゃなくてもまぁまぁ楽しめると思います。
一流のプレイに感嘆し、くだらない脚本に笑える良作ですな。
世にも珍しい、高齢者バスケットコメディということで、希少価値も高いでしょう。
ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。