(原題:The Blair Witch Project)
1999年/アメリカ
上映時間:81分
監督/脚本
ダニエル・マイリック/エドゥアルド・サンチェス
キャスト:ヘザー・ドナヒュー/ジョシュア・レナード/マイケル・C・ウィリアムズ
当時高校生だったんすよねー。。
学校もろくに行かず、毎日毎日家にも帰らず遊び歩いていたあの頃、、、
もしタイムマシーンが完成して、あの頃の自分に会うことが叶うのならばぜひとも伝えてあげたい。
「バカかお前は!?学校行けよ!勉強しろ勉強!!」とね。
さて、青春を送る上で欠かせない行事「肝試し」というものがありますが、お墓だとか森だとか、、はたまた都市伝説が眠る廃墟だとか。
誰もが一度は経験のあるものだと思いますが、オカルト的なものはいつの時代も独特な魅力があるものです。
最近では「パラノーマル・アクティビティ」などで注目されたフェイク・ドキュメンタリーという手法ですが、本作はその先駆けとも言われ、その斬新な演出が話題になったものです。
超低予算で製作されたものの結果的に1億ドルを超える興行収入を得るなど、史上最高に成功した独立系映画と呼ばれるほどの成功を収めました。
さっくりあらすじ
1994年10月、メリーランド州パーキッツヴィル近郊の森に入った若者3人が行方不明になった。
「ブレアの魔女伝説」をテーマにドキュメンタリー映画を製作するため、取材と検証を兼ねてブラック・ヒルの森に入った映画学科性3人。
3人の失踪から1年後、彼らが撮影したと思われるフィルムが発見されるのだが、、、
このシーンすごく有名だったよね
何かの紋章か、警告か、、
ドキュメンタリータッチなので
地味ながらジワジワ怖い
一番怖いのは「想像力」
脳みそというのは非常にハイスペックで、性能が良すぎるが故に存在しないものを”存在している”と知覚することがあるそうです。
闇・正体不明の存在・奇妙な音という、最も基本的なものだけを駆使し、まるで何か恐ろしいものが存在しているかのように勘違いさせる手法は神がかって素晴らしいと言えます。
暗い画面と静けさに加え、謎の現象やオブジェクトなど、何か意味があるのだろうと考えてしまうのが人間というもので、五感で感じる”得体の知れない不気味さ”が恐怖となりジワジワと心に染み渡ります。
特殊効果もCGも必要とせず、何をもって人間が恐怖を感じるのか。
そんな人の心の隙間を上手くついた秀作です。
映画のテンポは非常に悪く、またハンディカメラでの臨場感を狙ったため手ブレがひどく、場合によっては若干吐き気を催します。
そのため映画としては駄作、ドキュメンタリーとしては傑作という妙な評価が伴います。
あくまで「失踪した3人が残したフィルムの上映」という形をとっているので、俳優たちは無名な人ばかり。
それゆえに知らない人たちがパニックを起こし、何かに恐れている姿は生々しく、現実味を帯びた演出となるわけです。
そのパニックが伝染し、残された映像に何かを見るようになったらもう大丈夫、100%本作を楽しめることでしょう。
まとめ
残念ながら本作以降、この手の作品が量産され価値が下がってしまいました。
そもそも”本物のような偽物”なので有名になればなるほど、フェイク・ドキュメンタリーとしての魅力が無くなってしまうのです。
本来は名前も無く、ビデオ屋さんの端っこにしれっと置いてあるのが最高のロケーションではないでしょうか?。
それでも公開から20年弱、今現在の中高生たちが観るには十分な臨場感を感じれるのではと思います。
徐々に暑さを感じ始める今日この頃、初夏の肝試しにいかがでしょうか?
ぜひ一度ご鑑賞くださいませ。
おまけ
青春のど真ん中を疾走していたあの頃。
「何か動いたぁぁぁ!!」
「ぎいやぁぁぁ!!!」
「もうやだぁぁぁぁ!!!!」
そんな風に、肝試しで騒いでいた友人達。
今だからこそ聞いてみたい、「あの時本当に何か見たの?」