(原題:Assassin’s Creed)
2016年/アメリカ・フランス・イギリス・香港
上映時間:115分
監督:ジャスティン・カーゼル
キャスト:マイケル・ファスベンダー/マリオン・コティヤール/ジェレミー・アイアンズ/ブレンダン・グリーソン/シャーロット・ランプリング/他
フランスのゲーム会社UBIソフトの大ヒットシリーズ「アサシン クリード」を映画化したSFアクション。
元ネタとなるアクションゲームは10作以上リリースされる大人気シリーズとなっており、史実の時代背景と融合したダイナミックな物語は今なお進化を続け、愛されております。
かなり特徴的なゲームシステムを視覚化し、ファンならばニヤリとさせられるような演出が多い反面、ゲーム未プレイな方からすると少々敷居が高くなると思われます。
原作ゲームに興味があるか、歴史に興味があるか、どちらかでないと、そんなに興味深い映画とは言えないでしょう。
さっくりあらすじ
1492年のスペイン・アンダルシア。
世界を支配するために”エデンの果実”を手にしようと目論むテンプル騎士団を阻止するため、アサシン教団のアギラールとマリアは任務に就いていた。
1986年のメキシコ。
少年・カラムが家に帰るとローブを羽織りナイフを手にした父親が母を殺害し、カラムに「逃げろ」と訴える。
その直後に銃を手にしたグループが家に押し入り、カラムは状況も理解できないまま逃げ出した。
30年後のアメリカ・テキサス。
殺人事件により死刑囚となったカラムの刑が執行されるが、目を覚ますとソフィアと名乗る女性に出会い、スペイン・マドリードに居を構えるアブスターゴ財団の施設にいると説明される。
ソフィアの父であり、財団のトップでもあるアランは”アムニス”と呼ばれる大きな装置を使い、過去を遡りカラムにアギラールの人生の追体験をさせようとするのだが、、、
アムニスという装置を使い
過去を追体験する
アサシン教団のアギラールとマリア
舞台はスペイン
イーグルダイブもあるよ!
美術&アクションが秀逸
何だかんだで1作目とオリジンズしかプレイしていない、ぬるゲーマーの筆者ですが、世界観の構築や代名詞とも言えるパルクールの数々は素晴らしいと思います。
次々と建物を飛び移り、ノンストップで再現されたアクションシーンの数々はかなり良く出来てるんじゃないすかね。
CGに頼らず、スタントマンが生身で挑戦したと謳っただけあり、再現性の高い迫力あるアクションはファンならば一見の価値ありです。
その美しい造形と再現度の高い雰囲気がもたらす効果は高く、異端審問などの歴史上の闇も演出として、視覚的に高い効果をもたらします。
歴史上に実在した人物を登場させるのは俳優の演技力に加え、美術の完成度が不可欠な要素となりますので、そこら辺も含めて非常に丁寧な作りだと言えるでしょう。
まぁガチで歴史考証に詳しい方からすればツッコミどころの宝庫だとは思いますが、そこはゲーム原作の映画なので大目に見てあげましょう。
主人公・カラムを演じるマイケル・ファスベンダーが思いのほかハマり役。
ワイルドで知的な風貌に、セクシーさと蛮勇さが良い具合にアクセントになってますね。
カッコいい暗殺者の衣装もサマになってますし、パルクールのカッコ良さも手伝ってスタイリッシュで魅力的ですな。
しかしそれ以上に、その相棒となる女性暗殺者・マリアを演じるアリアーヌ・ラベドに注目。
フランス系ギリシャ人だそうですが、何ともエキゾチックな魅力が満載で、彫刻のような美しいお顔に氷のような冷たい眼差しがゾクゾクきますよね(病気)
ギリシャ語・フランス語・英語の3カ国後を話す才女でもありますが、これからの活躍に期待したいですな。
不満ではないですが、問題点としてはやはりゲーム未プレイの方には優しくない作品だと思います。
何を巡って、どの勢力が争っているのかが非常に分かりづらく、初見の方からすれば意味不明な映画にもなり得ます。
ついでに多めのキーパーソンが登場するわりには説明不足というか、各キャラの掘り下げも甘めな印象で、尺の問題もあるにせよ脚本の粗さが目に付きますね。
ある程度の予習・復習ありきの映画だとも言えます。
あとは脚本的にやや投げっぱなしというか、不可解な要素や謎もチラホラと見受けられます。
が、そもそもシリーズとしての製作を念頭に置いているようですし、続編が公開されるのならば投げっぱなしの伏線も回収されていくのでしょう。
まとめ
繰り返しになりますが、原作を知らない人は理解が難しいでしょうし、原作ファンからすればハードルが上がる分満足するのも難しいと思われます。
個人的には結構満足な完成度でしたが、ガチなファンからすれば物足りなさや蛇足も少なくないのかな。
やはり大人気ゲームを模した映画は評価が難しいものですね。
よければ一度ご鑑賞くださいませ。