予告犯


2015年/日本
上映時間:119分
監督:生田斗真/戸田恵梨香/鈴木亮平/浜田岳/荒川良々/宅間孝行/坂口健太郎/他

 




 

ついつい夜更かしして映画観ちゃうんだよなぁ、、どうせ朝起きるのつらくなるのに。

仕事に家事にウィッチャー3に、、やることが多すぎて映画時間の確保が本当に難しい。

一日が28時間か、一週間が9日くらいあればいいのにと本気で考えてしまいます。。病気か?

 

筒井哲也氏による同名漫画の実写化作品、原作は更にTVドラマも製作されました。

漫画原作の実写化には基本的に全く興味を示さないのですが、そもそも原作が漫画だと知らずに鑑賞した作品です。

この手のものは原作(漫画、小説)のような比較対象があるとどうしてもつまらなく感じるからね、前情報無しに観れたのは幸せなことですな。

 

ジャニーズらしからぬ俳優色を持ち味とする生田斗真さん、個人的に好きなんすよね。

ただ表情を作るのが上手だなと感じる反面で、ビジュアル的な変化に乏しいせいか、何を見ても「バスロマン」が頭をよぎってしまいますが、、

 

 

 

さっくりあらすじ

古びたネットカフェから謎の予告動画を投稿し、新聞紙で作られたマスクを被り世界を変えると宣言する男、通称「シンブンシ」により、標的とされた個人や企業は次々と被害を受けていた。

標的となるものは一貫してSNS上で不謹慎な言動でネットを炎上させたものであることから、警視庁サイバー犯罪対策課の捜査官・吉野が捜査に当たることになるのだが、、、

 

 

 

 

ネット上に動画を投稿する謎の男・シンブンシ
不謹慎な人物・企業に制裁を加える

 

キャリア捜査官・吉野
シンブンシの後を追う

 

衆議院議員・設楽木
ネット規制法案を立ち上げるが、、

 

 

 

歪なダークヒーロー

社会的な問題を起こしながらも、法の網をくぐったり大きな罪に問われなかった人物・企業に対し過激な制裁を加える謎の男「シンブンシ」という存在。

ここだけ見ると権力を傘に来たワルをやっつける義賊的な雰囲気があり、ある意味で弱きの味方にも見えなくはない。

これは正義なのか?悪なのか?

正にキャッチコピー通りの内容であり、彼らの劇場型犯罪は思いっきり賛否別れそうですね。

 

現代社会では切り離せない、インターネットやSNSというツールの上で発信される彼らの行いは法的には100%犯罪であり、しかしながら社会的な弱者の怒りや憂いの形でもある気がします。

権力者が違法ギリギリのところをシレっと逃げ切るなんてことは現実によくある話ですし、そういう意味ではノンフィクションに近いフィクションだとも言えますね。

 

何の責任感もなく、形だけの謝罪を繰り広げる企業。

何も考えることなく、迷惑な行為をSNSにアップする若者。

歳下の子に面接され、見下される専門学校卒の32歳。

 

日々そのへんに転がっているような話の数々であり、嫌でもリアリティを感じさせられてしまうあたりが作品として上手いなぁと思います。

 

 

しかし、作品のキモとなる核心部分は理解はできても、あまり共感できなかったのが正直なところ。

というのも、こういった社会への不満ていうのはどこから具現化するものなんでしょう?

貧困や社会的な苦労が「シンブンシ」を作ったと言って間違いないと思うし、人に危害を加えて社会のせいにする人も実際いっぱいいるしね。

 

「努力できるだけ幸せだ」というセリフがありましたけど、そう言われると何ともつらいなぁ。。

引くくらい貧乏育ちから一国一城の(小さい会社だけどね)主となった筆者からすれば、今でも社会に不満なんて売るほどありますよ。

 

できる子もできない子も給料払って、事業税払って、所得税払って、社会保険払って、経費を払えば手元に何にも残らないし。

自分で始めたことだから嫌ではないけれど、政治家や税務署にムカつくことなんて本当に日常茶飯事で、言い方は悪いけれども雇われている人の10倍は社会に不満がある自負はあります(笑)

 

 

でもこういう事言うと「世の中強い人ばかりじゃないよ」と言われてしまいそうですが、逆に「世の中弱い人だらけなわけでもないよ」と言い返したい。

強きが弱きを食いものにするのは人間社会だけの話じゃないしね、それに文句を言ったって仕方ない。

それを踏まえた上で、嫌な奴に制裁を加えるのは決して”正義”とは呼ばないし、”ダークヒーロー”なわけがない。

 

”誰かのためなら人は動く”という自己犠牲の精神も分からんでもないけど、結果的に被害や犠牲者が出れば報復しに動くのが人間ってもんじゃないすかね?

彼らなりの正義で社会的制裁を加えるということは、被害者側からみれば仕返しするのも”正義”だと個人的には思ってしまいそう。

 

ただ派遣切りや加熱しやすいネット社会の苦しさ、重さはよく伝わったけどね。

捜査官・吉野が言った「助けを求めればいい」というセリフもなんだかねぇ、、誰も助けてくれなかったから「シンブンシ」が生まれたわけだしねぇ。。

 




 

まとめ

観て思ったのは、「とりあえずみんな彼女でも作ろう」もしくは「サービス業に従事しよう」ということ。

大事な人がいれば制裁なんかよりもやることいっぱいあるし、サービス業も真面目に務めれば「ありがとう」って言ってもらえて嬉しいよ(本当)

 

社会的な正義や悪なんてものは定義できないし、そもそも人間なんて半分は”悪”だからね。

自尊心を奪うものに対して憎しみを覚える「シンブンシ」の気持ちはよく分かる、でも奪われないように自尊心を鍛える(勉強する、努力する)のも大切なことじゃないかなと。

そんなこんなで色々と考えさせられる映画でした。

 

ん?面白かったかって?

そこは何とも言えん!

ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。

 

 

 

 



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