(原題:Bumblebee)
2018年/アメリカ
上映時間:114分
監督:トラヴィス・ナイト
キャスト:ヘイリー・スタインフェルド/ジョン・シナ/ジョージ・レンデボーグJr/ジョン・オーティス/ジェイソン・ドラッカー/他
2007年の公開より大ヒットを記録した「トランスフォーマー」シリーズのスピンオフ。
1作目である「トランスフォーマー」から20年前に遡り、地球にやってきたB-127(バンブルビー)と少女の出会いが描かれます。
思えば1作目が公開された2007年当時、あまりにも多忙な日々を送っていた故に、公開当初に観に行ったにも関わらず鑑賞中に爆睡をかますという大チョンボをやらかしたあの日。
その後もう一度観に行く機会にも恵まれず、結局触れないまま離れてしまったトランスフォーマーというコンテンツ。
そんな想いを胸に今一度思い立って観てみたわけですが、コレがなかなかに面白い佳作だと思います。
さっくりあらすじ
惑星サイバトロンでは、オートボットとディセプティコンが熾烈な争いを繰り広げていた。
追い詰められたオプティマスプライムはB-127に対し、地球へと向かい勢力を立て直すための拠点とするように命じた。
米軍の訓練施設へと落下したB-127は米軍に追われた上にディセプティコンの追手とも対峙し、何とか退けるも声を失い、近くにあったビートルをスキャンし活動を停止するのだが、、、
遊園地でバイトするチャーリー
家族間に壁があり、居場所が無い
車が欲しかった彼女は
廃品屋で見つけたビートルに一目惚れ
と思ったらロボットだった。
でもすぐに打ち解ける
程よい青春
結局観てはいないものの、マイケル・ベイの演出力が話題を呼んだ1作目が大ヒットした結果、その後のシリーズは映像表現をウリにしていたようなイメージがあります。
もちろん誰もが息を飲むような映像美は否定しませんし、実に素晴らしいものではありますが、映画にしてもゲームにしても結局は中身が大事なのは言うまでもありませんね。
観てない人間が評するのはおかしい話ではありますが、そういった「映像だけ」という評価がつきまとったシリーズ作品に食指が動かなかったのもまた事実。
そんなイメージで臨んだせいか、本作に限っては至って普通に面白かったです。
迫力溢れる映像演出は変わらず、家族愛に甘酸っぱい青春に友情や絆に、ある意味でジュブナイル映画としても完成している印象です。
可愛らしいチャーリーやバンブルビーが家族や兄弟のように絆を育む姿は微笑ましく、そんなチャーリーに恋する男子の姿もまた微笑ましく。
地球に危機が迫る焦燥感も、結局は娘を守るために過激な手段に出る家族も、漁夫の利を狙う腹黒さを持ちながらも最後は漢と化す軍人の魅力も、どれもこれもが良いバランスな上に成立しているんですな。
さらに言えば非常に残酷で恐ろしい戦いが繰り広げられながらも、破壊や流血の描写もマイルドな範囲に抑えられており、幅広い年齢層に配慮したであろう意図が見て取れます。
つまりは映像表現はあくまで下地であり、その上に組み立てる物語を面白くしようと考えた構想が分かる、優しい作りだということです。
特筆すべきはやはり生意気少女・チャーリーを演じるヘイリー・スタインフェルドのキュートな魅力。
「ピッチパーフェクト2」の時とは打って変わった粗暴な雰囲気で、可愛らしさに加えて役作りもなかなかのもの。
一見すると素朴でどこにでもいそうな雰囲気なんですけどね、生意気で素直になれない思春期全開少女としての魅力が際立っております。
命を懸ければ頬にキスはしてくれるけど、手は繋がせないというツンデレっぷりも好ポイント(意味不明)意外とガードが堅めなところもまた素敵。
廃品屋のおじさんに車を「タダでやる」と言われた時の弾けるような笑顔がとても印象的でした。
あとはね、ツッコミどころを上げればキリは無いのですが、まぁこういう映画だしそれは野暮というもんでしょう。
まとめ
明らかなファミリー・ムービー的娯楽作品であり、素直に笑って楽しむのが良いでしょう。
良くも悪くも子供向けな内容であり、大人が満足するほど内容が濃いわけでもありませんが、それでも退屈な作品ではありません。
アクション性に伴う映像美は流石の一言ですし、それだけでも一見する価値はあるかなと思います。
良ければ一度ご鑑賞くださいませ。