(原題:48Hrs.)
1982年/アメリカ
上映時間:96分
監督:ウォルター・ヒル
キャスト:ニック・ノルティ/エディ・マーフィ/アネット・オヌール/ジェームズ・レマー/デヴィッド・パトリック・ケリー/フランク・マクレー/ソニー・ランダム/ブライオン・ジェームズ/他
80年代のサンフランシスコを舞台に白人刑事と黒人受刑者がいびつに友情を育み、事件を解決していくバディ・ムービー。
SF映画の金字塔「エイリアン」で、製作総指揮を務めたウォルター・ヒル監督がその才能に惚れ込み、当時若手コメディアンとして活躍していたエディ・マーフィの俳優デビューへと繋がります。
黒人であるエディ・マーフィが黒人ネタで笑いを取る一方で、ニック・ノルティ演じる傲慢で乱暴な白人刑事の描写など、当時としては極めて異色の演出。
豪快で痛快、個性の強い俳優を見事に使いこなした80’sアメリカンな映画は、現在では真似できない独特の味があります。
さっくりあらすじ
カリフォルニア州、砂漠地帯の刑務所で受刑者が脱獄する事件が発生。
強盗殺人犯のアルバート・ギャンズは共犯のビリー・ベアと共にサンフランシスコへと逃亡してしまう。
翌日、サンフランシスコ市警の刑事ジャック・ケイツは同僚2人と非行少年が入り浸るホテルへと踏み込むが、偶然にも脱獄犯と鉢合わせ、銃撃戦の末に同僚2人は射殺されてしまう。
ジャックは脱獄犯の一味だった服役中のレジー・ハモンド受刑者から情報を得ようとするも、協力の交換条件として、48時間の期限付きでレジーを仮出所させることになる。
仮出所にご機嫌なレジーに苛立ちながらも、ジャックは犯人たちの後を追うのだが、、、
横柄で傲慢な刑事ジャック
でも”悪”を憎む気持ちは人一倍強い
相性が悪すぎてすぐモメる2人
なんだかんだで利害が一致
犯人を追う2人
主演2人の魅力
映画デビューとなったエディ・マーフィの好演に目がいきがちですが、個人的にはニック・ノルティの方にスポットを当ててあげたい。
”タフガイ”という言葉がピッタリな大柄に加え、不遜な態度を崩さないジャックを演じていますが、女性の扱い方、犯人の逮捕術、とにかく不器用で豪快な男です。
気遣いが下手くそで大昔の日本男児のような男ですが、ポケットにウィスキーを常備していたり、ヘビースモーカーよろしくタバコをぶかぶか吹かす姿には一抹の繊細さも見え隠れします。
本来心の優しい男が、凶悪犯罪を追いかける内に不敵で傲慢な男になってしまったようで、その背中には寂しさすら感じるような、ハードボイルドな男ならではの魅力に溢れていますね。
対してエディ・マーフィ演じるレジー・ハモンド。
超がつくほどのマイペースで、こちらもジャックに負けず劣らずの不遜な男です。
常にすっとぼけた態度と余裕を無くさないコミカルな人物設計、それにピタリと当てはまるエディ・マーフィの個性。
彼でなくてはならないと断言できるほどのハマり役、キャスティングの素晴らしさが見てとれますね。
オンボロのマッスルカーを乗り回し、でっかい銃をぶっ放す豪快なアクションに、まさに凶悪犯と言えるような悪人面の犯人たち。
それぞれの個性がぶつかることなく混じり合う演出、演技の水準は非常に高いものです。
まとめ
ほどよくコミカル、ほどよくサスペンス、そしてほどよくハードボイルド。
このような絶妙なバランスで成り立つ映画は希少なものです。
アクの強いコンビを軸に、笑える小ネタを挟みつつもテンポ良く進むバディ・ムービー。
映像は古臭いですが、観て損の無い作品です。
オススメです。
ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。